記者インターン

【記者インターンシップ】学生たちが体当たりで取材した仙台の中小企業「永勘染工場」

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197 views 2014.03.03
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。3月5日から春の回が始まるのを前に、昨年8月と10月に参加した学生たちが仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪

復興への思いを染める

紺や深緑色の地色に、白で染め抜かれた大文字がひときわ目立つ。「東北復興」「宮城復活」「いぎなりがんばっぺ宮城」など、被災地を鼓舞するメッセージ。創業125年の老舗「永勘染工場」(仙台市若林区南染師町)が、売り上げの一部を被災地に寄付する目的で販売している復興チャリティーの前掛けだ。

▲復興チャリティー前掛けを着ける永野仁社長(左)と仁輝専務=仙台市若林区南染師町の永勘染工場

酒屋の店員が腰に巻くような約50センチ四方の大きさで、炊き出しで重宝する実用的なポケットが付いている。1枚2500円。女性向けの腰に巻くエプロンもあり1枚2000円。東日本大震災直後から売り出し、これまで前掛けとエプロンを主に5種類、1200枚ほど売り上げ、約37万円を被災地に寄付した。

「被災者を支援することが、生き残った私たちの使命」。店舗用の染めのれんを主力商品とする同社は震災で深刻な被害を受けなかったが、取引先が甚大な被害に遭い、永野仁社長(64)は従業員に言い聞かせた。物流が滞った混乱の中、在庫があった限られた生地と染料を使って何かできないか。思い付いたのが、すぐに手掛けることができたこの前掛けだった。

インパクトのあるメッセージは、被災者の目にも直接届いた。「いい前掛けをしてるね」。被災各地の炊き出し現場では、被災者とボランティアの見知らぬ人同士がつながるきっかけになった。「もともと繁華街の飲食店で店員が身に着けて、それを見た人たちを元気付けるために制作したんです」と、永野仁輝専務(36)は語る。嬉しい誤算だった。

「昔から言葉を布に染めてきたが、これが人の助けになることをあらためて実感しました」。仁輝専務は、しみじみ話す。

オーダーメイドが基本の永勘染工場が、自ら考案して被災地にメッセージを送る復興チャリティー前掛け。老舗の思いは、被災地で、被災者、ボランティア、さらに、被災地に心を寄せる人々の思いをもつないできた。

創業以来、「人の役に立つ」を理念に掲げてきた同社。震災後、この前掛けが、それを小さな形で具現化してきた。

被災地は今なお復興の形が見えない。染め文字のエールは当面続く。

河北新報社インターンシップA班
徳田 博明(広島大 4年)
東海林 広高(東北学院大 3年)
荒 美咲(宮城大 2年)
田部 愛(早稲田大 3年)
※名前をクリックするとその人の個人原稿が見られます。
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