学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

【仙台イケてる会社訪問vol.3】建物のメンテナンスを通し内面を磨く「オプス」

佐々木佳 佐々木佳
1,072 views 2014.02.17
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佐々木佳 佐々木佳 東北大学修士2年
読者の皆さんの中に、高層ビルに胸を躍らせた経験がある方はいますか?私は昔ながらの建物も好きですが、高層ビルの現代的な美しさも大好きで、新しいビルが建つたびにうっとりと眺めてしまいます。

建物の輝きと安全を守るプロ集団

陽光を反射する全面ガラス張りのタワーの青い輝きは、完成から長い年月を経ても色あせません。そんな高層ビルの外壁をはじめ、建物の美しさと安全を保っているプロ集団が、今回おじゃました株式会社オプスです。

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一番儲かる仕事は、お客様が一番満足する仕事

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オプスは仙台駅から歩いて15分ほどの住宅街、青葉区小田原にある総合ビルメンテナンス業に携わる企業です。社名のオプスはラテン語で「建築物」のこと。

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代表取締役の菅原俊樹さん(53)は、学生時代に始めたガラス清掃の仕事を経て独立、1992年にこの会社を立ち上げました。
パートやアルバイトなどを含めると約130名の従業員で、ビルの外壁清掃を始め看板の撤去作業や排水管の修繕、空調の点検、クリーニングなど、建物の維持管理にかかわる様々なサービスを手掛けています。仙台市周辺の作業が中心ですが、最近では全国各地からのオファーも増えているとか。
会社の成長の理由は、オプスの掲げる「3ないチャレンジ」にあるそうです!

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菅原さん、「3ないチャレンジ」ってなんですか?※大学院で公共法政策に取り組む。特技は美声を生かしたマイクパフォーマンス

ops-sugawara菅原俊樹さん
他社がやらない、やれない、分からない作業のことです。建物の管理に関わる色々な作業のうち、他社の経験が乏しい作業に積極的にチャレンジして、得意分野にしていく。この繰り返しで、お客様から「困った時にはオプス」と思っていただけるようになりました。
※気さくな人情派社長。若手の育成に対する思いは熱い

例えば、埼玉県で手掛けた小麦粉工場のサイロを清掃する作業では、これまで工場が清掃を依頼していた大手の業者に比べて半分の費用で作業を行い、工場の担当者を驚かせました。

その秘密が、オプスが得意分野として確立した「ロープワーク」の技術!工場のサイロのように高い場所の作業は、普通ならば大きな足場を組む必要があります。しかし、オプスでは作業員が身体にロープを結び付け、壁面を移動しながら清掃を行います。足場を組む分のコストはかかりませんし、内部での作業も簡単になりました。

ops-sugawara一番儲かる仕事は、お客様が一番満足する仕事です。満足していただくために、これからも会社の得意分野を増やすチャレンジをしていきます。

未経験から正社員、そして「スパイダーマン」に

実際にロープワークの作業を見せていただけるということで、仙台市中心部の現場におじゃましました。ビルの外壁を診断しながら、ひび割れなどを補修する作業です。
今日の作業を担当するのは熊谷翔人さん(26)

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ops-kumagai熊谷翔人さん
建築系の専門学校を出ましたが、就職活動がうまくいかなかったので、就活を続けながらアルバイトをしようと思ったのがきっかけです。まずは「準社員」になって、ガラス清掃から始めました。※青森生まれのさわやか系ダンシ

kai準社員?何だか聞きなれない単語ですね

熊谷さんの話す準社員とは、正社員として働く決心のつかない若者のために用意されているオプス独特の採用枠だそうです。

ops-kumagai1年くらい働いて、だんだん仕事が面白くなってきました。正社員でなければできない、新しい領域にチャレンジしてみたくなって。

約2年前、熊谷さんは経営理念や自分の目標をまとめた「決意表明文」を上司の前で読み上げ、晴れて正社員として新たなスタートを切りました。
それからも努力を積み重ね、ロープワークは熊谷さんの得意とする作業に。
「本当は高い所が苦手なので、怖いのには慣れません」と話しつつ、高さ20mの屋上から身を乗り出し、壁に張り付いて作業を始めました。

