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ままならない毎日を「おかたづけ」。ちいさい一歩を後押しする

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331 views 2017.01.19

山田和佳子さん「おかたづけ屋ちいさい一歩」

いま手にしているもの

「子どもがいるからといってママという『人種』はいない。『ママという時期』を過ごしている人なんだと思う」。2人の子どもを育て、「おかたづけ屋ちいさい一歩」を主宰する山田和佳子さんはいいます。
妻、ママ、嫁、時には会社勤めも。一日の中でいくつもの役割を担っていて、時間に追われていると感じている人もいるのではないでしょうか。働きたい、もっとキャリアアップしたいと思うけれど、ままならない。たとえば復職を考える時、家で子どもと過ごした時間は「人生のロスタイム」といわれることさえあります。
和佳子さんは「『なにもない』ってことはないと思う。無意識にせよ、結果としてそうなったにせよ自分がそうしようと決めたこと。選んだからには、その分、なにか得ているものがあるはず」とキッパリ。大事なのは自分の気持ちを見つめ、自分で選んだのだと納得することから始まるのではないでしょうか。

私が大事にすべきもの

今でこそ「おかたづけ」で、お客さんがちいさくても一歩を踏み出す後押しをしている和佳子さんですが、かつては「365日不機嫌ママ」でした。「おはよう!と起きてきた直後にはもう『靴下が見つからない』ってイライライライラしていた」。
「早く出かけたいと会社に意識が行ってしまっているから毎朝バタバタ。思い通りにならないことだらけ」と笑いながらいいます。
「夫は協力的でないと感じていたし、義母に子供を預けて働いていたけれど『母親は子供のそばにいるのが一番いい。仕事辞めたら?』と言われるし。イライラしっぱなしで時間に追われる暮らし」。言葉を区切り「あの頃は家族に応援してもらえなかった」と、ぽつり。

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▲仙台市が主催する市民講座でも講師を務める

大学を卒業後デパートに就職し、10年務める中で2人の子供にも恵まれましたが、毎日時間に追われる暮らしで体調を崩して退職。
「社会のつながりは会社しかない。辞める自分はダメな人間だと思い込んでいた」。今は辞めてよかったと思っているけどねと笑います。「会社は綺麗だけど、自宅はぐちゃぐちゃな状態。綺麗な職場から家に帰って汚い部屋を見てどーんと落ちるの繰り返し。上っ面しか見えていなくて、暮らしの土台ができていなかったんだなーと、今になって思う」。
退職後、一年ほどの療養では「毎日憂いてばかり。でも、寝ている間にふと気がついたの。こうやって寝ていられるのは、家があって家族がいるからだなって」。
会社は辞めたら関係が切れてしまったけれど、家族は守ってくれる。それまであんなに粗末にしていたのに。
「私が大事にしなくちゃいけないものはなに?」。
悩みは誰のせいでもなく、やりたいこともやりたくないことも一緒くたにしていた自分の中にあった。気がついたら頭も体もスッキリしていました。

自分と向き合うことから見える、やりたいこと

「私が大事にしたいものを大事にするために」。和佳子さんは、学生時代や就職してからも常に自分を助けてくれた掃除や片付けを改めてきちんと学んだり、心理を勉強したりし、「おかたづけ屋ちいさい一歩」での活動を始めました。
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『ママという時期』を過ごしている間だって何の役にも立たないわけではない。和佳子さんに身に着いた「スキル」を敢えてあげてもらいました。「曖昧を許し美しいと感じられる寛容さ、ソーシャルスキル、図太さ?」。うーんと考え込みながら続けて「伝える力もだし、私は妄想をたくさんしたかな」。
「相手が子どもだから伝わらないことも多くてイライラすることもあったけれど、結局は自分と向き合うこと。本質的なところを考えさせられた」。そして勤めている時から「これはこう活かせるかも?こうしたらいいかな」と妄想して仕事を充実させてきたことが今の仕事にも役立っているのだといいます。「育児中は自由になる時間が少なくて行動に移せないかもしれないけれど、心と頭は自由だしね!」。

「あの時は家族に応援してもらえる人じゃなかったんだな」と和佳子さんは不機嫌時代を振り返ります。
自分の気持ちに向き合い「大事にしたいこと」を見つけた和佳子さんは問いかけます。
あなたはなにをしたいですか?

2月19日「mamaのはじめの一歩♪」開催!

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「ままぱれ」1月号にも掲載された、ママの働くを考える「いぐmamaプロジェクト」がセミナーを開催します。
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「mamaのはじめの一歩♪」
日時:2月19日(日)10:15-12:30
会場:仙台市市民活動サポートセンター(サポセン)
定員:40名(定員になり次第締め切り)
※託児15名まで(生後6ケ月以上 2/10申込締切)
※生後6ケ月未満のお子様は同伴OK
対象:働いている・働きたいママ、ママを応援するパパ、子育て生活に興味のある学生、再就職支援をしている企業の方
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取材協力:「おかたづけ屋ちいさい一歩」山田和佳子さん
アイキャッチ用写真提供:山田和佳子さん
文章・写真:安部静香(いぐする仙台)

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「働く」を考えるプロジェクト。人生の岐路の一つである子育て中の女性を中心に発足しました。