チャレンジ

【名亘で働きタイ×ワタレポ】アガラインプロ

名亘ワタレポインターン
87 views 2016.03.30
ワタシゴトレポート
「ワタシゴトレポート」は、地域の中小企業で活躍する方々への取材を通じ、地域の仕事や組織の魅力を発掘・発信するワカツクのインターンシッププログラム です。参加学生は将来のキャリアを考えるきっかけを見つけるため、取材・執筆 活動を行います。宮城県庁との連携で、名亘地域(※)に所在する企業を訪問しました!

(※)名亘地域:宮城県名取市、岩沼市、亘理町、山元町のこと。

介護・福祉車両や用品を広め、障がいのある方もより快適に生きられる社会を

【アガラインプロ(名取市)】
名取市のアガラインプロの主な事業はリース・レンタカー、新車・中古車販売。特に、障がい者や高齢者の方が使いやすいような機能が備わった介護・福祉車両のレンタル・販売に力を入れています。また、手足が不自由な方の生活をサポートする補助具の案内・販売なども行っています。

代表の板橋幸弘さんは元々介護の資格(ホームヘルパー2級)を持ち、ホームヘルパーやスポーツインストラクターなどの仕事を経て、福祉車両を専門に扱う総合展示場で立ち上げスタッフを務めることになりました。
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▲代表の板橋幸弘さん

展示場では、コンサルティングスタッフとしてお客様に合わせて車種・仕様の紹介やカスタマイズ(架装)の提案をする仕事をしていました。
福祉車両の販売には、サービス介助士2級の資格のほか、新車・中古車で税金の優遇制度や助成制度の違いがあること、カスタマイズ(架装)についてなど様々な知識を必要とします。多くのお客様、介護を必要とするご本人やご家族、関係者と係わることで、板橋さんは徐々に『ハンディキャップを抱えた方の移動』という現代社会の問題に関心を深め、介護・福祉車輌を広めたい、伝えていきたいという気持ちが強くなっていきました。しかし、展示場の仕事では、板橋さん自身が車両販売をすることはできませんでした。
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▲車いすのまま乗車できる福祉車両

その後展示場での仕事を離れましたが、介護・福祉車両を必要とする方々が相談できる人がおらず依然困っているという話、中古車市場には介護・福祉車両も出回っているが、税金の優遇制度や助成制度の取り扱いなど販売に必要な知識がないため中古車ディーラーで適切に扱われていない現状などを知ります。

そんな中、板橋さん自身も交通事故に合い、利き手の握力が半分になってしまいました。いままでのように仕事ができない中、介護・福祉車両を広めたいという想いから経理の勉強や開業への知識を身に付け、知り合いの縁を頼って岩手県で販売職の経験などを積んだのち、アガラインプロを開業。介護・福祉車両を必要とする方に自身の手で案内をし、販売する事業をスタートしました。
最初は中古車販売がメインでしたが、後に試乗という意味合いも込めてレンタカーも本格化。現在は法人の長期契約などが中心ですが、例えば仙台空港から東北観光の移動のため使用したい、という問い合わせも多いそうです。
また、板橋さん自身が利き手に障がいを持った後、ハンドルに取り付ける運転補助器具の存在に助けられたことから、そういった様々な道具の存在をもっと多くの身体の不自由な方に知ってもらうため、紹介・販売も行っています。

ホームヘルパーから車屋になるという板橋さんの経歴も異色ですが、この業界はまだまだ福祉・介護に関する理解が薄く、対応もこれからと感じているそうです。また、仕様によっても異なりますが値段もプラス20〜30万円から購入でき、外見はほとんど一般車両と変わらないにもかかわらず高いというイメージや偏見を避けるために福祉車両の購入をためらう方も多いため、より快適な生活のためにぜひ福祉車両について知ってほしい、という啓蒙活動も進めたいそうです。

オススメ商品・サービス

取材中、板橋さんが前職でお世話になったというニッシン自動車工業東北の今野智夫さんがアガラインプロにお越しになり、その際乗ってきた車にも様々な機能がついているということで拝見させていただきました。

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▲ニッシン自動車工業東北 今野智夫さんと

車両の上には専用の車いすを収納可能なルーフボックス、後方の荷室にも車いすが乗り込みやすいような足場や固定するためのケーブル、走行中に掴まるグリップなどがついていました。また、運転席のハンドルには、板橋さんも使用している旋回ノブがついていました。
今野さんの車両にはサンプルとして様々な補助器具はがついていましたが、実際はお客様の症状や要望に合わせ、カスタマイズ(架装)して取り付けられます。新車で購入する際は、車種によってどんな器具が取り付けられるか、といったカタログも用意されているメーカーもあります。詳しくは、ぜひアガラインプロで聞いてみてくださいね。

▼車いすを収納できるルーフボックス
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▼様々な補助器具
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募集内容

少人数の会社のため定期的な採用は行っていませんが、福祉車両や器具の利便性を広める役割を担う後継者となる意気込みのある方を探しています。また、障がい者の雇用もしたいと考えており、実際に事務所のお手洗いは車いすのまま使用できる仕様にもなっていました。障がいへの偏見が無い方、介護経験があり、聞き上手な方。必要な情報を伝える役割を担える方。

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▲アガラインプロ 店舗

編集後記

取材・執筆:鎌田尭(東北学院大学4年)

アガラインーD7K_2687アガラインプロさんが扱う「福祉車両」・・・私にとってはあまり馴染みのない車でした。取材前は、そういった車両は自動車販売店でカタログから選びさえすれば購入できるものだと考えていました。実は価格や税制度など、多くの部分が一般の自家用車とは異なります。
「もっと多くの人に福祉車両について知ってもらいたい」と語るのは代表の板橋幸弘さん。福祉車両について詳しい知識を持つ人は少ないそうです。福祉車両と言っても、スロープがついた車や上半身だけで操作できる車など種類は様々。アガラインプロには、身体の不自由な人、あるいはそのご家族など介助する方が多く訪れます。板橋さんはお客さんのために福祉車両について詳しく説明しています。

お客さんの中に車の運転を諦めていた人がいました。来店直後、暗い表情だったお客さん。板橋さんの体験談など話を聞き、また様々な補助器具があることなどを知り、再び車を運転することができるかもしれない、と希望を持つことができました(実際は、運転免許センターで最終的な運転の可否が判断されます)。お客様にかけられた「あなたに会えてよかった」という言葉。この言葉を思い出すと、どんなことがあっても吹っ切れる、と板橋さんは振り返ります。
「福祉車両はかっこういい。福祉車両について知ってもらうことで、障がいを持った人に希望を持ってもらいたい」と語る板橋さん。誰かのために起業し、情熱を感じながら仕事をしている人だと思いました。

取材協力:アガラインプロ

※記事(企業情報・求人情報)は、宮城県仙台地方振興事務所 「被災沿岸地域に対する商工観光連携促進事業」の一環で執筆したものです。

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