学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
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品質で勝負!オーダー製作で思いをカタチにする「株式会社 ほまれや」

藤原 佳那 藤原 佳那
230 views 2020.03.19
藤原 佳那 藤原 佳那 東北学院大学
毎年5月に開催される「仙台青葉祭り」。音楽だけではなく、色鮮やかな衣装がすずめ踊りを盛り上げています。すずめ踊りを見るたび、目を惹くきれいな衣装がどのように作られているのか、洋服とは異なる色彩をどのように出しているのか興味が湧きました。そこで見つけたのが「株式会社 ほまれや」。通学時にバスから見て気になっていた会社の一つなので、胸を弾ませて取材に行ってきました!

ほまれやってこんな会社

地下鉄河原町駅を降りて、徒歩1分。「ほまれや」と書かれた緑色の看板が目印です。

取材に答えてくださったのは、デザイン・企画を行う土田暢子さんです。

ほまれやは、半天(はんてん)やのれん、タオルなどの繊維製品を製作・販売しています。すずめ踊りの衣装だけではなく、新酒の出荷に合わせて着る酒造会社の前掛けや建設現場でよく見かける旗なども製作しており、お客様は官公庁や企業、学校など多岐にわたります。外に飾られるのれんや旗は1~2年で買い替えるため、リピーターのお客様が多いそうです。


△酒造会社の前掛け
従業員は営業3名、デザイナー2名、事務2名、縫製・梱包5名の12名です。人数が少ないため、お客様ごとに担当を決めるのではなく誰でも対応できるように複数人での打ち合わせや情報共有をしています。

商品は注文を受けてからデザインを決め、染色工場などに発注し、検品をした後お客様に納品します。30年前までは染色作業も全て行っていましたが、染めの技術の多角化や要望の多様化に合わせた設備投資が大変なことから、現在は染めを専業とする協力工場を開拓して様々な商品に対応できるようにしています。

創業は昭和7年で、当時仙台にあった日本陸軍第二師団へ軍の制服や繊維品を納めていたことをきっかけに染色、縫製業を始めました。創業時は「江刺屋」でしたが、覚えやすいように、陸軍がよく吸っていた「ほまれ」というたばこの名称をとって「ほまれや」になったと伝わっています。

仙台の企業魅力

コミュニケーション中心のオーダー製作

商品はお客様の希望に適したものを仕上げるため、オーダーに合わせた染め方を提案します。
お客様は染めの過程や特性を知らないので、お客様が指定した染め方だと色が出ないことや希望の仕上がりにならないこともあります。そのため、お客様の希望を聞いて「だったらこちらの染め方のほうが良いですよ」と提案することもあるそうです。
製作経験があるものは、あらかじめ出ない色などの注意点を説明できますが、経験が無いものに関してはオーダーとできあがりに差を感じることも。そのときは、技術的な問題なのか、改善点や他の方法がないかを試行錯誤して、より要望に合った商品へ仕上げていきます。


△細かいデザインもきれいに染められています

「作り方の説明やお客様へのアドバイスも含めてサービス。オーダー製作だからこそできること」と土田さんは言います。今では、安くてすぐ届くインターネット注文が当たり前ですが、作り方などお客様の目に見えないところをインターネットで訴求するには限界があります。

オーダー製作は、インターネット注文の魅力である“安さ”では勝負できませんが、「値段の違いを納得してもらうためにお客様が望んでいる“品質”を考える」ということを心がけています。

地元企業からの強い支持

年末になると、企業が年始に配るお年賀タオルの注文が殺到します。昨年末は、一番多い企業で3万5000本の注文がありました。

注文の8割が地元企業からで、長年取引のあるお客様が多いそうです。常連のお客様からは「いつものでお願い!」と言われることもしばしば。これは、お客様のデータ管理を丁寧に行っているからです。過去15年分の注文履歴が全て残っていて、デザインの変更が無い限り、2回目以降は数量だけで注文することができます。


△お客様からよく聞かれることをまとめた「ほまれや通信」

また半天やのれん、旗などは、お客さんにとって頻繁に注文する品ではないため、慣れない品を注文することへの不安やイメージの付きにくいところもあると思います。そこで、営業の際には、お客さんの話を丁寧に聞いて、ニーズに合った提案を心がけています。
そうすることで企業と厚い信頼関係を築き、これまで半天などを導入していなかった新規顧客からの注文につなげています。

一方で、長く地元に寄り添っているからこそ感じる変化や衰退もあるようです。「昔ながらの小さい商店がどんどん無くなっている。後継者不足の廃業はここ10年くらい多い」とも話していました。

新しい市場へ挑戦

ほまれやのSNSでは、オーダー製作のことに関わらず、様々な話題が発信されています。ほまれやに親しみを持ってもらうことで、何か注文したいと思った時にほまれやを思い出して欲しいという願いからだそうです。「これまで通りオーダー注文を続けつつ、新規のお客様を増やしていきたい」と話します。
ほまれやのFacebookはこちらから

また、よさこいの衣装にも挑戦していきたいとのこと。仙台でも毎年10月に「みちのくYOSAKOIまつり」が開催されています。「早着替えなどの仕掛けがよさこいにはある。経験は無いが面白そう」と話していました。

そのほかに、ずんだ豆をモチーフにしたオリジナル商品も考案中です。東北の新しいお土産を表彰する「新東北みやげコンテスト」への出展を目指しています。すずめ踊りの衣装によって培った技術を生かして、新しい市場に挑戦していきます。


△ずんだ柄の手拭い

実際に製作した商品を見せていただくと、洋服には無い繊細なデザインや色合いが非常に魅力的でした。専門的な染め方や生地の特徴に関する丁寧な説明や、「お客様に最適な方法を提案するサービス」へのこだわりが、長年お客様に愛される商品に繋がっていると実感しました。

時代の変化に合わせて消費の傾向は変わりますが、希望を満たす商品を買うという点は変わりません。最近では「モノからコト消費」と言われているように、安さや量でものを選ぶのではなく、経験や思いが込もっているものを選ぶ消費者が増えつつあります。安さや早さはインターネット注文にかないませんが、消費者の希望を満たした品質を考え、お客様に寄り添うところがオーダー製作の魅力だと感じました。

藤原 佳那藤原 佳那東北学院大学
文章:藤原佳那(東北学院大学4年)
写真:稲葉史恵(一般社団法人ワカツク)
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株式会社ほまれや
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この記事を書いた人

藤原 佳那
藤原 佳那
東北学院大学
いぐする仙台の元学生編集長、藤原佳那です。
生まれも育ちも仙台の、生粋の仙台っ子。趣味は映画鑑賞で、仙台パルコ2に映画館ができたこともあり映画好きに拍車がかかっています。
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