老若男女受け間違いなし!最新作の駄菓子はミニサイズ「日立家」
日立家って、こんな会社!
仙台市宮城野区小田原の国道45号線からローソンを左手に住宅街へ50mほど進んだ先にある建物には筆文字で「日立家」の看板を掲げています。
創業は昭和12年。職人さんの手でひとつひとつ丁寧に作られる仙台駄がしのほかにも、ゆべしやまんじゅう、ブッセなども作っており、本店のほか、仙台駅のお土産コーナーなどで販売しています。
仙台駄がしとは、仙台市で作られる伝統的な和菓子の1つです。
昭和30年以降、豊富な種類と穀物や黒砂糖を使用した味わい深さが仙台の名産品として評価され、「仙台駄がし」という名前が定着しました。まん丸な形が特徴の「あんこ玉」、ピンク色で梅干しを模した「うめぼし」、きな粉を使った駄がしの代表「きなこ」などが人気です。
創業から培ってきた伝統を守りながら駄がしのバリエーションを活かし、他企業と商品共同企画するといった新しいことにも積極的に挑戦しています。
より多くの人に知ってもらうために、東京や関西など全国各地の物産展に仙台駄がしを出店。駄がしを通して仙台の魅力のPRや東日本大震災復興関連の宮城県内のイベントにも勢力的に参加し、県内外問わず活動の幅を広げています。
駄がし作りの基本の「キ」は見て真似る
「職人の手から作り出される昔ながらの駄がしの良さを残しつつ、流行や消費者の好みに合わせた商品でお客様を笑顔にしたい」と話してくれたのは部長の森康仁さん。
箱に詰められた駄がしは、まるで宝石箱のようで食べるのがもったいないくらい!
さっそく初めて知った仙台駄がしの世界をのぞき見!工場を見学させてもらいました。
最初に案内されたのは、出来上がった駄がしを袋詰めする作業場です。
包装担当の八巻さんによると、通常は1日に150~300個ほどの袋詰めを行うそうですが、1年で最も忙しいお盆や年末には1日に5000個を超えることもあるそうです。
さらに奥に進んでいくと、たくさんの機械や作業道具が並んでいる。中からはあまーい香りが漂ってきます。
白木の作業台で「ふ~、は~」と息を吐きながら真剣に作業する職人さんが!
「うちで50年働く超ベテランの菊田さんよ」と社長の森京子さんが教えてくれました。
黒い塊を丸めたり、伸ばしたりと激しく動いていました。
「今、何をつくっているんですか?」と質問すると「ごまねじりだよ」と早口で一言だけ。
太い丸太のような生地を1センチほどの均一な厚さに伸ばします。すぐに硬くなってしまうため、素早く伸ばすのが大変です。50年間愛用している「麺棒」や生地を平らにする「すりき」は使い込まれていて、元の大きさよりもだいぶ小さくなってしまったそうです。
道具を長持ちさせる秘訣を伺うと、「綺麗に洗うこと」。手にしっくりと馴染んだ“相棒”と一緒に、黙々と作り続けています。
伸ばした生地を切断機で8センチほどの長さに切り、2回ねじって成形します。
森さんに許可をもらい、仙台駄がし作りを初体験!
まずはお手本をみせてもらい、真似してみます。見ているときは簡単そうでしたが、実際に作ってみると形が揃わなかったり、ねじりが不十分だったりと綺麗な形になりません。
「左手は固定して、押しながら2回ねじる」アドバイスをいただいて再チャレンジ!
