学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

しっとり、ふわふわ。地元産素材の優しい味でみんなを癒やす「yuzuki」

千葉朱実 千葉朱実
4,280 views 2015.02.23
千葉朱実 千葉朱実 山形大学2年(執筆当時)
皆さん、チーズケーキは好きですか?一口頬張ると口の中に広がるまろやかなチーズの味わいは想像するだけでワクワクしちゃいます。今回お邪魔した「株式会社yuzuki(ゆずき)」は素材にこだわり丁寧に仕上げたチーズケーキのおいしさはもちろん、地域の人々の幸せを大切に考える温かい会社でした。

株式会社yuzukiって、こんな会社!

yuzukiは2005年創業。現在は社員3名とパート4名でチーズケーキとシフォンケーキの製造・販売を手掛けています。yuzukiという社名は「心も体も癒してくれるお月様のようなチーズケーキ」というお客さんの声にヒントを得て、「癒す月」を音読みした「ゆづき」にちなんでいるそうです。

JR太子堂駅から徒歩10分。仙台市太白区東大野田の閑静な住宅街にある本店はコテージ風のかわいらしいたたずまいです。ほかに県内7カ所で商品を委託販売しています。外観も内装も白色でまとめられてスッキリとしています。

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主力商品はなんといってもチーズケーキ。創業当時はプレーン味とコーヒー味のみでしたが現在のラインアップは10種類に増え、売り上げも年々伸びているそうです。

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仙台の企業魅力3つ

アツい「志」が生み出したチーズケーキ

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「叔父さんのチーズケーキを残したかった」と話す社長の佐藤博紀さん(38)。yuzuki創業前は国分町で飲食店を経営していたそうです。佐藤さんの叔父さんは料理人としてお店で働いていました。メニューの中でもお手製のチーズケーキが特に人気だったそうです。

ところが2007年に叔父さんが病気で亡くなってしまいます。大切な人を亡くし途方に暮れる中で、佐藤さんは残されたレシピを頼りにチーズケーキ作りを始めました。「お客さんに叔父さんの味を伝えたくて、とにかく勢いだけでした」。

ネット販売からスタートした経営は、徐々に軌道に乗りました。「地域の雇用を守り社会のために貢献したい」という気持ちが増し、2013年に法人化しました。「叔父さんのレシピを残すという自分のための『夢』が、お菓子を通して幸せな地域づくりを目指すという人のための『志』に変化しました」と佐藤さん。なんともアツいメッセージです!

yuzuki では地産地消に積極的に取り組み、厳選した新鮮な素材を使ってレシピの改良を重ねています。例えば、仙台市の株式会社「花兄園(かけいえん)」からは無薬飼育にこだわった安全な卵を仕入れています。「花兄園さんの卵がなければうちのシフォンケーキは作れない」と言うほど。

またチーズケーキには山元町のイチゴや宮城県の伊豆沼周辺で採れたブルーベリーを使用しています。「子どもたちへ自然な素材のおいしさを伝えたい」という思いから商品に添加物をほとんど使用していません。

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こちらは商品の製造や箱詰めをしている、店舗に隣接した「工房」です。「手作りの温かみを感じてほしいので、大量生産をイメージさせる『工場』ではなく『工房』と呼んでいます」と佐藤さん。一文字のイメージで印象がガラリと変わります。

工房の中は甘い香りが漂います…あれ?

千葉「今はチーズケーキ作っていないんですか?」
佐藤さん「チーズケーキは夕方から夜に私が焼きます。時期や気温によって焼き上がりが違うので一つひとつチェックします」

なんと主力のチーズケーキに関してすべての商品を作っているのは佐藤さん!日中に営業など外での仕事、夜はチーズケーキ作りというとてもハードなスケジュールをこなしているそうです!

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棚には夕方からの作業に向けて、クリームチーズがずらっと並んでいました。私が工房へお邪魔したのは昼の12時。ということで残念ながらチーズケーキ作りは見られませんでしたが、佐藤さんのパワフルさを実感しました!

取材後に佐藤さんのご厚意でチーズケーキを頂きました。

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しっとりとした口溶けの良いチーズと底に敷かれたサクサクのグラハムビスケットが絶妙なコンビネーションです。今回食べたのは定番のプレーン味と、季節限定の爽やかな風味のレモン味で、それぞれ1本259円。スティックタイプでスマートフォンと大体同じ長さ約15センチのサイズは、女性や子どももペロリと食べられちゃいます。取材でフル回転させた頭を癒してくれました。ありがとうございます!

