記者インターン

【記者インターンシップ】学生たちが体当たりで取材した中小企業「井ケ田製茶」

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199 views 2014.02.24
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。3月5日から春の回が始まるのを前に、昨年8月と10月に参加した学生たちが仙台の中小企業や団体を取材した記事を連続で紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪

日本の3時を取り戻す

「すすーっ」。お茶の井ケ田一番町店(仙台市青葉区)に、お客さんのお茶をすする音が響く。一様にほっとした表情。急須で入れたお茶が心を和ませる。新茶の香りに包まれた空間には、穏やかな時が流れていた。

1920年創業の井ケ田製茶(同)は、急須で入れるお茶の力を信じ経営に当たっている。人と人をつなぐ力だ。常務の今野順子さん(58)は「お茶を通してみんなでだんらんしてほしい」と話す。

この思いは、東日本大震災から2年たった今年3月、宮城の各地に広がった。同社が呼び掛けた「日本の3時プロジェクト」。午後3時のおやつのひとときがもたらすだんらんを、見直そうという提案だ。

▲お茶を囲んで従業員と和やかに語り合う今野順子さん(右)=仙台市青葉区の井ケ田製茶

応募があった宮城県内を中心とした100社・団体に、同社は緑茶や茶菓子を贈った。プロジェクト実施日の3月18日午後3時、お茶でほっと一息つく和やかな光景が、あちらこちらで見られた。

ペットボトルのお茶が手軽に手に入る時代。急須で入れたお茶を飲む機会が減ってきている。同社はお茶になじんでもらうため、抹茶クリーム大福などの茶菓子を開発した。その結果、「子どもからお年寄りまで来てもらえるようになった」と今野さんは言う。

「のれんは古く、経営は新しく」。今野さんの父でもある先代会長井ケ田徳治さんの言葉だ。それはお茶を使った商品開発の原動力となった。先代の思いを胸に、手探りで始めた茶菓子作りは、今や人気商品を生み出すまでに至った。

「日本の3時プロジェクト」も、お茶文化が果たす役割を社会に伝えようとする、新たな挑戦にほかならない。参加企業からは「おいしかった」「お茶を飲むことを実感した」などの感想が寄せられた。多忙な人々に、ささやかではあるけれど、癒しの時間を届けることができたと同社は手応えを感じている。

プロジェクトはまた秋にも行われる。
「被災者コミュニティーからの応募があれば、ぜひ届けたい」と今野さん。再生に向けた長い道を歩む被災地の人々を、お茶の力が元気づけそうだ。

秋の午後3時、温かいお茶が体に染みわたる―。社会に安らぎを届ける井ケ田製茶の挑戦が続く。

河北新報社インターンシップD班
齋藤 章吾(東北大 3年)
三宅 泰歳(法政大 3年)
及川 寛江(東北学院大 3年)
橋浦 ほのか(宮城大 2年)
※名前をクリックするとその人の個人原稿が見られます。
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