教えてもらったとおり、左手は固定して押しながら2回ねじる」と頭の中で唱えながらやりました。数をこなしていくうちにだんだんとコツが分かってきます。これが「見て覚える」ということだと感じました。
「技術の継承は言葉で説明するのが難しい。作りながら覚えてもらうのが一番」と森さんが話していたことは、働く人たちが口をそろえて言う「慣れ」だと気付きました。
日立家の職人さんたちは先輩から技術を見て学び、それが体に染みついています。
ベテランから次の若手社員へと伝統がしっかりと受け継がれている会社です。
季節を先取り!駄がしのイメージはこう変えていく
現在、日立家では駄がしが17種類とその他の商品を合わせた数は約80種類。四季を先取りした商品のバリエーションも豊かです。
日立家の仙台駄がしの中で、一番人気は「つきのわ」。黒砂糖と餅粉でつくられた生地で、満月に雲がかかった様子を表現しています。ドーナッツのような形にも見え、女性に人気があります。
仙台駄がしには、名前と形には意味があるものが多くあります。
接客するスタッフは名前や形を知るだけでなく、真心こめて作っている職人の思いも理解するため、ときどき工場見学をするそうです。
森さんは「駄がしというとスーパーなどで売っている10円ガムやうまい棒を連想しがちでしょ?でもうちの駄がしは米やゴマ、麦など自然素材で無添加なんですよ」と話します。
「駄がしは安心安全の無添加それが当たり前だと思って作っていました。食品の安全性が求められる今、駄がしの安心安全がセールスポイントになる」と気づいたそうです。
「駄がしには添加物が入っていて体に悪いという先入観を持っている方々もいます。いかに安全でおいしいという魅力を伝えるかが今後の課題です」とこれからの目標を教えてくれました。
定番駄がしから新たな挑戦へ
今までの仙台駄がしを形は変えずに「一口サイズ」にし、「かわいい!」をコンセプトとし、
20~30歳の若い女性向けに社内全体で企画されました。それが「Chacco(ちゃっこ)」です!
形は伝統を重視しオリジナルのままの味わい、ベテランの経験と若手のアイデアを融合したまさに「温故知新」な商品です。
「サイズを小さくしたことで、いままでの力加減では綺麗な形にならず職人さんたちからブーイングが起こったんですよ」と森さんは苦笑い。
若手社員も積極的に新商品企画に関われるんですか?と質問すると、「可能ですよ。でもいいアイデアがあったとしても、それが製造可能かどうかの判断力と、技術や製造方法を知ってもらう必要があります」と森さんは若手社員に求めることを話してくれました。
たくさんのアイデアから生まれたChaccoシリーズ!現在は登米市の農業団体が開発した「のなこ」という野菜パウダーとコラボした「vegeちゃっこ」を販売。着色料などは一切使わず、野菜本来の色だけで発色しています。試作段階の団子とスフレを試食させてもらいました。
おすすめは薄茶色のゴボウの粉を混ぜたお団子にチョコレートソースをつける食べ方。
ゴボウとチョコ?本当に合うのかな?想像もつかない組み合わせだったので少し戸惑いましたが、口に入れると「おいしい~~」。甘さとほろ苦さがマッチ!!
ゴボウをイメージすると少し抵抗がありましたが、駄がしにするとそんなことはまったく感じなくなります。遊び心があり話題性もあり、野菜嫌いな子どもでも食べやすい味です。
巻き起こせ!駄がし旋風!!
仙台駄がしには「駄がし=年配向け」というイメージが強く残っており、まだまだ認知度が低いと森さん。それを払拭するため、物産展などのイベントに精力的に参加したり、新商品開発に力を入れたりしています。
実際に「Chacco」や「Vegeちゃっこ」の販売効果で駄がしを買っていく若者が増えたそうです。「もっと多くの人に仙台駄がしを知ってもらうため頑張って宣伝していきたい」と森さんは話します。
最後に森さんから私たち若者へメッセージ。
「仕事は100人全員がやりたいことをできるとは限りません。だからこそ、漠然とでもいいから若者には“夢”を持ち続けてください。それと、チャンスを見つけるアンテナを張って、たくさん学ぶことを心掛けてほしいですね」
住所 | 仙台市宮城野区小田原1-4-7 |
電話番号 | 022-297-0525 |
営業時間 | 平日・土曜日9:00〜18:00 |
定休日 | 日曜日・第二土曜日・第三水曜日 |
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