記者インターン

カフェがつなぐ 虹の架け橋「ぶれいんゆに~くす」

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159 views 2014.02.26
一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。3月5日から春の回が始まるのを前に、昨年8月と10月に参加した学生たちが仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪

カフェがつなぐ 虹の架け橋

トン、トン、トン。みずみずしいダイコンが、サイコロ状に切られていく。

まな板には、赤い1センチ四方のマス目が描かれている。「マス目があることで、繰り返し安定して切れるようになりました」と、40歳の男性が語る。

仙台市青葉区大町のカフェ「Schale(シャーレ)おおまち」。自閉症や発達障害がある男女10人が、就労トレーニングの場として働く。料理の下ごしらえ、菓子作り、皿洗い、まかない作り、食器やテーブルセッティングなど、運営の一切が、社会に出る訓練の役割を果たす。

午前11時半の開店と同時に、近所の家族連れやお年寄り、OLでにぎわう。野菜たっぷりの日替わりランチ、8種類のカレーランチなどと並び、人気を呼ぶのが手作りの菓子だ。

ロールケーキやシュークリームに、ブランド名を付けている。「虹のおかしやさん」。カフェを運営する『ぶれいん・ゆに~くす』(仙台市)の事業担当、福原美樹さん(47)は「虹は希望のシンボル。障害のある人と社会をつなぐ架け橋になれば」と、命名の由来を話す。

カフェの片隅に、アロマセラピーの本や雑誌などに混じり、自閉症に関する本が並ぶ。「身近な存在として、理解してもらうきっかけにしたい」。発達障害の子どもがいる福原さんは言う。

開業は2011年3月1日。10日後に、東日本大震災が起きた。全国のNPOが寄せた支援物資に、菓子があった。「つらいとき、甘いものが心に染みました」。震災から間もなく2年半。福原さんは「ほっとできる時間を提供すること」が、地元で出来る恩返しと考える。

▲真剣なまなざしで、丁寧にスコーンの生地を引き伸ばす女性=仙台市青葉区大町のカフェ「Schale(シャーレ)おおまち」

ランチの客が引き揚げたころ。調理場に、バターの香りが漂い始めた。
玉ネギとマスタード入りのスコーン生地を麺棒で引き伸ばすのは、18歳の女性。「自分の作ったお菓子が『おいしかったよ』ってみんなに言われることがうれしい。いつか、街のお菓子屋さんで働きたい」とはにかむ。

「オニオン・マスタード・スコーン」。新商品として、この秋にもお目見えする。

河北新報社インターンシップH班
藤根 慎太郎(東北学院大 3年)
千葉 佳奈(法政大 3年)
配川 瞳(慶應義塾大 3年)
※名前をクリックするとその人の個人原稿が見られます。
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