テラス

自らも楽しみながら仙台のまちあるきツアーを考案「株式会社たびむすび」佐藤康子さん

長谷川美佳 長谷川美佳
818 views 2015.09.08

自らも楽しみながら仙台のまちあるきツアーを考案

8月25日のいぐするテラスは、株式会社たびむすびの佐藤康子さんをお迎えし、「地域の歴史や文化を生かした観光とは?~『まちあるき』でつくる新しい旅のかたち」と題して話していただきました。
「仙台って観光する場所があまりないよね…?」いえいえ、そんなことはありません!
佐藤さんは「たびむすび」で仙台、宮城を中心に、ツアーを企画しています。たびむすびは地元の人にもまちの魅力を再発見してもらえるような、その土地に根付いた歴史や文化、人々とのふれあいに重点をおいたツアーを主に扱う旅行会社です。

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街並みを歴史と共に感じるツアーを

たびむすびでは、「学び、体験の旅」をコンセプトに、ツアーを企画しています。例えば「仙台めんこいツアー」というテーマのツアーでは、主に2時間程度である地域を歩く「まちあるき」をします。
今年4月には「東照宮と門前町の魅力を再発見」と題し、徳川家康を祀った仙台東照宮を参拝し、周辺のオススメのお店や隠れた名店などを巡りました。歴史に思いを馳せながら現在を楽しめるコースで、幅広い年齢層の方々が参加しています。9月には特別版として、かつての伊達家の人々に倣って、松島で中秋の名月を眺めるツアーも企画しています。名所を回り食事を楽しむなどのいわゆる「観光」をメインにせず、歴史と共にその土地を感じることを目的としています。

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自由なアイデアでこれからもっと笑顔あふれるツアーを提案したい

佐藤さんは仕事と子育て真っ盛りの40代にストレスや疲れが原因で体調を崩してしまいました。元気を取り戻した時に真っ先に考えたのは、「好きなことをやってみよう!」ということ。当時小学校高学年だった息子さんが歴史の戦国時代を学んでいたので一緒に勉強してみました。息子さん以上にのめり込み、「伊達政宗さんLOVE!って思いに目覚めたんです」と笑います。情報収集や宮城在住の歴史研究家との出会いを経て、伊達政宗について学ぶ講座の企画を手がける機会を得ました。この企画がきっかけで、株式会社ゆいネットに入社。その後株式会社たびむすびに移籍し、以来、佐藤さん自身も楽しいと思えるツアー企画を提案し続けています。

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佐藤さんの頭の中には、もっと多くの人の笑顔に触れられるツアーのアイデアが沢山あります。例えば、ドレスコードをつくること。目的地や内容に合わせて着物、ゲタ、忍者風などの設定。
「五感で歴史を感じてもらいたいんです。実際に装束を身に付けることでわかってくることがあるんです。なりきって想像をめぐらせるのは楽しいですよ!」と、自身の鎧コスプレ体験を交えながら楽しそうに語っていました。また、その地域に根差したツアーガイドの育成や組織化も視野に入れながら、面白いツアーコースを発掘したいとのことでした。歴史モノだけでなく、おすすめのパン屋さんを巡るといった新たな分野の開拓にも挑戦したいそうです。「笑顔の力を糧にこれからも生きていきたい」と佐藤さんは意気込んでいました。

参加者の声

参加したのは、青葉学院短期大学、東北大学、東北学院大学の学生6人。「色々な職業について知りたい」「まちあるきや観光の企画や実行に興味がある」と参加した理由を語っていました。話をしながらも、次々と新しいまちあるきのアイデアが飛び出す佐藤さんに、「アイデアが豊富で聞いている私たちも楽しくなった」「今度大学のサークルで地下鉄東西線を題材にしたツアーや情報発信をしたいので、佐藤さんのお話を参考にしたい」など、とても刺激をうけたようでした。

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いぐするテラスの取材を終えて

まちは見るだけではない!感じることもできる!

