チャレンジ

【名亘で働きタイ×ワタレポ】東京ファッション

名亘ワタレポインターン
1,128 views 2016.03.31
「ワタシゴトレポート」は、地域の中小企業で活躍する方々への取材を通じ、地域の仕事や組織の魅力を発掘・発信するワカツクのインターンシッププログラム です。参加学生は将来のキャリアを考えるきっかけを見つけるため、取材・執筆 活動を行います。宮城県庁との連携で、名亘地域(※)に所在する企業を訪問しました!

(※)名亘地域:宮城県名取市、岩沼市、亘理町、山元町のこと。

アパレル業界のメイド・イン・ジャパンを担い、業界全体の活性化を願う

【株式会社東京ファッション(亘理町)】
実に97%の製品が海外製と言われるアパレル市場で、貴重なメイド・イン・ジャパンのものづくりを担う数少ない1社が、株式会社東京ファッションです。国内の有名ブランドを持つメーカーから数多く委託を受け、生産・加工を行っています。

国内で衣服を生産するメリットは、やはり品質が高いこと、そして短い納期で製造できるので、流行の移り変わりが激しいレディースの売り場にも対応可能なこと。
一時期は円高で海外工場への委託が一気に進み、国内の工場も減ってしまいましたが、東京ファッションはものづくりにこだわるメーカーとの取引を続けてきました。

今回お話を伺ったのは、代表取締役社長の綾辺裕一さん。
東京F-D7K_4088
▲代表取締役社長の綾辺裕一さん

東京ファッションは、昭和43年に綾辺さんの父が創業。東京で縫製工場を経営していましたが、その後、福島県南相馬市原町と、宮城県亘理町に工場を新設しました。現在、東京には事務所機能のみを残しています。
綾辺さんは、以前は東京のアパレルメーカーに務め、デザインをもとに実際に衣服をつくるときに必要な「型紙」をつくる、パタンナーの仕事をしていました。震災後の2013年に東京ファッションの2代目社長に就任してからは、東京での営業も行いながら、普段は亘理工場にオフィスを構え、亘理と南相馬の工場を往復しています。
「東京ファッションが取り扱う商品はレディースが多いので、結婚してから自社商品が並ぶ売り場を見に行きやすくなった」とはにかみながらお話する綾辺さんが印象的でした。

現在、社内はIT化しており、取引先の情報や生産ラインの管理などをできるようにしています。
低価格のファストファッションが人気になり、百貨店ブランドは苦戦を強いられる中、国内の製造会社は上がり調子とは言えない状況。平均年齢が高い工場が多い中で、東京ファッションは新しいシステムを積極的に取り組みながら、また若い社員を積極的に採用しています。働く人たちにとっても魅力ある会社になるよう、社内のサークル活動に予算をつけたり、社内行事としての花見や芋煮なども実施しています。

また綾辺さんは、後継者不足でさらなる国内シェアの低下を招くのを防ぐため、自社のシステムを他社にも提案し、ものづくりに貢献できるようなシステム化を図っていきたいと考えています。そのような、ソリューション営業も今後はしていきたいそうです。

東京ファッションのものづくり

衣服の生産工程は分業化されていますが、ほぼ手作ミシン縫いやアイロンがけなど分業化し、さながら一人一人が技術者です。
また、サンプル作成があり、こちらは経験を積んだスタッフのみが担当できる、責任のある仕事です。
東京F-D7K_4196
東京F-D7K_4223
▲工場内の様子

もちろん衣服の元となる型紙は発注元メーカーのデザインによるものですが、実際は縫い方、糸の選び方、使う針の種類などによって見た目の仕上がりや着こなし・丈夫さが変わってきます。よりよいものづくりのため、こちらからメーカー側に提案することもあるとか。

募集内容

ソーイングオペレーターとして働く方を募集しています(未経験者可)。また実際に生産する衣服の見本をつくる「サンプル縫い」などの仕事もあります(経験者のみ募集、または社内で経験を積んだ方に担当していただきます)。
その他、社内の生産管理システムのオペレーターや、他社工場へのソリューション営業も募集しています(経験者のみ)。
応募条件は高卒以上の方。勤務地は原則として募集地域内です。

東京F-D7K_4368
▲東京ファッション 亘理工場

学生から見た東京ファッション

入社3年目の渡辺愛梨さんと、同じく永徳茜さんにお話しを伺いました。
渡辺さんは、縫製の最終組立て工程を担当しています。12~17名の班で作業をしていて、班の目標を達成したときにやりがいを感じるそうです。同じ班の先輩社員は優しくて面倒見が良く、働きやすさを感じているようです。
学生時代に服飾関係を学んだわけではありませんが、「服を作りたい」という思いで入社しました。「経験を重ね、周りを見てサポートできるようになりたい」と力強く語ってくれました。
東京F-D7K_4311
▲左から、渡辺愛梨さんと永徳茜さん

永徳さんは、縫製の初工程を担当しています。ミシン、アイロンを使っての作業です。働き始めてから、洋服のほつれを自分で直せるようになったそうです。
小学生の頃から小物作りを趣味にしていて、「ミシンができたら作れる物の幅がもっと広がりそう」という思いで入社しました。社内の手芸サークルに所属していて、スヌードやポケットティッシュケースなど、数多くの布製品を作りました。入社前の思い通り、たくさんの物を作っているようです。

編集後記

取材・執筆:及川愛結(宮城学院女子大学3年)

東京F-D7K_4153アパレル業界の国内生産量はわずか3%。その数少ないシェアの一角を担っているのが東京ファッションです。主に婦人服のトップスを作っています。誰もが知っているブランドの服も作っているのだとか・・・。
作業はミシンやアイロンを使って、ほぼすべて手作業です。時間ごとに目標枚数が決められていて、達成するように作業をしなければなりません。緻密で正確な作業が求められます。一つ一つの作業は個人ですが、一着を仕上げるためには何人もの手が加わるチームプレー。誰か一人が欠けてしまっても服は完成しないのだと思いました。

取材協力:株式会社東京ファッション

※記事(企業情報・求人情報)は、宮城県仙台地方振興事務所 「被災沿岸地域に対する商工観光連携促進事業」の一環で執筆したものです。

next_action