学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

花で思いを伝えることを提案する「花仙」

小林奈央 小林奈央
3,078 views 2014.02.14
小林奈央 小林奈央 東北学院大学3年(執筆当時)
本日2月14日はバレンタインデー。仙台でもあちらこちらで泣いたり、笑ったり。さまざまな人間ドラマが繰り広げられたのではないでしょうか。日本のバレンタインデーは女性から男性にチョコレートを贈るのが一般的ですが、青葉区の広瀬通り沿いにある生花店で「フラワーバレンタイン」の文字を発見!最近のブームはチョコレートじゃなくて、「花」なの? 興味津々、「花仙(はなせん)国分町広瀬通店」にお邪魔しました。

フラワーバレンタインって何?

花は気持ちを伝えるツールのひとつなんですよ」と話すのは、社長の芳賀宗智(むねのり)さん。恰幅が良く一見怖そうに見えますが、笑顔が人懐っこく、繊細で優しいオジサマです。

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欧米では、バレンタインデーに男性から女性に「花」を贈るのが主流だって知っていましたか?14世紀頃にイギリスで始まり、アメリカなど世界各地に広まったといわれています。女性から男性へ特別なチョコレートを贈るように、男性から女性へ、その人のためだけに選んだ花を贈ってもらえる…なんて考えると、なんだかドキドキしちゃいますね。

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そんな素敵な文化を広めよう!と花屋さんの間で推進されていますが、まだ日本では馴染みが薄く、そもそも花を贈るという習慣のある人が少ないため、「バレンタインデーは、チョコレートの方がまだ主流ですけどね」と芳賀さん。
今のところ、外国人のお客様が多いそうです。

「花」を通したコミュニケーション

「まずは花に興味を持って、身近に感じてもらうところから」と考える芳賀さんがこだわるのは、お客様と向き合うこと。

「花自体に感動するのではなく、花を贈られるという行為が感動を生むんです。そのためには我々が花を売る時、お客様とのコミュニケーションが大切だと思っています」と芳賀さん。

花束1つの注文でも、用途は何通りもあります。例えば、注文伝票に誕生日用と書いてあったら、届けた際に「おめでとうございます!」と笑顔で手渡したり、不幸があった家に届けるときは「お悔やみ申し上げます」と言葉を添えたり。そうすると、お客様の気持ちに寄り添うことができます。

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芳賀さんは接客の方針として従業員に「お客様に背中を向けるな」「お客様の視線をたどれ」と教えています。特に店頭では、お客様の視線を追っていれば必然的にその人が何を欲しがっているのかが分かる。どの花に目が留まったのか、表情は?急いでそう? ニーズに沿った提案をすることで、お客様との距離がぐんと縮まるんだとか。

強み=品揃え×軌道力×デザイン

株式会社花仙は1978年創業。芳賀さんは二代目です。現在、社員は10名。お邪魔した国分町広瀬通店のほか、宮城野区原町に本店があります。取扱商品は、店頭販売はもちろん、婚礼、ガーデニング、葬儀、花の配達は日本全国はもとより、海外にも配達手配が可能だそう!色とりどりの生花は、店頭に並んでいるものだけでも数十種もあり、仙台市街にある生花店の中でもかなりバリエーションが豊富。なんといっても、色鮮やか!

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小林
花仙の強みについて教えてください。

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芳賀さん
まずは、「品揃え」ですね。

芳賀さんの妹で、常務の晶子さんは「信頼できる生産者が育てたしっかりした花を扱っています。保存状態にもこだわって、鮮度が落ちないよう温度管理など工夫しているんです」と話します。

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次に「機動力」!

注文を受けてから提供・配達するまではスピードが勝負です。お客様からニーズを探ろうとすると、もたもたしてはいられません。コミュニケーションを大事にし、常にお客様第一。

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デザイン」も自慢です。

晶子さんはフラワーアレンジメントの本場であるアメリカで修業してきたフラワーデザイナー。記念日のプレゼントはもちろん、プロポーズ用の花束など人生の一大決心を後押しする花を提案してくれます。

「いいお花を、いいスタッフが、いい提供をしているところがうちの自慢ですね」と晶子さん。花とスタッフ両方への自信を覗かせます。

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ワタクシ、“接客ブチョー”の「松」です

そうそう、花仙には欠かせないスタッフがいます。看板猫の「松」です。元は捨て猫でしたが、7年前から国分町広瀬通店で飼われて…いえ、“働いて”います。とても大人しく、初めての人に触られても物怖じしません。人間の年齢だと50代ぐらい…ってことは部長クラス? 貫録あります。

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松ブチョーのお仕事は接客。子連れのお客様が来たときには小さい子の遊び相手になってくれるので、ママはゆっくりと花を選ぶことができます。どこか元気のない様子のお客様にはそっと隣に寄り添います。場を和ませてくれる松ブチョーは、ファンがいるほどの人気ぶり。花仙を支える大事な一員です。

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これからの「花仙」は?

「花屋は、送る人の『思い』を届けるメッセンジャーとしての役割があり、お客様の喜びを引き出せる職業」と芳賀さんは言います。

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晶子さんも「確かに朝が早かったり、力仕事があったり、立ち仕事なので足が冷えたりします。でも、特別つらいと思うことはありませんね。慣れもありますけど、やっぱりお客さんに『ありがとう』と言われると、疲れが全部吹き飛びます」とにこやかに話します。

「花をもっと身近に感じてもらいたい」と、ベランダガーデニングの提案や、花びらに直接メッセージを書いたり、模様を付ける「デコフラワー」なども仕掛けていきたいと考えています。

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「大好き」という気持ちや日頃の感謝、仲直りのしるし…。普段自分の気持ちを素直に出せない人も口下手な人も、もちろん、感情表現が上手な人も。身近なコミュニケーションツールである「花」を贈って、素敵な思いを伝えてみませんか。花仙のスタッフがお手伝いしてくれますよ

松ブチョーからもひと言。
「みなさまのお越しを、お待ちしておりニャす」
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今回の取材で、いつも横目に通り過ぎていた花仙さんの魅力に触れることができました。社長の芳賀さんは花仙のことのみならず、花が人にもたらす癒しの効果や生け花とアレンジメント世界についても語ってくださり、見た目によらず(失礼!)、繊細で豊かな感性と強いこだわりを持った方でした。そんな芳賀さんが大切にする花仙の「人と向き合う姿勢」を目にして、これが店の雰囲気向上やお客さんの感動につながっていくのだと思いました。私を含め、人と関わることが苦手な大学生には耳が痛いですが、コミュニケーション能力って仕事をする上で本当に大事なんだ!と再認識。そして私自身、お花を日常的に飾るなど、身近に感じたいと思うようになりました。

小林奈央小林奈央東北学院大学3年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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株式会社花仙
http://www.hanasen.jp/
住所〒983-0841 宮城県仙台市宮城野区原町5丁目5-35 (原町アトリエ本店)
〒980-0803 宮城県仙台市青葉区国分町1丁目7-13 (国分町広瀬通店)
電話番号022-291-8788 (原町アトリエ本店)
022-263-7043 (国分町広瀬通店)
営業時間8:30~17:30 (原町アトリエ本店)
9:00~20:00 (国分町広瀬通店) ※日曜日・祝日は18:00まで