グッドデザイン賞!気くばり自慢のショップ

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yuzukiは創業当時からインターネットと工房直売所で販売をしていましたが、2014年に店舗をオープンしました。工房よりも国道沿いに店を構えることで、より気軽に立ち寄ってほしいと考えています。

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オープンからわずか2カ月後に、仙台市内の優れたデザインを選ぶ「街中グッドデザイン賞」を受賞しました。そんな店舗にはお客さんに喜んでもらえるようにこだわったポイントが散りばめられています。

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店舗オープンと同時に駐車場もリニューアルし、車5台分のスペースを確保。「最初は砂利が敷いてあるだけの駐車場でしたが、やっぱりケーキ屋に砂利は合わないから」と綺麗に舗装しました。「天気がいい日は近所の子どもたちが遊べるスペースもありますよ」と言います。

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入口の外にはベンチも置いてあり、買ったチーズケーキをその場で食べることもできます。とても日当たりの良い場所で、取材に同行したコーディネーターの佐野さんもお仕事がはかどっていたようです!

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「将来どこでもお店が続けられるように」という思いを込め、店舗をトレーラーハウスにしたのも特徴です。実際に外からしゃがんで見てみると底に車輪がついています。周りの階段などを外すとトラックで店舗ごと移動できるそうです。

仙台の新名物!?野菜×ふわふわスイーツ

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yuzukiでは仙台産の野菜を使ったシフォンケーキを作っています。2010年に佐藤さんが「子どもたちにもっと野菜を食べてほしい」と考えたことがきっかけで作り続けてきました。

地元の野菜を活かしたスイーツ開発を目指す仙台市の復興事業「せんだいあおばスイーツ」にも積極的に参加しています。「近々チーズケーキでもあおばスイーツを作ろうと思います」と話していました。どんなチーズケーキになるのでしょうか…楽しみです!

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店内にはyuzukiが生み出した「ずんだシフォンケーキ」以外にも他店のあおばスイーツを置いています。「自分たちの商品にこだわらず仲間の商品を店で紹介、発信していきたい」という思いが込められています。同業者とのつながりを大切に考える佐藤さんならではのスペースです。

女性が働きやすい職場づくり進行中!

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yuzukiの社員やパートは全員が女性で、その多くが結婚している「お母さん世代」の方々です。「幸せな家庭は奥さんが幸せじゃないと成り立たない」と考え、職場の環境に気を配ります。

バレンタインやクリスマスは特に忙しく、どうしても拘束時間が長くなってしまいます。「お母さんが家に帰れない事がないように」とyuzukiでは箱詰めや製造作業の効率化への取り組みをスタートしたところです。

「ただ『仕事が忙しい』という気持ちのみにさせたくない。社員にはおばあちゃんになっても働き続けて欲しい」と話す佐藤さん。働く女性へのこの思いやり、長く働き続ける社員が多いのも納得です。

今後は「女性はもちろん男性スタッフにもケーキを焼いてほしい」と、次世代の社員を受け入れる体制も整えていくそうです。「利益の追求だけではなく、商品を大切に思う気持ちを持ってほしいです」と話していました。

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「思い出のチーズケーキを残していく」という夢が原動力となり、あおばスイーツや女性に優しい職場作りなどいろんな角度から地域を幸せにしようと奮闘する佐藤さんの熱意を感じました!私も、自分だけではなく周りの人たちを幸せにするような目標を学生生活で見つけたいです。

お菓子のエピソードを聞くとおいしさも一層増す気がします。日頃ショーケースの中で澄まし顔で並んでいるお菓子たちにも、作った人の情熱が込められているはず!と思いをはせるきっかけとなりました。取材を通してすっかりyuzukiのファンになってしまいました。今度はホールのチーズケーキを食べたいな…。

千葉朱実千葉朱実山形大学2年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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杜の都のチーズケーキ工房yuzuki
http://www.yuzuki-send...
住所宮城県仙台市太白区東大野田2-30
電話番号022-342-1727
営業時間10:00~18:30
定休日毎週木曜日※木曜日が祝日の場合は営業。