数字よりも人と向き合いたい!「アイアンドエス税理士法人」
アイアンドエス税理士法人ってどんな会社?
仙台市青葉区花京院に事務所を構える「アイアンドエス税理士法人」。代表の椎木秀行さん(40)を含めたスタッフ9名で仕事をしています。公認会計士であると同時に税理士でもある椎木さんは企業を訪問して帳簿や決算書などの書類をチェックしたり、起業を考えているお客様や企業の経理面をサポートしたりしています。
公認会計士とは?
上場会社(株式が売買されている大きな企業)の決算書を監査する第三者的な立場の仕事です。上場会社は経営成績や財務状態を明らかにするための決算書を作成します。公認会計士は、この決算書に誤りや不正がないかチェック(監査)する役割があります。
税理士とは?
事業者の帳簿や決算書を作成し、税金の確定申告書を作成することが主な仕事です。公認会計士と似ているとも言えますが、起業や経理のお手伝いもあり、中小零細企業を主なお客様とし、地元に密着していると言えます。
大切にしたいのは人との関係
爽やかな笑顔が特長の椎木さん。フットワークが軽いので仕事における行動範囲と人脈が広く、スタッフからは「外回りも事務所での作業もテキパキとこなしていて、とにかくタフ」「知識が豊富で、普段からとても頼りになる」と評される仕事ぶりです。
しかし、学生時代は東北大学工学部の資源工学科で、環境問題に関する研究をしていました。理系出身なのに、なぜ公認会計士になろうと思ったのでしょうか?
「研究自体は楽しかったのですが、窮屈な環境があまり好きではなくて。社会に出たら世の中のいろいろな人や会社に出会いたいという気持ちが元から強かったんです」
その時に一番適職だと思ったのが、大小様々な企業と仕事ができる公認会計士でした。
社会への好奇心と持ち前の行動力で大学卒業後に専門学校へ入学し、1年4ヵ月で公認会計士の資格を取得。その後は東京の監査法人で4年間勤務し、結婚を経て子育てのために仙台へ戻って来ました。
独立は2006年。当時は自宅を事務所とし、資金繰りやお客さんの獲得に悩む日々でした。そんな中でも心掛けていたのは、出会ったお客さんとの親身な対話だそうです。
「この職業は単なる会計士としての仕事だけではなく、困っていることを解決する役割があると考えていましたから。お客様にとって『相談できる人』でありたかったんです」
「人間力」を重視する!
今では顧問先の企業が100社を超えており、スタッフも8名と増えました。20代が多く、卒業学部は文学部や経済学部など様々です。経理や会計業の未経験者を積極的に採用していると言うのでびっくり!業務に支障は出ないのでしょうか?
「お金や経理、会計の知識はあとからいくらでも勉強できますから心配要りません。資格や学歴よりも『人間力』を重視しています」
『人間力』?
椎木さんの言う『人間力』とは、「自分自身の人間的な成長」「他人への思いやり」「人生を豊かにする方法」などを考え、実践する力を意味します。
椎木さんいわく、税理士・公認会計士という職業は、毎日数字とにらめっこをし、黙々と仕事をこなすというイメージが世間にはあります。そのため独りを好む人が多く希望する職種であり、実際しゃべり慣れていない人が多いそうです。しかし、企業に対して仕事をする際には相手との綿密なやり取りが必要で、事務所へ相談に来るお客さんには親身な対話とわかりやすい説明を心掛けなければなりません。そこで重要なのがコミュニケーション能力や、相手の言いたいことを察する能力。すなわち、人と接するための『人間力』が必要となるのです。
椎木さんは『人間力』のある人とは、周りにいい影響を与える人だと考えています。お客様に対しての態度や行動に現れるため、社員にも伸ばしてもらおうとしているのです。毎朝の朝礼に、その心意気は表れます。経営理念の唱和、発声練習、挨拶練習、個人スピーチ、職場の教養の輪読など様々な内容。社員の間での情報共有はもちろん、企業文化の醸成や朝から大きな声を出して元気に仕事をスタートするためにしっかり行っています。
また「人は何のために生きているのか、成功している人は、どのような考えで毎日を過ごしているのかを感じて欲しい」という思いから、有名な経営者が講師を務める講演会に参加する、実用書を勧めるなどして、日々社員教育をしています。
「名前で呼ばれる関係」を目指して
アイアンドエスを訪れると、入り口にはこんなボードがかかっています。
気軽に入りにくい事務所のイメージを払拭するため、予約をして来社するお客様の名前を書いておくそうです。自分の名前が書いてあると、少し緊張が解れて嬉しくなっちゃいます。また、「お客様からはスタッフを名前で呼んでいただいています」と総務の永井百合さんは言います。一般的は税理士法人では、お客さんは担当者のことを「先生」と呼ぶことが多いのだとか。名前で呼んでもらう関係になると、お客さんが親近感を抱き、相談を受ける場面でもより親身な対話ができるのです。他にもアイアンドエスでは、明るく元気で一般のサービス業以上のレベルで電話応対をする、帰り際はエレベーターホールまでお見送りするなどして、お客様と長く信頼のあるお付き合いをしていくための工夫をしています。
これからの「アイアンドエス」は?
若いスタッフが多く、椎木さんの人脈やフットワークにより機動力が抜群のアイアンドエスですが、その反面、組織として未熟な部分もあります。業務の知識や経験の更なる充実が現在の課題。克服のために、会計業務のスキルアップができる教育ツール「パワーアップ会計塾」を導入したり、倫理法人会での朝礼研修会へ参加したりしています。人間性も育成しつつ、知識の勉強も両立させた社員教育の体制を整えたいと椎木さんは考えています。
さらに、来年の2015年度は新卒採用を視野に入れているとのこと。学生からも「この会計事務所に就職したい!」と言ってもらえるような事務所を目指しています。
インタビューの最後に、「アイアンドエス」という事務所名の由来について伺いました。「愛と信頼」の頭文字を取って、アイアンドエス。椎木さんの考える、ビジネスの基本です。現在の目標は、東北で一番利用してもらえる事務所。お客様との関係を大切に、堅実に向き合う姿勢を忘れずにいたいと考えているそうです。
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