記者インターン

【記者インターンシップ】学生たちが体当たりで取材した「東北工芸製作所」

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197 views 2014.02.25
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。3月5日から春の回が始まるのを前に、昨年8月と10月に参加した学生たちが仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪

暮らしで触れる玉虫塗

伝統に触れて。仙台市青葉区上杉にある東北工芸製作所が、東日本大震災後に発表した新シリーズは「TOUCH CLASSIC」と名付けられた。

サラダボ-ル、グラスなど6種16品目。深みのある黒、光る銀をまとったグラスは、しっとりと手になじむ。シンプルな形とモノトーンのデザインも、旧来の漆工芸とは趣が異なる。

店長の佐浦みどりさん(44)は「時代に合わせて伝統も変わっていかないと生き残れない」と話す。

東北工芸は1932年の創業。日本の近代デザインの礎を築いた「国立工藝指導所」をルーツに持つ。赤と緑を基調に、古典的な四季の花々や「月とうさぎ」などを描き、宮城県指定伝統的工芸品「玉虫塗」の製造販売元として親しまれてきた。

80年の営みも、震災発生後は休業せざるを得なかった。長期の休みは、1945年の仙台空襲以来だった。多くの人が家族や家を失い、傷つく中で、工芸品は必要とされるのか。事業の存続に危機感を抱いた。

1カ月後、店の電話が次々と鳴った。顧客から「工房は大丈夫ですか」という心配の電話だった。工芸品を欲している人がいたことに「このままじゃいけない」と営業再開を決意した。

2カ月後の営業を再開した後、出合いもあった。首都圏を中心に活躍してきたプロデューサーの木村真介さん(34)だ。「被災地の地元産業を盛り上げたい」と来仙。知人伝いに東北工芸を知り、訪れた。

佐浦さんと木村さんは共に、工芸品に危機感を抱いていた。安価で手軽な商品の台頭で販売は伸び悩むほか、洋風の住宅では出番も限られる。

▲自慢の商品を手にする、佐浦みどりさん(右)と木村真介さん(左)=仙台市青葉区上杉の東北工芸

「普段使いできて、和と洋を選ばないものを作ろう」。2人は意気投合した。工房職人の松川泰勝さん(50)とも何度も話し合いを重ねた。

新商品の中でガラス素材は初めての試み。松川さんは「新素材は失敗がつきものだが、よしやってやるぞ」と熟練の技で乗り越えた。

新シリーズの評判は上々だ。雑誌の特集を飾り、今まで縁が薄かった首都圏などの客層との接点が増えた。「It’s cool」と、海外からも、注文が舞い込んだ。

「漆器の魅力を常に肌で感じてほしい」と佐浦さん。震災を契機に生まれたシリーズに思いを込める。

河北新報社インターンシップE班
齋藤 将志(東北大 2年)
保坂 一眞(東北学院大 3年)
佐藤 綾香(日本大 3年)
小林 千紘(東北学院大 3年)
※名前をクリックするとその人の個人原稿が見られます。
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一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