記者インターン

【記者インターンシップ】学生たちが体当たりで取材した「斎藤コロタイプ印刷」

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473 views 2014.03.05
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。3月5日から春の回が始まるのを前に、昨年8月と10月に参加した学生たちが仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪

復興の願い 笑顔のアルバムに込めて

「卒業アルバムは、一生の宝物。どうしても届けなければなりませんでした」。仙台市青葉区一番町にある学校卒業アルバム製作「斎藤コロタイプ印刷」の生産担当部長、菅野幸久さん(49)は、東日本大震災当時の様子を振り返る。

130名の従業員で、全国約3500校の卒業アルバムを手掛けている。震災は卒業式シーズンと重なった。倉庫では数百校分のアルバムが出荷を待っていた。トラックを確保できず、自分たちで運ぼうにも燃料が足りなかった。

「今はアルバムどころではないかもしれない」。葛藤もあったが、卒業式に間に合わせたいという気持ちが勝った。運送会社との交渉の末、地震発生から3日のうちに、必要最低限のトラックを確保することに成功。なんとか卒業生の下に届けることができた。

「ぶじ届きほっとしました」「一生だいじにします」。アルバムを受け取った子どもたちから届いた手紙に、菅野さんは胸を熱くした。「思い出を形にするという私たちの仕事は、世の中に必要とされていることを再確認しました」

▲震災後に手がけたアルバムの前に立つ菅野さん。「思い出だけでなく、作り手の想いも込められています」

1922年創業の同社は、写真絵はがきの印刷からスタートした。写真の美しさを引き出すために磨いた技術を生かし、戦後は、卒業アルバムの製作を柱にしてきた。

卒業アルバムを開くと、記憶といつでも再会できる。友だちの声、給食の匂い、校庭の砂の感触。一瞬で、懐かしい日々に帰ることができる。
震災を経て、アルバムには復興の歩みを記録する役割が加わった。被災地の卒業アルバムは、今なお続く学校の苦境も映し出す。校庭を駆け回れず、間借りした校舎でどこか肩身狭そうな子どもたちの姿。アルバムをデザインする従業員も、心を痛めながら写真を見つめているという。

来春は、震災の年に入学した中高生が学び舎を巣立つ。アルバムには、思い出と共に震災から3年間の歩みが刻まれる。同社は今、卒業式に向けて昼夜問わずアルバムの製作に追われている。

東北唯一のアルバム専門メーカーとして、被災地の卒業生に贈るアルバムに込める願いは格別だ。「のびのびと学校生活を送る子どもたちの笑顔が、少しずつアルバムに帰ってくること。それが、私たちの喜びです」

河北新報社インターンシップA班
佐々木 佳 (東北大 修士1年)
佐藤 陽 (東北学院大 3年)
八重樫 友里 (宮城学院女子大 3年)
笠原絵里奈 (山形大 3年)
※名前をクリックするとその人の個人原稿が見られます。
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