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独自に開発した納豆菌を使用!お客様から愛される「宮城野納豆製造所」

藤原 佳那 藤原 佳那
110 views 2019.10.24
藤原 佳那 藤原 佳那 東北学院大学
納豆は栄養価が高く、ごはんのお供に欠かせないという人も多いのではないでしょうか。私も多いときには週3日で食べるくらい納豆が大好きです。日本の食卓には欠かせない納豆を宮城で作っているのが「宮城野納豆製造所」です。大正9年から続く宮城野納豆がどのように作られているのか、他の種類の納豆と比べてどのような特徴があるのかを取材してきました!

宮城野納豆製造所ってこんな会社

仙台駅から原ノ町方面のバスに乗ること約20分。住宅地の中に「宮城野納豆製造所」はあります。

△大きな文字で書かれた看板が目印です

取材に答えてくださったのは、三代目社長の三浦晴美さん(62)です。


大正9年(1920年)、現社長の祖父である三浦二郎さんが創業しました。初代の二郎さんはもともと体が弱かったことから、栄養のあるものを安く提供して社会に貢献したいと考え、納豆の製造を始めました。

当時、大きな工場で納豆を作ろうとしたのは、全国で宮城野納豆製造所が初めてだったといいます。初代社長は、北海道大学の納豆博士である半澤教授から、藁を使わずに作る衛生納豆の製造方法を習得しました。


△半澤教授から授与された「衛生納豆製造法」の取得証明書

主な事業内容は、納豆と納豆菌の製造販売です。宮城野納豆はオンラインショップのほか、みやぎ生協やウジエスーパー、仙台市内のイオンなどで販売されています。スーパーでは、1パック50g が30円(税込)と、お手頃な価格で販売されています。


△買って食べてみました!

従業員は晴美さん、ご主人、息子さん、事務の方の4名のみ。事務以外の全ての業務を3名で分担して行っています。かつては、多くの従業員を雇っていたそうですが、生産量の半分を卸していた会社が倒産してしまったことを機に、会社の存続のために家業へとスリム化しました。

仙台の企業魅力

営業しなくても売れる!?お客様から愛される製品

仙台市内のスーパーで必ず見かけるほど、宮城野納豆は多くの店舗で取扱いがあります。これは、販売してもらえるように営業に行っているのではなく、「宮城野納豆を販売してくれないか」と、お客様からお店側への問い合わせをきっかけに販売店舗を拡大しているからです。

中小の納豆会社が年2%減少している一方で、宮城野納豆の製造量は増加傾向とのこと。「おいしい納豆を広めたい」という思いは創業からずっと変わらずに引き継がれています。

「宮城野納豆は、豆がやわらかく、あっさりした香りが特徴」と晴美社長は話します。これは創業から同じ味で、製造方法もずっと変わっていません。

大豆も戦後から同じ会社と取引しています。納豆に使われる大豆は味噌や豆腐とは異なり、粒の大きさが均一で、色がきれいであるなど見た目が非常に重要です。選別には時間と手間がかかりますが、良い大豆を選別して届けてくれるため全てお任せしているといいます。


△この大豆で納豆を作ります

全国20%の納豆菌シェア 

宮城野納豆は、独自に開発した納豆菌を使用して納豆を作っています。納豆菌自体の販売もしており、なんと全国の納豆製造会社が使う納豆菌の20%を宮城野納豆が供給しています。


△滅菌水に納豆菌を入れて販売しています

スーパーで数多く売られているミツカンやマルコメなどの大手企業は、自社開発した納豆菌を使用していますが、残りの20%は宮城野納豆で開発された納豆菌を使用しています。つまり、宮城野納豆菌を使った納豆を気付かないうちに食べていたかもしれない、ということです。

大手企業以外の中小の納豆会社は、納豆菌の開発に必要な人材や費用などの負担が大きくなってしまうため、納豆菌を買っている会社が多いそうです。半澤教授から伝授された納豆菌の技術が今も日本の納豆製造を支えています。

納豆を長く食べてもらうために

晴美社長は、「宮城野納豆はやわらかいため、ペースト状にしやすい。パンに塗ったりお味噌汁に入れたり調味料的な感覚で生活に組みこまれていくことによって、納豆を長く食べてもらえるのでは」と話します。まずは、納豆と納豆菌の製造販売を継続しつつ、長く食べてもらえる方法に活用できそうな情報は関心を持って集めていきたいとのことでした。

また、原材料から最終的な製品までの衛生管理方法としてHACCP(ハサップ)の導入が日本全体で義務化されました。東京オリンピック・パラリンピックの開催がきっかけで、2020年までの導入を目標にしています。

この影響を受け、宮城野納豆製造所でもHACCPの導入に向けて工場内の改装やシステム化を進めていくそうです。導入にかかる費用は全て自己負担であるため、地方の中小企業にとっては非常に大きな負担になりますが、会社の存続のためにも導入に向けて取り組んでいきたいと話していました。

この記事で触れられなかった情報は「宮城野納豆製造所、こぼれ話」からご覧ください!

取材前は、晴美さんが納豆好きな方だと思っていましたが、「異常は無いか、しっかり納豆ができているかを確かめる検食のためにしか食べない。納豆とはある程度の距離がある」と話していたのが印象的でした。
晴美さんが家業を継いで10年以上経ちます。納豆を商売の観点でしか食べないという一定の距離感があるからこそ、創業から変わらずに長く愛される納豆を作ることができるのではないかと思いました。

私は実家暮らしで、冷蔵庫に入っている納豆を必然的に食べていたため、他の種類の納豆を食べる機会がありませんでした。ですが今回の取材をきっかけに、今では自宅の納豆が宮城野納豆に変わるほど家族もはまっています笑
オンラインショップでは、納豆製造体験キットも販売しています。機会があれば、自分好みの納豆作りにも挑戦してみたいと思います。

藤原 佳那藤原 佳那東北学院大学
文章:藤原佳那(東北学院大学4年)
写真:加子瑞騎(東北大学3年)
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有限会社宮城野納豆製造所
https://www.miyagino-n...

この記事を書いた人

藤原 佳那
藤原 佳那
東北学院大学
いぐする仙台の元学生編集長、藤原佳那です。
生まれも育ちも仙台の、生粋の仙台っ子。趣味は映画鑑賞で、仙台パルコ2に映画館ができたこともあり映画好きに拍車がかかっています。
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