チャレンジ

「株式会社福祉工房」地域の人々に“健康”と“社会とのつながり”を 

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600 views 2017.09.21

8月9日から23日まで、東北学院大学の学生2名が地域の中小企業を取材し、魅力を発掘・発信するインターンシップに取り組みました。取材の前には自分の興味や関心はどこにあるのかを探るワークをしたり、企業の「魅力」とはどういうことなのかを議論したりしました。
取材にうかがったのは、仙台市青葉区の株式会社福祉工房です。
インターンに取り組んだ二人の記事を紹介します。

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東北学院大学2年 柏真衣さん

福祉工房ってこんなところ!

JR仙山線 東北福祉大前駅を降りて目の前。徒歩約2分のところに福祉工房があります。
設立は2000年。社員数は64名です。東北福祉大学が持っている資源を地域の福祉に活用するにあたり、学校法人としては学校教育に関する活動に限定されてしまうため、株式会社 福祉工房が設立されました。福祉工房では、東北福祉大の施設・物品管理や学内販売、一部施設運営を中心としたキャンパス関連事業と、主に外部の医療・福祉施設などを対象に、地域福祉を支援するための事業を行っています。
福祉工房の仕事について、事業開発部次長の萱場力(かやば・ちから)さんにお話を伺いました。
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東北福祉大学が持つ資源を活かし、地域の福祉に貢献

福祉工房では、「健康づくりや学びのプログラムで、元気なシニア世代の社会参画を目指し、地域で活動してもらいたい」という願いから「仙台元気塾」という会員制の健康づくりや学びのためのプログラムを提供しています。活動場所は、東北福祉大学の国見ケ丘キャンパスと仙台駅東口キャンパスの2箇所にあり、東北福祉大の教員が各種プログラムの講師を務めたり、学生がサービス運営のサポート役として入ったりするなど、福祉の専門大学ならではの特色を持っています。

fukushikoubou-5(提供:福祉工房)

「仙台元気塾」の会員数は約400名(平成29年7月現在)で、約7割が女性。利用者の平均年齢は60歳代で、介護保険を利用しない元気なシニア世代の方だそうです。
「仙台元気塾」では、健康サービス・教育サービス・社会参画支援プログラムの3つが大きなサービスの柱となっています。
健康サービスとして、定員10名~30名ほどのフィットネス教室やアート教室が週20教室以上開講されており、各教室は運動強度や時間によって選ぶことができます。
教育サービスとしては、ノルディックウォーキングインストラクターや臨床美術士の資格取得を目指すための講座や、健康づくりのための知識を学ぶセミナーが開講されています。
社会参画支援プログラムでは、健康サービスと教育サービスで得た学びを地域での活動につなげるための「ネクストチャレンジ研修」などが行われています。この研修プログラムを受講し、実際に地域のボランティアの場や、元気塾のアシスタントとして活動している方もいます。
「元気に活動できるシニアが増えることで介護予防につながり、セカンドライフを前向きに過ごせる」と萱場さん。
 
男性は女性と違って地域との関わりが少なく、特に退職後は、ひきこもりがちになるといいます。
「退職後も健康であり続けるためには、健康を意識する年齢が早いほうがいいです。現在は利用者の約7割が女性ですが、今後は男性を中心に、40代や50代の働き盛り世代も多く取り込んでゆきたい」と萱場さんはおっしゃいます。

取材後記

kashiwamai「介護現場には色々な人がいるので、コミュニケーション力が重要です。まずは人の話を聞く力をつけることが必要です。」と萱場さんはおっしゃっていました。私は人に話しかけることは得意なので、コミュニケーション力には自信があると思い込んでいました。しかし、自分が話したい気持ちが先走ってしまい、相手の話を遮ることもしばしばあります。これでは会話のキャッチボールが成立しません。人の話を聞く力も含めてコミュニケーション力なのだと、萱場さんの言葉から気づきました。
相手の話を聞き、相手を知ること。それがコミュニケーションの第一歩だということを心に留め、これからの人との交流の中で活かしたいと思います。

東北学院大学3年 鈴木愛香さん

福祉工房って何をしている会社なの?

8月16日、東北福祉大学の近くにある株式会社福祉工房を訪れ、事業開発部次長の萱場力さんにお話を伺いました。
株式会社福祉工房は2000年に仙台市青葉区に設立されました。「発想をかたちに。地域とともに。」をスローガンとし、東北福祉大学グループの研究・教育成果の事業化を目指しています。主にキャンパスライフ関連事業と外部に向けた地域福祉支援事業を中心に行っている会社です。
キャンパスライフ関連事業が大きな柱となっており、東北福祉大学の学内サポートを行い、学内書店や売店経営などを展開しています。
外部医療・福祉事業者向けに地域福祉支援事業も行っており、東北福祉大学グループのもつ「大学」「研究所」「施設」などの大学グループの資源を社会に発信しています。

地域の人々の健康と社会のつながりをつくっていこう!

福祉工房は東北福祉大学と連携しながら、大学の教員や学生などの人的資源、施設、教育プログラムを活用しています。主にシニア層を対象とした会員制の「仙台元気塾」の運営を行い、仙台市を中心とした宮城県内のシニア層の健康と社会のつながりを支援しています。

「仙台元気塾」は大学との連携のもと、平成16年から東北福祉大学の国見ケ丘キャンパスで、平成28年からは仙台駅東口キャンパスを加えた2カ所で、健康づくりのためのフィットネス教室やアート教室、学びのための講座・研修会・セミナーを行う場として運営されてきました。そして多くの方がより社会とつながり、地域で生き生きと活動することを願って、平成28年秋から「社会参画支援プログラム」を加えた「新しい元気塾」が運営されています。

fukushikoubou-4(提供:福祉工房)

社会参画支援プログラムは健康づくりや学びの場で得た力を社会に活かして、社会とつながっていくことに挑戦します。社会につながっていくにあたり、東北福祉大学と福祉工房はその人に合った活動を支援していきます。具体的には地域で開催される介護予防教室などで継続的に活動する人、施設などで働く人、ボランティア活動をする人などがいます。
これらの事業は高齢者の「リタイア後の生き方が見つからない」という不安と、健康・介護系事業者の「深刻な人材不足」の問題の解決策にもなるそうです。また高齢者の介護予防につながり、「高齢者が元気に生き生きと生活できることに加えて、国や地方自治体の財政負担軽減を軽くし、他の財源に目を向けることを目指しています」と萱場さんはおっしゃっていました。

取材後記

suzukiaika取材を通して、何事にも中身で判断していきたいと思うようになりました。今まで人と関わる際や何か新しいことに挑戦する時に、人の表情や自分の勝手なイメージで判断して、選択の幅を狭めてしまうことが多くありました。
しかし今回、取材をしてホームページでは分からない福祉工房の良さを見つけることができ、中身を知って判断することをしていったら、私の人間関係や人生も大きく変わっていくと思いました。
中身を知るためには自分から行動を起こす必要がありますが、積極的に自分から行動することは苦手なため、自分から行動を起こすことを避けてきました。今から性格を変えることは簡単ではありませんが、意識をすることはできると思います。まずは仲の良い友人関係の中で実践していきたいです。

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取材協力・画像提供:株式会社 福祉工房 http://www.f-kobo.co.jp/
写真:澤畑学(ワカツク)

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