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【ベンチャービジネス】仙台の企業が日本を変える!?「イデアルスター」

鎌田尭 鎌田尭
3,669 views 2014.11.14
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鎌田尭 鎌田尭 東北学院大学3年
私は大学のベンチャービジネスに関する講義に感銘を受け「ベンチャー企業が起こす地域活性化」に興味を持っています。仙台のベンチャー企業は「実際に何をやっているのか?」「どんな革新を起こそうとしているのか?」…関心は深まるばかり。ベンチャー企業についてインターネットで調べていると、私の地元である栗原市・くりこま高原駅のバスターミナルの屋根に太陽電池が!!しかも普通の太陽電池と違って、まるでクリアファイルのような薄さ。この太陽電池を開発している会社とは一体!?

「株式会社イデアルスター」ってこんな会社

青葉区南吉成の閑静な住宅街を抜けると、急に四角い建物が見えてきます。その施設の一角に「株式会社イデアルスター」があります。

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創業は2002年。「繊維」と「半導体」を融合させたものづくりを目指し設立された研究開発型企業です。社名の「イデアルスター」は「理想の星」を意味しています。経営理念には「社会が必要とする価値を、知恵と科学技術を駆使し、現実のものづくりを通して提案し続ける、新しいかたちの『開発型企業』の創生に挑戦します」と掲げています。現在は有機圧電デバイスと有機薄膜太陽電池、有機エレクトロニクスデバイスの研究開発をしています。従業員14名(パート含む)。従業員の中には常勤顧問として大学名誉教授もいます。本社のほか、多賀城市のみやぎ復興パーク内にも事務所があります。

代表取締役副社長の表研次さん(46)にお話を伺いました。

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仙台の企業魅力3つ

日本…いや世界一!? 有機圧電デバイス

有機圧電デバイスとはフィルム状の素材に「圧力」を加えることで「発電」できる素子です。
現在の発電の仕組みは、タービンを回したり…と「何かを大きく動かす」ことで発生した電気を取り出しています。それが有機圧電デバイスを利用することで、曲げたり、押さえたりといった簡単な動作だけで発電することができます。「圧力」を加えるだけで「発電」し、LEDライトを点灯させたり、音を鳴らすことができます。イデアルスターではキャッシュカードや自動車のタイヤの中へ装置の組み込みを目指しています。

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↑パタパタと曲げると、LEDライトが点灯します。

「将来的に人が触れることができる物の表面に有機圧電デバイスを組み込めるようになる。有機圧電デバイスが普及していけば、身の回りのものがセンサーになる」と表副社長。紙がスイッチになったり、紙から音が出るようになったり。例えば、映画ポスターを手で触ると告知のナレーションが聞こえてくる!そんな日が来るかもしれません。
「イデアルスターの有機圧電デバイスの材料開発の分野は世界でもトップクラス」ということで、多くの企業や大学関係者が相談に来ています。

他の研究・開発企業とは違う!?

イデアルスターには、他の研究開発型企業と違った特徴があります。「他の企業では、研究開発した物の量産化を目指してしているけども、イデアルスターでは研究開発した物を企業に提供し、量産してもらうことを目標としている」と表副社長。量産した企業からライセンス料をもらい、ライセンス料を元手に研究開発をさらに発展させることを目指しているそうです。
実際に栗原市の倉元製作所と「有機薄膜太陽電池」の開発を共同で手掛けています。同じ「宮城県に本社を置くものづくり企業」ということで連携をしています。

有機薄膜太陽電池とは?

