お仕事

レトルト業界の異端児?「にしき食品」の秘密

斎田涼裕 斎田涼裕
335 views 2018.03.08
nishikishokuhin_eye

大学生もお世話になっている!?

nishikishokuhin_2
学生記者の斎田です!大学生の食事でよくお世話になるレトルト食品。僕も忙しかったり、ちょっと疲れていたり、あまり料理に手をかけたくないときにはよく食べます。
そんなレトルト食品を製造している企業が宮城県にあるという話を聞き、2月8日に河北新報社で開催された「WISEセミナー」に参加しました。ゲストに「株式会社にしき食品」の営業本部 営業管理部 お客様相談室 室長の齋藤幸治さん(47)と、パッケージのデザイン等を手がけている、ほさかデザイン事務所 アートディレクターの保坂昌秀さん(44)を迎え、「日常生活から仕事を考える」というテーマでお話を聞きました。

nishikishokuhin_7
△右から、齋藤さんと保坂さん

にしき食品ってどんな会社?

株式会社にしき食品は、宮城県岩沼市にあるレトルト食品の専門メーカーです。主力商品はレトルトカレー。PB(プライベートブランド)やOEM(オーイーエム※)など他社製品の製造と、自社ブランドの「にしきや」を展開しています。
商品は、約100種類。オンラインショップと、仙台や東京(自由が丘)など4店の直営店があります。
(※OEM:他社ブランドの製品を製造すること、Original Equipment Manufacturer)

nishikishokuhin_18
△オンラインショップのページには、カラフルな商品が並びます(にしきやOnline shopより)

デザインと味へのこだわり

nishikishokuhin_1
お客様相談室 室長の齋藤さんは転職して、にしき食品に入りました。現在は「にしきや」の認知の拡大に向けて、プロモーションなどを主に担当しています。レモンクリームチキンカレーのように、新しいカレーの企画に携わった経験もあり、企画担当の頃はインド・タイ・韓国などを訪れ、現地の調味料を研究して“本場の味”を求めていたそうです。
レトルト食品というと、“非常用”や時間がない時に“手間をかけずに食べる”といった目的で買う人が多いのではないでしょうか。「にしき食品はレトルト業界というフィールドではなく、レストランなど食品業界全体でのおいしさを追及しています」と齋藤さん。「化学調味料の不使用は売りではなく、食を提供する者として当たり前のことだと考えている」と言います。

「パッケージデザインには、一貫したテーマがある」と、デザイナーの保坂さん。“日常生活のシーンで飾っておける”というのは、その一つです。下の写真を見てください。キッチンインテリアの一部になっているようです。

nishikishokuhin_19
△キッチンの棚に並ぶカレーのパウチ、新しいインテリアの形…?
(提供:ほさかデザイン事務所/にしき食品)

みんなで試食会!

ここで、カレーの試食会。「今日はカレーがあるって聞いて」「カレーを食べたくて来た」という参加者もいたほど、みんな楽しみにしていました。

nishikishokuhin_5

参加者の投票をもとに選んだ、4種類のカレーをいただきました。マッサマンカレー・野菜とひよこ豆のとまとカレー・レモンペッパーチキンカレー・レモンクリームカレーです。初めて聞くような種類のカレーもあります。なんと気の利いたことに、ご飯とお茶も用意されています。

nishikishokuhin_11

齋藤さん、保坂さんのお話を聞き、パッケージを見て、一番食べたくなった頃合いの試食会。みんな夢中でいただきました。

nishikishokuhin_8

試食後に人気投票を行うと、一番人気は「野菜とひよこ豆のとまとカレー」でした。みなさんも一度食べてみてはいかがでしょうか。

nishikishokuhin_13

取材を終えて

働き方から生まれたブランド

にしき食品は、自社ブランドの商品を初めから作っていた訳ではありません。初めはコンビニやレストランで使用される、業務用の製品を手掛けていました。しかし、価格競争の波に飲まれ、「低価格・大量生産が求められた」と齋藤さん。「大量生産のためにはなるべく安い原料で、工場を一日中フル稼働にするにする必要がある。けれど、にしき食品の会長は、社員には絶対に夜勤をさせないと決めていました」。
そこで、なんとかこのままの働き方で収益をあげられないかと検討の末、高品質な商品作りへとシフトしていったのだとか。その過程で、自社での商品開発も始まりました。つまり、“社員の働き方”を考えた時に「にしきや」は生まれたのです。社員の生活を考えて経営方針を変え、ビジネスを展開していく。僕には、この働き方がとても魅力的に映りました。収益を上げること=長時間労働や働き手の生活を犠牲にする“トレードオフ”になっている…という錯覚に陥りやすいですが、工夫次第でよりよい働き方へとシフトできるのだということを学べました。にしき食品はまさに「レトルト業界の異端児」です。

-----------------
取材協力・画像提供:株式会社にしき食品/ほさかデザイン事務所
文章:斎田涼裕(東北大学3年)
写真:安部静香(いぐする仙台)

イベント主催:地域企業情報発信プロジェクトWISE(Work-style Information by Student’s Eye)

next_action

この記事を書いた人

斎田涼裕
斎田涼裕
東北大学
「さいたあつひろ」と読みます。栃木県のとある田舎町出身。
バリバリの理系で、現在は研究室で実験の日々。
研究室の外の世界を見るべく、色んな企業を見て回りたいです。