【記者インターンシップ】学生たちが体当たりで取材した「ひだまり介護」
障がい者の未来
玄関を開けて中に入ると従業員の笑顔が迎えてくれた。ひだまり介護住吉台営業所(仙台市泉区)には、温かい雰囲気があった。
平成15年に開業した同社は、宮城県内に4カ所の営業所を展開している。主に心身に障がいをもつ人を対象としたさまざまなサービスを行っている。
同社では、障がいを持つ子どもを対象とした「じゃんぷ」(小学生以下)、「きらり」(中高生)というデイサービスを行っている。15人のスタッフが40人ほどの子どもたちを受け持ち、放課後や休日を使ったおやつ作りや外出などをしている。
住吉台営業所長の佐々木創さん(34)は、「障がいというものに捕らわれず、未来の可能性を広げてほしい」と真剣な表情で語った。
障がいを抱えながらもその壁を越え一般企業に就職する人もいる。そのような人を少しでも増やすために同社は手助けをしている。
例えば思春期の異性との関わり方について。「中高生になると異性に興味を持ち始めるんですよね」。同営業所のスタッフで、利用者と日々接している介護福祉士の有田充里さん(26)は話した。
思春期の中高生は異性に興味を持つ。子どもたちは異性の体に触りたいなどの欲求を持ち始めるが、社会で生きる上でそれはコントロールしなければならない。
「ここで許すと誰にでも触っていいと勘違いしてしまうから」。有田さんはたとえ介護士と生徒という親しい間柄であっても、公私の判断ができない子には厳しく注意する。
同社はこのようなちょっとしたことから教育することで、子どもたちが障がいを乗り越えられるような努力をしている。
「障がいと言われるものは性格の延長上のものかもしれない。そこを分かってあげられたら彼らと触れ合うことは何も怖くない」
日々、障がい児と触れ合う佐々木さんと有田さんはこの思いを多くの人に伝えたいそうだ。
▲子どもの将来について語る佐々木創さん(右)と有田充里さん=仙台市泉区のひだまり介護住吉台営業所
障がいのある人でも障がいのない人と変わらない生活を送ることは可能だ。
「これはできるけど、これはできないよ、という会社にはしたくない」。同社は子供たち一人一人の性格に合わせて丁寧な対応を取るようにしている。
ひだまり介護は今後も障がい者の未来を照らし続けるだろう。
齋藤 章吾(東北大 3年)
三宅 泰歳(法政大 3年)
及川 寛江(東北学院大 3年)
橋浦 ほのか(宮城大 2年)
この記事を書いた人
- 一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪
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