プラスチックフィルムに特殊な塗料を「塗る」だけでできる太陽電池です。一般的な太陽電池よりも安価で軽く、狭い場所にも設置できます。一般的な太陽電池を生産するよりも、二酸化炭素排出量を抑えられるので環境にも優しい太陽電池です。宮城県内では、くりこま高原駅前バスターミナルやJR志津川駅、栃木県の鶴田駅、東京都の目白駅で実証実験が実施されました。昨年には南極での実証実験が行われたそうです。

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右の写真は、フジテレビが志津川駅に設置された有機薄膜太陽電池の説明をする際に使われた物です。(太陽電池にアナウンサーのサインが!!)ちなみにサインの書かれた部分は発電できないそうです。

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↑南極で「寒い場所でも機能する」ことを示すため、実証実験をしました。

通常、研究開発会社は消費者との直接の接点はありませんが、イデアルスターは消費者と繋がりを持つ企業と共同で研究開発することで「消費者が欲しい物」「役立つ商品」を開発しています。
「世の中で役立つものを作り、将来に向けての道を作りたい」と表副社長は言います。

多くの人が関わっている会社

イデアルスターでは産学官連携で研究開発をしています。
「産」の面では、倉元製作所やJR東日本、その他の多くの大企業と連携しています。
「学」の面では、山形大学、東京大学、慶応義塾大学など数多くの大学や大学教授が関わり、共同で研究開発しています。研究開発に携わっている大学教授が優秀な学生を社員としてイデアルスターに推薦しています。「日本で一番多くの大学と繋がっている企業かも」と表副社長。魅力的で優れた技術を持つイデアルスターは多くの人に支えられています。
また、「官」の面では経済産業省や地方自治体から助成金などを得ています。宮城県、仙台市からも補助金を受けています。将来的に倉元製作所での量産化が実現すれば、イデアルスターが栗原市の雇用促進など経済発展の一翼を担うことになります。私の地元、栗原市のくりこま高原駅前バスターミナルに太陽電池が設置された理由が分かります。

表研次副社長について

山形大学工学研究科、株式会社アルプス電気。2002年にイデアルスター設立。2005年から副社長に就任。
現在、表副社長は他の企業から研究開発の相談や大学の先生方と技術的な相談を受けており、「技術コンサルティング」という仕事もしています。普段の仕事での心がけは時間を大切にすることです。
学生時代にはスポーツ用品店で営業のアルバイトをしていました。スポーツ用品店のトップ営業マンと営業対決をして勝利したことも。学生時代の経験は現在の仕事に生かされているそうです。
イデアルスター起業のきっかけは「大規模な設備投資に依存しない産業構造をつくりたい」と思い立ったことでした。「編む」「織る」ことができる繊維と半導体を融合したものならば大規模な設備を必要としません。
イデアルスターと関わっている大学教授の中には「イデアルスターは、大学以上に研究を追求できる会社」と語る人もいます。「社会に役立つ研究開発を通して『理想の大学』を設立したい」と表副社長は言います。

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日本をものづくりで元気にする企業に!

イデアルスターでは、研究開発に専念することで「社会が必要とする価値」を作り出そうとしています。革新を起こすためには「大学の先生方が生み出した技術を社会に役立てていくということもベンチャー企業の役割だと考えています」と表副社長は語ります。イデアルスターは研究開発した製品によって大学と企業、そして企業の持つ市場とをつなぐ架け橋となっています。
「日本をものづくりで元気にしたい」という表副社長の思いが、イデアルスターで開発された技術や製品を通して実現し始めています。

私の地元である栗原市は面積こそ宮城県内でトップですが、高齢化が進み活気がありません。しかし今回の取材ではイデアルスターと栗原市の倉元製作所、そして栗原市が連携して町を盛り上げようとしていることを知りました。自分のふるさとを元気にしようとしているイデアルスターは私にとっても「理想の星」となりました。

鎌田尭鎌田尭東北学院大学3年
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株式会社イデアルスター
http://www.idealstar-n...
従業員数14名
資本金105,975千円
住所宮城県仙台市青葉区南吉成六丁目6番地の3 ICRビル
電話番号022-303-7336

この記事を書いた人

鎌田尭
鎌田尭
東北学院大学3年
私の名前は「鎌田尭」。読み方は「かまたあきら」でしょうか。いいえ「かまだたかし」です。ファイブブリッジごくりに週5で出没。楽天ファンであり、腹黒い性格をしております。