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【記者インターンシップ】学生たちが体当たりで取材した「セレクティー」

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136 views 2014.03.02
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。3月5日から春の回が始まるのを前に、昨年8月と10月に参加した学生たちが仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪

『1対1』だからできること

「私もお姉さんみたいになりたい」。当時大学生だった家庭教師への一言。東日本大震災の津波で、両親を失った女子高校生が自宅で口にした。そのころ、ショックで学校に行きたくなかった。打ち解けるにつれて、学ぶ意欲が再び生まれ、心の平穏まで取り戻していった。

あれから2年半。彼女はいま、専門学校1年生になった。当時大学生だったお姉さんへのあこがれを胸に前を向き、今は体育教師の夢を追う。

被災地で親を失った遺児に家庭教師を送る支援を続けているのは、仙台市青葉区のセレクティーだ。「家庭教師・個別教室のアップル」の看板で事業を展開する。現在市内に7つの教室を構える。

社長の畠山明さん(44)は気仙沼市の生まれ。江戸時代から続き、両親が受け継いできた家業の海産物問屋は、津波で大きな被害を受け、廃業を余儀なくされた。

家業と地域のつながりを無くしてしまうのは悲しい。「何かできることと考えた時、それは僕にとって教育。遺児支援だと思いました」

進学すると決めた子に対する金銭的支援は、さまざまな団体が行ってくれる。しかし、親を亡くしたショックで勉強まで手が回らなくなってしまった子どもたちは、金銭的な問題以前に、学習意欲を取り戻すこと自体が難しい。

「そのサポートを要望がある限り、うちの会社が続けていく」。畠山さんは語る。

▲継続することの大切さを話す畠山さん=仙台市青葉区のセレクティー

親を亡くした子どものもとに家庭教師を派遣し、無料で学習支援を行う。現在支援しているのは小学校から高校生まで10人。震災から2年半の間に支援した子どもの数は卒業生を合わせて19人となった。

創業当時からこだわり続けてきた『1対1』による支援を行ってきた。一度に支援できる人数が少なくてもこだわり続けてきた理由は、一人ひとりを大切に、子どもに寄り添って一緒に学んでいける点にある。

本当の家族のような信頼関係ができることで子どもの傷は癒え、勉強へのやる気をだしてくれる。震災遺児のために、その『1対1』の指導法を貫き通す姿勢が活かされ、結果的にメンタルケアも担うことになった。

遺児の支援をいつまで続けるのか? 畠山氏はこう語る。「今いる小学生の子どもたちが高校を卒業するまで、会社の理念は変わらない。遺児支援を必要とする子がいなくなるまで、今と変わらず遺児支援を継続し続ける」

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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