【かまぼこ製造業】地元素材×揚げかまぼこのコラボレーション!「マルブン食品」
2014年3月に一般社団法人ワカツクと河北新報が主催した記者インターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。参加学生が班ごとに取材した記事を紹介します!
地元と歩む 新かまぼこ
ふわっとした揚げかまぼこに、プリッとした歯ごたえの枝豆。
魚肉のほどよい塩気の中で、ニンジンやキャベツ、豆の甘味が際立つ。
塩釜市の揚げかまぼこメーカー「マルブン食品」が製造する、地元食材にこだわった新商品「和つまみ秘伝豆」だ。
角田市産枝豆を使用し、品種名から名付けた。
「地元に根差した商品を地元の人に食べてもらいたい」と社長の佐藤文行さん(54)は話す。
▲新商品「和つまみ」シリーズを手に、笑顔を見せる佐藤さん=塩釜市の「マルブン食品」本社
「和つまみ」シリーズは全4種類あり、3月から9月までの期間限定で販売している。
揚げかまぼこは一般的におでんや煮物など冬に需要が多いが、春夏にもお酒のつまみとして楽しんでもらおうと考案した。
材料となる野菜は厳選した国産野菜を使用する。
1969年の創業以来、化学調味料を使わない製法を守り続ける。
同業他社と一線を画す製造方法のため日持ちも短く、料金設定は高くせざるを得なかった。
宮城はかまぼこの激戦区。
地元では売り上げが伸び悩み、関東を中心に関西にも販路を広げた。
卵を使用しないのでアレルギーを気にせず食べることができ、学校給食のニーズもある。
「安全な商品を口に運んでほしい」との思いで、従業員87人とともに製造に励んでいる。
2011年3月の東日本大震災では、2つの工場のうち1つが全壊した。
東京電力福島第一原発事故による風評で、東海以西の売上は震災前の30%に減少。
製品の放射線量をホームページに公開して安全性をアピールしているが、「東北だから(いらない)」と離れたままの取引先もある。
震災から3年。もともと販路の少なかった東北に目を向ける。
将来的には、工場敷地内に直売所を開設する計画だ。
製造現場を見学してもらい、揚げたてを試食してもらう。
「直接足を運んでもらい、商品の安全性やこだわりを知ってほしい」と佐藤さんは期待する。
震災のつめ跡が残る塩釜で、同社の挑戦は続く。
大内裕斗(日本大4年)
木部翔(東北大3年)
長谷美幸(同志社大3年)
この記事を書いた人
- 一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪
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