記者インターン

【記者インターンシップ】学生たちが体当たりで取材した「シャロームの会」

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555 views 2014.03.01
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。3月5日から春の回が始まるのを前に、昨年8月と10月に参加した学生たちが仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪

食べることが共生のスタートに

仙台市宮城野区榴ヶ岡にある「みやぎNPOプラザ」の1階に、カフェ「オリーブの風」はある。赤いエプロン姿の店員が客を迎える。「いらっしゃいませ」。大きな窓から光が差し、爽やかな風が吹き込む。会社員や主婦らは、人気の日替わりランチが待ちきれない様子だ。

▲客からオーダーを取るチャレンジドの店員=仙台市宮城野区榴ヶ岡、カフェ「オリーブの風」

ここで働くのは、約10人の精神障がい者たち。社会的自立を支援するNPO法人「シャロームの会」が運営している。「オリーブの風」を含む3つのカフェや総菜店を経営し、店の掃除や接客などを通して実社会に出るための就労訓練を続けている。地道な歩みは今年10年目を迎えた。

シャロームでは精神障がい者を「チャレンジド」と呼ぶ。「神様から挑戦すべきことを与えられた人」の意味だ。理事長の菊地茂さん(57)は「精神障がいは『関係の病』」と話す。目に見えない病と向き合うチャレンジドたち。「就労訓練を通して、長い時間をかけて他者との関わり方を知っていくことが大切なのです」と語る。

菊地さんは毎日の朝礼で、チャレンジドと握手をし、「来てくれただけでうれしい」と伝える。チャレンジド自身に、「自分は必要な存在なんだ」と気付いてほしいからだ。

その思いが届いた出来事がある。小学5年以来、親以外とは口をきかなかったジュンイチさん(23)は、シャロームの施設内で、首を振るしか意思表示しなかった。菊地さんとスタッフは、いつか話してくれると待ち続けた。施設に通い出して5年目の2012年11月、終礼で、ジュンイチさんは突然口を開いた。

「良かったです」。表情を変えず、ぼそぼそとつぶやいた一言。周囲から大きな拍手が起こった。菊地さんはあの時の喜びを忘れない。ジュンイチさんはその後、日常的に話すようになり、今年5月には仙台市内の洋菓子店に職を得た。

「障害者雇用に関心を持つ会社が増えてほしい」と願う菊地さん。「障がい者が働く現状を知ってもらうことで、理解、関心につなげたい。その一歩として、まずは私たちのお店にお越しください」

「お待たせしましたぁ」。笑顔とともに、おいしそうなカレーが運ばれてきた。一口味わい目を上げると、店員さんが満足そうな顔で笑っていた。

河北新報社インターンシップB班
井上 健人(日本大 3年)
渡辺 裕也(東北学院大 3年)
阿部 梢(東北大 3年)
藤井 かをり(中央大 3年)
※名前をクリックするとその人の個人原稿が見られます。
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