記者(個人)

東北工芸の伊達な挑戦

保坂一眞 保坂一眞
117 views 2014.02.25

仙台の伝統工芸品、「玉虫塗」を作る東北工芸製作所は、仙台市青葉区上杉にある80年も歴史のある老舗だ。その老舗が東日本大震災後、新たな挑戦として、「TOUCH CLASSIC」というシリーズを考えた。

伝統工芸品という言葉を聞いて思い浮かぶことはなんだろうか。旧来、玉虫塗は「観るもの、飾るもの」というイメージが強かった。だが、このシリーズは玉虫塗の原点に戻ることから始まり、「ただ飾るのではなく、暮らしの中で自然に触れ、味わい、楽しんでもらいたい」という思いから新しく生まれた。グラス、風鈴、しおりなど6種16品目が黒と銀で鮮やかに彩られている。

革新への挑戦は、プロデューサーの木村真介(34)さんとのコラボレーションで生まれた。木村さんは震災が起こったときは東京にいたが、震災後に仙台へ訪れた。震災後の東北工芸製作所と木村さんの出会いが、新たな試みをはじめるきっかけとなったのだ。

 現在は日本だけではなく、ドイツ、アメリカなど海外にも販路を広げており、海外での評価も高い。店長の佐浦みどりさん(44)は「時代に合わせて、伝統も変わっていかないと生き残れません。私たちはそうやって歴史を守ってきました」。会社の歴史を思い起こす佐浦さんの表情には、先代たちの想いを引き継いだ覚悟が見て取れる。
▲商品に願いを込める木村真介さん(左)と佐浦みどりさん(右)仙台市青葉区上杉

今後は地場産業を盛り上げ、地域を勇気づけていく。また、世界に名高いブランドとの共同開発を続け、たくさんの人が玉虫塗に愛着を持ってくれるように、玉虫塗を日常化していく試みをこれからも続けていく。そして、現代の人達が忘れかけていた、ものを大切にする心を取り戻していくつもりだ。

木村さんは「これからも日ごろから使えるものを作りたい。そしてお客さんに喜んでもらいたい」と語った。仙台には、新しいものを取り入れていく、仙台藩主伊達政宗公の伊達な文化が根付いている。玉虫塗、TOUCHCLASSICを通して、宮城から東北を活気づけたいという思いも込められている。これからも東北工芸製作所の伊達な挑戦は続く。

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保坂一眞
保坂一眞
東北学院大学3年
東北学院大学
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