記者(個人)

1対1だからできること

水上奨之 水上奨之
48 views 2014.03.02

 「課題のある子供たちにこそ、一人ひとりに向き合うことが必要なんです」。そう語るのは「家庭教師・個別教室アップル」を経営する「セレクティー」の社長、畠山明氏(44)だ。セレクティーは今年で創業17年目。『1対1』の指導法に創業当時から強くこだわり続けている。

そのこだわりは、アップルの事業のみならず、発達障がい児や震災遺児の子供たちの支援においても同様である。生徒一人につき講師一人がつく形が『1対1』の指導法であり、集団授業に比べて生徒1人と向き合う時間がとても多いというメリットがある。
▲自らがこだわる教育について語る畠山さん

 畠山氏は、創業前の教員時代に発達障がいが原因で不登校になった子供を受け持った。しかしながら、その子一人にかけることのできる時間は限られている。畠山氏自身、何とかしたいという思いはあったものの、当時、一人で多くの生徒をみる教員という立場からその問題を解決することは難しかった。

この出来事が『1対1』にこだわる教育の原点となった。その後、教員を辞め、『もっと一人一人を大切にしたい』という思いのもと自ら事業を起こした。

 東日本大震災によって遺児になってしまった子供の支援は、現在も続いている。震災後、自分たちの事業を活かした支援ができないか。今までこだわり続けてきた『1対1』の指導法ならば子供たちとの間に信頼関係を築くことができ、継続して支援をすることができるのではないか。その思いが震災遺児支援をするきっかけとなった。

“一隅を照らす”という言葉がある。畠山氏が大切にしている言葉だ。「社会全体を明るく照らすことはない。社会の隅っこをよりいっそう明るく照らしたい」と畠山氏は語る。

背伸びするのではなく、自分の得意な部分を高め、磨けば良いということではなかろうか。それが畠山氏の場合、生徒一人ひとりの本当のニーズに耳を傾け、一人ひとり生徒に寄り添い、生徒一人ひとりに合ったやり方で教育する。すなわち、『1対1』の教育なのだ。今後も畠山氏による震災遺児支援は続く。その一方で、震災以外の理由で遺児になってしまった子供の支援もしていきたいとその目は常に先を見据えている。

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この記事を書いた人

水上奨之
水上奨之
東北学院大学2年
東北学院大学