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ほんの数年前まで全くの未経験だったとは思えない軽い身のこなしは、まるで町の安全と平和を守る「スパイダーマン」のようです。

働くつらさ < 働かないつらさ

ops-sugawara清掃作業は、未経験から働き始めるのに適した仕事。あとは働きながら覚えればいいのです。

菅原さんの仕事人生も、清掃作業から始まりました。仙台の進学校に通っていた高校時代、環境に馴染めず、「挫折感を持った」と言います。東京都内の大学の夜間部に進みましたが当初はやる気も起きず、何もしないで1日を過ごすことも多かったそうです。
「みんな働いている時間に、自分は何もせずにブラブラしている。社会に必要とされないまま、ここで野垂れ死ぬのか……」。そんな自暴自棄状態だった菅原さんを救ったのがガラス拭きのアルバイトでした。働くことを通して、少しずつ自分に自信をつけていきました。当時の上司の勧めで正社員になり、10年間勤めて技術と知識をたくわえ、生まれ故郷の仙台でオプスを創業したのです。

ops-sugawara仕事をするということは、世の中に必要とされるということ。挫折を経験した若者が立ち直るには、仕事が必要なのです。

菅原さんの話にひときわ熱が込もります。自ら挫折感を味わったからこそ、若者と仕事に対する思いは格別です。そしてそれは、オプスの人材育成にも反映されています。熊谷さんの経験した準社員はその象徴的な制度で、「正社員として働くことが難しい若者に、仕事をすることを通して自信と意欲を高めてもらいたい」という菅原さんの願いが込められたものです。

ops-sugawara働いているとつらいこともたくさんあります。ただ、働かず社会に必要とされていないと感じるのは、もっとつらい。若い人には、仕事は自分を高め人生の可能性を広げるための修行だと思って頑張ってほしい。

菅原さんの仕事と若者に対する熱意と、それを受けた熊谷さんたち社員の確かな仕事によって、今日も仙台のビルは安全に美しく保たれています。

中学の同級生が働いている目の前の高層ビルには、窓を掃除する人たちの姿も見える。
「みんな立派に働いているのに、自分は社会にも貢献せず一人ぼっち。なんだかなぁ…」

この冬、就職活動を始めた。しばらく経つと、気付けば自分のやりたいこととは別に、
企業のネームバリューとか安定性とか、そんなことを追いかけ始めて。
まるで自分を養ってもらうために就職するような錯覚にもとらわれそうになって、
「そんな気持ちで入社したら、社畜にもなるし、ブラック企業のカモにもされちゃうよなぁ」と、Twitterに漂う自称「社畜」の同級生たちの呟きを見ながら思う。

「働いているとつらいこともたくさんあります。ただ、働かず社会に必要とされていないと感じるのは、もっとつらい」

佐々木佳佐々木佳東北大学修士2年
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株式会社 オプス
http://www.opus-gr.com/
従業員数約150名 (パート・アルバイトを含む)
資本金1,000万円
住所〒980-0003 宮城県仙台市青葉区小田原5丁目1-45
電話番号022-722-9901
インターンシップ情報
株式会社オプスでは、就職を検討している学生や既卒者のためにインターンシップ制度を設けています。期間は約2週間で、日程は参加者に合わせて個別に調整してくれます。実際の現場にも行けちゃうので、自慢のロープワークを間近で見られるチャンス! 問い合わせはオプス(022-722-9901)まで。

この記事を書いた人

佐々木佳
佐々木佳
東北大学修士2年
東北大学大学院生。仙台生まれ。大学の4年間は北陸の金沢で地域社会学と日本酒のたしなみ方を学ぶ♪
「人の心を見つめ続ける 時代遅れの男になりたい」(河島英五「時代遅れ」より)とか理想を掲げつつ、実際はなよなよしている。