学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

求心力は“ノブさん” Barから空間プロデュースまで「NOB’s Company」

小林奈央 小林奈央
1,684 views 2014.10.17
小林奈央 小林奈央 東北学院大学3年(執筆当時)
突然ですが、皆さん、お酒を飲むのは好きですか?私はよく居酒屋に飲みに行くのですが、バーには行ったことがありません。マナーが難しそうなイメージがあるし、学生のうちは入りづらい。なんて思っていたら、気軽にお酒を楽しめるおしゃれなバーがあるとの情報をキャッチ!しかも、バーのほかにカフェや古着ショップ、生花店まで経営している会社らしい…。これは「イケ社」にぴったり!

NOB’s Companyって、こんな会社!

「NOB’S Company(ノブズカンパニー)」は、仙台駅周辺を中心に、仙台市内で飲食店を4店舗、インテリアや古着の販売店と生花店をそれぞれ1店舗ずつの計6店舗を経営する会社です。

ikesya-nobs1

代表取締役の大沼宏伸さん(30)は、通称ノブさん。ワイルドな見た目とは裏腹な優しい笑顔と軽快な語り口、そして地元・加美町薬莱への並々ならぬ愛を持っているところが魅力です。
2008年にバーを開店し、その2年後に株式会社ノブズカンパニーを設立しました。現在のスタッフは18人(アルバイト・パート含む)。飲食店の経営のほかに、空間プロデュースや名刺・フライヤーのデザイン制作など、多岐に渡ります。

ikesya-nobs2

独立のきっかけは、アルバイトをした飲食店で人とのコミュニケーション、サービスの在り方やコツを学んだためでした。お客さんと接して得られた一番大きな発見は「お客さん、特に常連客は酒を飲むためだけに店に来るのではなく、店にいる人に会いたいから通ってくる」ということ。また、1人でお酒を飲みに来る人は不安や悩み、ストレスがあることが多く、親身に話を聞くうちに「この人はこの店の空間に何を求めているんだろう」と意識するようになったそうです。

「業務を覚えるのはもちろん、料理や酒の味がわかるようになったし、人との接し方や人を見る目も養えた。いい経験だった」とノブさんは振り返ります。

ikesya-nobs3

仙台の企業魅力3つ

多様な店舗展開

ノブさんは「思い立ったら口に出して、すぐにやってみる」という行動派です。
24歳で最初の店をだし、3年半ほど経営の経験を積みました。JR仙台駅東口に2店目をオープンさせたころには社員が10人を超えたことで正式に会社を立ち上げ、さらに店舗を展開することにしました。

現在の4店舗は1人でも気軽に入れるバー「Marsh Grande(マーシュグランデ)」、時間がゆっくりと流れるように感じる落ち着いた雰囲気のカフェバー「Blueno Terrace(ブルーノテラス)」、お酒だけではなく料理も楽しめるダイニングバー「Broad Grow(ブロードグロウ)」、炭火焼き料理の居酒屋「彩り」。それぞれの店はメニューや雰囲気が異なります。

ikesya-nobs4

どの店も地元の野菜をふんだんに使った料理と種類豊富なお酒が自慢だそう。例えば、「Marsh Grande」の人気メニューはオリジナルカレー(850円)。デート、会合、1人で静かにいたいときなど、シーンや相手に合わせて店を選べます。

客層は20~60代と幅広く、年齢や職業を問わず様々な人が訪れます。ノブさんは「いろんな人が来るからこそ、バーは面白いと考えている。お客さんとスタッフ、お客さん同士の出会いの場を作りたい」と話します。

