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地域シゴトラボ第6回「Kappo」編集長 川元茂さん

シズカ シズカ
173 views 2016.07.28
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「かんぱーい!」ビールや飲み物を片手に始まった7月11日の地域シゴトラボ。
ゲストは仙台市にある株式会社プレスアート取締役の川元茂さん(49)。宮城や仙台を中心に東北の食や旅を紹介する雑誌『Kappo 仙台闊歩」』の編集長です。
会場に集った会社員やデザイナー、自営業の人など19人の参加者は、自己紹介と共に川元さんに聞きたいことを発表。カジュアルな雰囲気も手伝ってか、みんな興味津々、編集者の仕事や日常に迫る迫る。普段なら絶対に聞けないような突っ込んだ質問も、ここぞとばかりに投げかけられ、時おり苦笑しながらもメモを取っていた川元さんは、自分の経験談に質問への回答を織り交ぜながら話してくれました。

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創った雑誌の一番のターゲットは自分

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「当時仙台には自分が読みたい雑誌が無かったから、35歳の時に『Kappo』を創刊しました。ある意味傲慢な言い方かもしれませんが…」と川元さんは目を細めて笑います。2002年、ちょうどその頃、東京では大人向けの雑誌マーケットが盛り上がっていた時期でした。
 東北学院大学を卒業して以来、「編集の仕事しかしたことがない」という川元さん。卒業後東京に行き、海外旅行情報誌『ab-road(エイビーロード)』の編集部に在籍しました。出張が多く、飛行機で文字通り海外を飛び回る日々。その後、家族の事情で仙台に戻ることになり入社したのが今の会社、プレスアートです。仙台に戻ってきてからはラーメン屋を自転車で取材して回るなど、地域に根ざした仕事をするようになりました。仙台の街の情報を紹介する『せんだいタウン情報(現「S-style」)』を担当していましたが、2000年には若手メンバーと若者向けのファッション誌『COLOR』を創刊します。
「ゼロから立ち上げたものが、形になって、読者を獲得し、何年も続いていくという、得がたい経験ができた。雑誌を作るのが楽しかった」。
『Kappo』を創刊したのはそれから2年後。他の情報誌とは一線を画し、大人に向けて、速報性よりも情報の価値を重視。掲載する店舗選びはもちろん、写真や文章、コピーもプロフェッショナルであることを追求しています。

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▲『COLOR』の創刊号。2010年に休刊した。

境界からの視点

東京暮らしや海外での取材経験から、仙台をできるだけ客観的に見るよう心掛けています。「意識的にアウトサイダーでありたいと思っています。でも仙台や宮城が好きで、インサイダーでもあるから、結果、その境界にいるということなんでしょう(笑)」。川元さんは現在、塩竈市に住み、仙台まで車で通っています。
『Kappo』7月号の特集は「ディスカバー宮城」。宮城の魅力を再発見する、川元さんが作りたかった企画です。取り上げる情報はどうしても「仙台」に偏りがちで、「地方」の優先順位は低い。宮城には気づいていない魅力がもっともっとあるはずで、そんな地域に根ざした何かを拾いたいと企画したものです。
この特集で心がけたのは、「自分自身が発見すること」。その驚きを誌面で伝えたかったし、雑誌では取り上げられなかったけれど、今後に役立ちそうな発見もたくさんあったのだそう。川元さんはこれからも「発見」し続けていきたいと言います。
「やっぱり取材に行くからこそ発見がある。行かないと発見できない。会議もあるし、デスクワークもあるし、社内の色々なことの合間を縫って行かなくてはならないけど、出かければ何か見つかるんですよね。それがこの仕事の醍醐味です」。

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「ワーク=ライフ」を標榜する川元さん。ずっと現役で発見を続けたいし、文章を書いていきたいと話します。「この年になって色々と書くべきテーマが見つかっています。仙台自叙伝とか。塩竈の歴史もおもしろい」。あとワインが好きだから、引退したらワイナリーを立ち上げるのもいいですね!と続けます。「ワイン造りは男のロマンです!」。
好奇心の旺盛さは川元さんに負けていない参加者たち。川元さんの話を聞いて、他県出身の参加者が最初に仙台に来た時の印象を話してくれたり、創刊号からKappoを持っているという参加者もいたりと、話題も笑い声も尽きない時間でした。

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地域シゴトラボは毎月第二月曜日に開催しています。
また、あの会社で働く人の話を聴ける!「いぐするテラス」も随時開催しています。
ぜひ参加してください!

文章・写真:安部静香(いぐする仙台)

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この記事を書いた人

シズカ
シズカ
ライター
「そんなに寒くないよ」と言われる仙台の冬が苦手な冬生まれ。
おいしいもの大好き。美味しいお店から発せられるオーラ(?)を感知するのが得意。
活字中毒気味。働いてなければ間違いなく冬ごもりします。