日本酒との出会いの場を 「酒のかわしま」
2014年8月に一般社団法人ワカツクと河北新報が主催した記者インターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。参加学生が班ごとに取材した記事を紹介します!
日本酒との出会いの場を
仙台市宮城野区のJR東仙台駅近くに、日本酒とワインの専門店「酒のかわしま」はある。
大きな窓から日の光がさす店内は、酒屋とは思えない開放感だ。
品質を保つため、日本酒に直射日光が当たらないよう、ショーケースの配置にも工夫を凝らす。
奥の部屋はワインセラーで、落ち着いた空間に約300種類のワインが並ぶ。
店主の川嶋吉幸さん(55)は「実際に酒蔵を見て、日本酒を飲んで味わってみないと、良さを理解することはできない」と語る。
全国の蔵元に自ら足を運び、ほれ込んだ40社以上の日本酒を取り扱っている。
宮城県内ではここでしか買えない、広島県の「亀齢」や青森県の「陸奥八仙」などの日本酒を取り揃えているのが魅力だ。
▲お客に日本酒を手渡す川嶋さん=仙台市宮城野区東仙台の「酒のかわしま」
「料理に合う最高なお酒を飲んでほしい」との思いで、お客のニーズを聞き出し、おすすめの一本を選ぶ。
お客からも「すき焼きに合うお酒が欲しいんだよね」と、料理の名前から注文を受けることが多い。
日本酒はジャンルを問わず、多くの料理と合う幅の広さを持っている。
「日本酒とチーズは発酵食品同士で、よく合うんです」と意外な組み合わせを提案することもある。
23年間酒販店に勤めた経験を生かし、2011年7月29日に開店した。
東日本大震災の影響もあり、開店当時はお酒を買いに来る人が少なかった。
チラシを1万枚印刷し、一軒一軒配る日々。
「とにかく必死だった」
徐々に口コミも広がり、足を運ぶお客さんが増えていった。
川嶋さんは日本酒の魅力を知ってもらうために、毎年9月に市内で「仙台日本酒フェスト」を主催している。
全国の蔵元約30社を招き、150種類の日本酒が揃う。
作り手の出会い、新たなお酒との出合いを求めて毎年600人が訪れる。
「どこでもお酒が買えてしまう時代だからこそ、うちのこだわったお酒を一度飲んでみてほしい。
一度味わえばその違いが分かりますよ」
日本酒をより多くの人に伝え、ファンを増やしていきたいという川嶋さんの情熱が伝わってきた。
法政大3年 北村奈々絵
東北芸術工科大3年 阿部崇史
東北学院大3年 只野佑貴
東北学院大2年 横山葉月
この記事を書いた人
- 一般社団法人ワカツクと河北新報社が主催するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」。学生たちがチームを組んで、仙台の中小企業や団体を取材した記事を紹介します。ときに励まし合い、ときにぶつかりながら、チームで協力して取り組んだ“軌跡”をお楽しみに♪
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