Face to Faceの関係

ダイニングバー「Broad Grow」にお邪魔しました。
カウンターには開店前にもかかわらず、お店の方と親しげにおしゃべりする人が。あまりにも和気あいあいとしているのでスタッフなのかな?と話を聞いてみると、飲料メーカーの営業さん。「うちは、お金だけの付き合いはしないから。お客さんだけじゃなく、関わる人みんなと何でも気軽に話せる、仲間のような関係を大事にしているんです」

ikesya-nobs5

取引先とも身内のスタッフとも信頼関係を大切にし、なるべく現金での取り引きを心掛けています。スタッフの給料も、ありがたみや達成感が味わえるように現金手渡し。飲食業界は間口が広いため、取り引きにおいては善良な人ばかりではないそうですが、まずは相手の顔を見て信用し、リスクを恐れない態度が良い人間関係を作り出すのが大事なんだとか。

ikesya-nobs6

独立するスタッフを応援

「実は、今まで求人を出したことがないんです」
働くスタッフの9割が元バーに通っていたお客さん。店に来て、ノブさんやほかのスタッフと話しをするうちに、自由な経営スタイルやノブさんの人柄に魅力を感じて入社を決める人が多いそうです。

中には起業したい、独立して店を構えたいと夢を持っている人もいます。そのようなスタッフを積極的に支援します。お金の借り方などのアドバイスを中心に、知り合いの内装業者、電気工事関係者、税理士などを紹介します。店のデザインや雰囲気づくりも空間プロデュースの一環です。今までに独立していったスタッフは4人。夢を抱くスタッフを育てるのも、ノブさんの仕事です。
「仕事はとにかく一生懸命やることを教えます。洗い物1つでも、お客さんやスタッフのことを考えてやること。そうすると、どんな雑用でも楽しいと思えるようになる。それがその人の成長のチャンスです」

これからのNOB’s Company

「夢は、地元でペンションを経営すること。ペンションだけじゃなくて、ガーデンテラスやドッグラン、バーベキューもできるようないろいろな設備を整えて大きくしていく。大人から子どもまで楽しめる空間を作りたい」

現在の多様な店舗展開は、すべてこの夢の実現に向けてノウハウを学ぶためです。ペンションの庭はハーブガーデンにしたいから植物の扱いを知るために生花店が、インテリアにこだわりたいから家具販売店が、薬莱のおいしい水を使ったコーヒーやお酒を楽しんでもらいたいから飲食店があります。

すでに加美町に土地は購入済みであり、約3年後にペンションをオープンする予定です。
「地元に建てたペンションを拠点にして、最終的には町を動かしたい」と語るノブさん。現在の地元は自然豊かで観光客も多いのに、サービスがあまり充実していないともどかしく感じるそうです。もっと人との関わりを大切にしたサービスを提供して、何度も足を運んでもらえるような場所になったら、町の人たちも元気になるはず。そう考えて、ペンション経営を地域活性化の旗印にしようと意気込みます。そのために、週に一度は帰省して地元の人たちと町づくりの計画を話し合い、交流を楽しんでいます。もちろん、仙台でできたつながりも大切なので、展開した店舗もスタッフと共にそのまま営業を続けます。

「趣味に近い仕事だけど、仕事はいかに楽しむかが大事だと思っています。自分のやりたいことはいくらでも出てくるので、いつまでも、楽しくやっていきたいですね」

久しぶりの取材で緊張していた私に、気さくに語ってくださったノブさん。人との付き合い方をしっかり考えていて、相手の心に飛び込むのが上手な方なのだなと感じました。地元の地域活性化のために多くの人を巻き込みながらどんどん様々なことにチャレンジするノブさんの姿に、普段消極的な私も背筋が伸びました。自分でやりたいこと、楽しそうなことを見つけたら不安がらずに全力で飛び込んでみる。少し勇気がいるけれど、夢を叶えるには大事なことですね。

小林奈央小林奈央東北学院大学3年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
next_action

株式会社 NOB's Company
http://nobs.co.jp/
従業員数18名(パート・アルバイト含む)※平成26年1月現在
資本金350万円
住所〒983-0047 宮城県仙台市宮城野区銀杏町40番10号
電話番号022-762-7385