ざっくりの相談を一番手に受ける信頼「株式会社ユーメディア」矢野弘樹さん
12月8日のいぐするテラス、ゲストは株式会社ユーメディアの矢野弘樹さん(41)。入社したばかりの頃はDTPやグラフィックを扱う制作を担当していました。現在はお客さんに近い立場で提案することが多い営業に近い役割を担う、メディアを使って発信する部署、メディアプロモーションチームの課長です。矢野さんは会社の成り立ちから働く環境に対する取り組みまで、時にはパンフレットや動画も見せてくれながら話してくれました。
いぐするテラスの参加者は、発信することや広告業界、矢野さん自身が社内で取り組んでいる働きやすい環境づくりに興味をもち参加したのだといいます。参加者の印象に残った矢野さんの言葉をご紹介します。
「相談の内容はざっくりと」
「私は今ざっくりの相談を一番手に受けてくるポジションにいます」矢野さんは自分の役割についてこう話します。いぐテラ参加者の一人、宮城学院女子大学の学生は、「ざっくりと話しても自分の希望をくんでくれるという信頼があるのだなと感じたから」この言葉が印象に残ったのだそう。
ユーメディアは印刷からスタートした創業56年の会社。印刷物メインで受けていたのが、Webと印刷物という組み合わせになったり、 地域のみんなが見たり聞いたり集まったりする自社媒体を持つようになったりして、「印刷 だけじゃなくプロモーション全般をお任せしたいんだけどできる?」というような 形で注文される広告代理店のような機能を併せ持つ仕事も多くなっています。
ユーメディアが掲げる「Communication Support and Customer Satisfaction
(顧客満足とコミュニケーションをサポートする)」は、「お客さんのさらにお客さんとお客さんをサポートし、つなぎますよという意味があります。CSが2回繰り返されているんですが、これはロゴにもなっています」矢野さんは言います。
▲ユーメディアのロゴマーク。アルファベットのCとSがデザインされている。
「『印刷物』という言い方はしません。印刷もコミュニケーションをとるツールの一つ。今までは我々の力不足で印刷という形でしか応えられなかったのが、『これなんとかして』や、『印刷だけじゃなくプロモーション全般をお任せしたいんだけどできる?』という大きい課題に対して応えることができる。提案の種類が増えてきたと評価をいただいたということなのかもしれません」。
自分は「ざっくりの相談を一番手に受けてくるポジションにいる」と矢野さん。「一番最初の相談にあたる部分を聞くために、一番最初に営業先にいく。それを会社に持ち帰り、メンバーの組み合わせを考えてつなげ、その人たちが考えたことを伝える企画書を書いたり、プレゼンテーションしたりという役目が今の立場では多いのだと言います。「相談の幅が広がってきたので、自分のスキルアップもしていかないとなという課題もあります」。
パンフレットも映像も、ざっくりとした相談の段階ではイメージが全くない状態。だからこそ、心掛けているのは、すぐに返事できること、安心できるイメージを持ってもらうこと。「お客さんの要望に対して、いち早く形の匂いみたいなものを伝えられるかが大事。そのために必要なのはスキル」と力強く言い切ります。「お客さんの悩みにドンピシャに応えられるタイミングを早くする。向こうがなにを言っているのか、どこに困っているのかを聞き出し、答えられる引き出しをたくさんもっておくことですね」。
▲ユーメディアのコンセプトブックを見る参加者
「自分たちが100%でいないとお客様に100%で向き合えない」
矢野さんが関わっている会社の取り組み「新しい働き方委員会」は「まだ始めて1年3か月くらい」。子どもがいる人だけでなく、自分の成長を考えてプライベートな時間を使うなど、どの立場であってもそれぞれの働き方があるはずだといいます。「きっとベストな状態というのは」と矢野さん。「毎日100%な自分でいられるかというところ。プライベートに悩みがあって仕事の部分で十分な力が出せなかったらもったいない。仕事の中身も質も大事だから、常日頃100%の力を出すためにはプライベートも大事」。ベストな状態が毎日繰り返されれば仕事もプライベートも楽しくなってくるという考えを、関わっている人間が少しずつ理解し、広めていこうとしています。
東北学院大学の学生は「自分たちの取り組みを変えようと思っていても実際に変えていくのは難しいから」この「自分たちが100%でいないとお客様に100%で向き合えない」という言葉が印象に残ったと教えてくれました。
「ざっくり」の相談に応え続けている矢野さんの仕事の手腕は、お話ししていく中でも垣間見ることができました。時折、参加者の質問や感想も交え、みんなで話しながら話を進めていくのが、いぐするテラスのスタイルです。矢野さんは、相手がなにに悩んでいるのか、質問した本人も意識していなかった深層心理にまで思いを巡らせながら、仕事の内容や心掛けていることを丁寧に、柔らかな口調で答えていってくれました。
取材協力・画像提供:株式会社ユーメディア
文章・写真:安部静香(いぐする仙台)
次回のいぐするテラスは1月12日
ゲストは真壁技研の技術者、木立華香さん。新卒で入社して2年目です。
秋田の工学部を卒業した青森県出身の木立さんは、なぜ仙台の会社に就職したの?
大学や企業の研究開発の現場で使われる「装置」を開発している真壁技研での仕事は?
理系の人に限らず、キャリアに迷っている人も、ヒントが見つかるかもしれません。
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この記事を書いた人
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「そんなに寒くないよ」と言われる仙台の冬が苦手な冬生まれ。
おいしいもの大好き。美味しいお店から発せられるオーラ(?)を感知するのが得意。
活字中毒気味。働いてなければ間違いなく冬ごもりします。
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