企業の復興支える情報誌 「復興人編集部」
2014年8月に一般社団法人ワカツクと河北新報が主催した記者インターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。参加学生が班ごとに取材した記事を紹介します!
企業の復興支える情報誌
ページをめくるたびに、復興にかける人たちの表情が目に飛び込んでくる。
被災地で生きる覚悟、事業再開の喜び…。
その思いを切り取った写真が、被災地の今を映し出す。
復興人の感情を映し出す紙面
「月刊 復興人」は東日本大震災からの復興に取り組む企業を支援する情報誌だ。
「再起を期して取り組む『人』を通して、被災地を後押したい」と話すのは、西城孝幸編集長。
仙台市からの委託を受け、2011年10月から発行を続けている。
官民の復興支援制度を、マンガや写真を多用して分かりやすく紹介してきた。
掲載された企業は延べ500社を超える。
29号に掲載された佐藤ひろ子さん(49)は、名取市閖上で水産加工業を家族で営んでいた。
工場と自宅を津波で流され、再起するかどうか迷っていた時に、
行政の手厚い支援制度の存在を知り、覚悟を決め再開した。
現在は事業を拡大し、名取市美田園の閖上さいかい市場で「おそうざい工房 匠や」も営む。
復興人に書かれた佐藤さんのストーリーを読んで「さいかい市場に来たよ」というお客さんは少なくない。
佐藤さんは「掲載されたおかげ」と感謝する。
最新号の表紙を飾ったのは、仙台と横浜の企業が協力して制作した防災グッズ「THE SECOND AID」。
特集記事も組み「被災の経験を生かし世界へ発信」という小見出しを付けた。
来年3月、仙台市で開かれる国連防災世界会議を見据える。
新たな試みとして、2014年4月から首都圏の企業にも復興人を配布し始めた。
「仙台圏と他地域の企業の連携を加速させたい」という思いからだった。
津波被害が大きかった沿岸地域も本格復興に向かい始めている。
西城編集長は「仙台経済が周辺地域の復興をけん引する役割を果たしてほしい」と期待する。
「私たちは上を向いている」と復興人たちの視線は告げる。
東北大修士1年 柿崎絵莉香
専修大3年 櫻井晋
東北福祉大3年 丹野沙耶
山形大2年 小原永義
この記事を書いた人
- 一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪
この人が書いた記事
- 記者インターン2019.05.09「Volume1(ver.)」人と音楽の縁結ぶ
- 記者インターン2019.04.25「タンヨ玩具店」お客さんと共に守る
- 記者インターン2019.04.11「PHOTOスタジオONE」写真で紡ぐつながり
- 記者インターン2019.03.28「Lamp of Hope」希望の灯火きっかけに