テラス

「リードインファッション」伊藤洋さん【いぐするテラス】

いぐする 仙台 いぐする仙台
918 views 2017.06.08

東北発ファッションで地域を元気に

「今日はあえて全部東北の服を着てきた」というゲストの伊藤洋(いとうひろし)さん(57歳)。
株式会社リードインファッションで、アパレル業界の会社とアパレル業界に就職をしたい人をマッチングする事業や、販売代行、東北発のアパレルブランドのPR事業などを手掛けています。
2017年5月9日のいぐするテラスは「東北発ファッションで地域を元気に」と題して開催しました。参加したのは芸術関係の勉強をしているという人や、就活中で、働くことについて話を聞いてみたい人、好きなことを仕事にしている人の話を聞いてみたいという学生など4人です。

自分のやりたいことは「頼まれごと」から見つかる

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「やりたいことの見つけ方は2つあると思っていて。目標達成型と運命追及型です」と伊藤さんはいいます。目標達成型は歌手になりたい、職人になりたいという明確な目標があり、そこへ向けて努力をする人。伊藤さん自身は運命追及型。「運にまかせちゃう。やりたいことを見つける方法は頼まれごとを断らないこと。やりたいことは経験でわかってくるもので、考えても思いつかない。だから体験することで見つかる」といいます。
続けて「頼まれごとにプラスアルファすることが大切。相手の期待を超えて応えるとまた頼まれる」のだそう。「できると思われるから声をかけてもらえる。だから頼まれたことはやるし、全力で取り組む中でやりたいことは見つかると思う。57歳になって、ようやくそれに気づいた」。
伊藤さんは「2週間後にオープンするショップの販売代行をしてほしい!人を見つけてもらいたい」と言われたこともあったけれど、引き受けてやりきったそう。「なんとかなるべって思うと、もうなんとかなっている。『やれない理由を探している』とはよく言うけど、まさにその通り」と話してくれました。

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自分にとって大事なのは給料よりも「取り組みたいこと」

服飾の専門学校の職員だった伊藤さんの独立のきっかけは、アパレル業界の人材不足に気がついたこと。もっと学校の枠を超えて取り組みたいと考えました。2016年に独立するまで28年間、入学者の募集を行ったり、学生の就職支援をしたりしていました。
4年程前、これまで縁がなかったあるブランドから「人がいなくて。なんとかしてくれないか」と電話がかかってきました。「人手不足が顕在化しだしたのか、その頃から他の企業からも続々と問い合わせがくるようになった」。「企業はこんなに人を欲しがっている。自分の学校だけでなく、他の学校にも声掛けできないだろうか」。伊藤さんは一般社団法人リードインファッションを設立しました。
当初は専門学校職員として働きながらアパレル業界のガイダンスなどの活動をしていましたが、これが学校の知るところとなります。「給料ではなく、自分のやりたいことをしようと思った。仕事ってそういうもんだよと言葉では聞いていたけど、それをリアルに感じた」。学校を正式に退職し、「株式会社リードインファッション」を設立しました。

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東北発のブランドを世界に発信したい

リードインファッションでは様々な相談を受けます。そうした中で知ったのは、東北には技術ある縫製工場が数多くあるということ。中にはシャネルやポールスミスなどの有名ブランドから頼まれているところもあるそうです。
一方で、大きな課題もあるといいます。技術力はあっても下請けに甘んじていること。工場にはデザイナーがおらず、オリジナルブランドを持っていないこと。独自のブランドは発注元から競合と見なされ注文が減少するのではという不安があること。従業員の給与水準が低いこと。
伊藤さんは、技術力の高さに給料が見合っていないのではと疑問を持ちました。若者がアパレルに興味をもったとしても、就職に二の足を踏んでしまうのではないだろうか。値段が高くても買われるイタリアの靴のように、東北のファッションも高い技術に価値を感じてもらえる状態にしたい。そのためには情報発信が必要なのでは。「東北の技術をいかした独自ブランドとして世界に発信したい。それも大きな役目だと思っている」。
伊藤さんは現在、PRのために年に4回、仙台フォーラスで東北ブランドのみを扱うポップアップショップを出しています。さらに、「今年、東北のアパレルブランドのPRイベントを東京の代官山でやることにしている。来年には海外に出す。そうすることで東北のブランドをつくり、結果的に縫製工場で働く人の給料など待遇改善につながったらよいと思っている」と話してくれました。

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伊藤さんは「自分がやりたいと思うことは、やったことがある人に相談するといい。弁護士になりたいなら、弁護士か弁護士を目指している人にきくこと」とも教えてくれました。話を聞き、参加者は「実際に街づくりとか、地域で活動されている人の話を聞きにいこうかと思いました」「こんなように自分の意見を言ったり、話を聞かせてもらう機会もないので自分にとってはありがたいと思いました」といった意見が出て、早速行動を起こそうと意気込んでいました。

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取材協力:株式会社リードインファッション
文章・写真:ワカツクコーディネーター

次回のいぐするテラスは6月13日♪

地域で働く人のトークライブ「いぐするテラス(いぐテラ)」ゲストと参加者の距離が近く、どんな話が聞けるかは、参加者次第の部分も?!
就活どうしようかなーとちょっと迷っている人、とにかく働く大人に会って話をしてみたい人、大人と話すのは緊張するから慣れておきたい人、起業に興味がある人…参加してくださいね!
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東北の人材不足を解決する、新しい仕組みづくり

2017年6月13日(火) 18:30~20:00
ゲストは池松邦彦さん。
株式会社ジョブ・ステーションの代表取締役社長です。

東北の製造業は人手不足の課題を抱える一方、外国人労働者の受入れは他地域に比べ遅れていると言います。昨年、社長に就任した池松さんはそんな課題を解決すべく、外国人労働者受入れの仕組みづくりにチャレンジしています。池松さんは日本航空(JAL)で約20年間勤務した後、大手人材派遣会社のアルプス技研に入社し、社長に就任。これまで計8社で勤務。うち5社で社長を務めてきました。新しい事業・サービスの立ち上げ方と、それを実行する上で欠かせない「人との関わり方、巻き込み方」や、「異業種への転職ってどうなのか?」などについても掘り下げていきます。

航空業界や人材業界に興味のある人、サービスの立ち上げや社長業に興味がある人、池松さんにあってみたい人、ぜひご参加ください!

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