「観光」や「まちあるき」というと、お城や博物館などを眺め、土地の名物を食べて…というイメージを強く持っていました。たびむすびで佐藤さんらが企画する「学び、体験」をコンセプトとしたツアーは、その土地をまさしく五感で感じることで新たな視点を提供してくれるものでした。歴史的なエピソードをツアーに交えることで、見えにくい、認識されにくいもの、見えないものを伝え、参加者の五感を研ぎ澄ましてくれます。自分が見えていると思っている以上に世界は大きく深く広がっているのですね!

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文章:長谷川美佳(東北大学修士2年)
写真:長谷川美佳(東北大学修士2年)・安部静香(いぐする仙台)

いぐするテラス参加者の感想

仙台青葉学院短期大学 西坂奈畝(なほ)さん

teracce23_s2仕事を始めるきっかけとなった歴史や五郎八姫のお話をする佐藤さんがとても生き生きとしていて、楽しくお話を聞けました。佐藤さんは、以前仕事のことで苦労をした経験から、せっかく生まれてきたのだ
から自分が本当にやりたいことを仕事にしていきたいと考えたそうです。「仕事は金銭を得るためだけのもの」という考えが強かった私には、そのお話が特に印象に残りました。
また、ツアーや講座を行うだけでなく、それに行ってみてどの様なことを考えたのかを重要視する考え方や、誰かがツアーのアイデアなどを出したときに否定をせず積極的に話を聞く姿勢など、自分が将来職についたときに心得ておくべきことを知ることができました。
私も将来、佐藤さんのように、周りの人々の笑顔を原動力にして頑張れるようになりたいです。

仙台青葉学院短期大学 ビジネスキャリア学科 山尾 栞里さん

teracce23_s3佐藤さんご自身が好きな「五郎八姫」のお話や、旅のプランに対する考えなどを伺うことができました。
この旅は誰が喜んでくれるだろう、と旅のプランを出し合う時「出てくるアイデアを否定しない」という佐藤さんの考えが素敵だと思いました。アイデアが出てきた分、何通りもの旅のプランができあがるのではないかと思ったからです。
案内をしながらガイド自身も学べるという事に魅力を感じ、視野になかった観光ガイドに興味を持ちました。そのため、実際旅に参加したり観光の授業を受けてみようと思います。
また、「転んでもただで起きてはいけない」という言葉が心に残っています。私は、失敗した時そのまま終わっていたので、新しい目標を得て次に進むことは大切だと学びました。

仙台青葉学院短期大学 ビジネスキャリア学科 日下 萌(めぐみ)さん

teracce23_s1今回、佐藤さんはたびむすびがどのような思いでプランをたてているのか、佐藤さんご自身が立ち上げた伊達政宗「五朗姫」倶楽部などたくさんの興味深い話をしていただきました。
お話の中でも特に「お客様に喜んでもらうだけではなく、当時の気持ちを味わってもらいたい」という言葉が特に心に残っています。それは、歴史を学ぶツアーであれば、ただ案内をするだけではなく、その時代にいた歴史上の偉人たちは何を思ったのか、もしもお客様がこの時代、この場所にいたら何を思い過ごしただろうか、そのようなことを直に感じ、イメージしてもらいたいと、佐藤さんは話してくださいました。
その話を聞き、お客様にそう感じてもらうには、プランを考える上で何が大事になってくるのだろうかと疑問を抱きました。
佐藤さんは、プランを考えるのには、意見を否定せずに、たくさんのアイデアを受け入れること、また、お客様の目線になって考え、お客様がどうすればよく学べるか、喜ばれるか、お客様の立場になり考えることが大切だと、答えてくださいました。私はそれを踏まえ、プランひとつひとつにたくさんのお客様に対する熱意が感じられ、とても感動しました。
今回の話を聞き、私も一つ、旅行プランを立て、誰かを案内してみたいと思いました。また、観光に対して興味を持ったので、深く勉強したいと考えました。

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