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小さい組織が生み出す技術で“人”と“科学”を結ぶ!「マグファイン」

長谷川美佳 長谷川美佳
800 views 2014.07.14
長谷川美佳 長谷川美佳 東北大学修士(執筆当時)
磁石って黒板や冷蔵庫にメモを貼ったりするのによく使いますよね!人が押さえたり、電気を流したりしなくても、モノを固定してくれます。磁石の力ってすごーい!!
そんな「磁石」を中心に事業を営んでいる「株式会社マグファイン」にお邪魔しました。

まずは「磁石」の基礎知識から

磁石とは、“選ばれし元素”でできています。磁石になる権利を持つのは、鉄などの「強磁性体」と呼ばれるモノたち。物質を構成している原子に含まれる「電子」がキーマンです。
電子が磁石のN極とS極をつくっています(→詳しく知りたい方は、電磁誘導あるいは右ねじの法則を検索!)。
たくさんの電子たちがつくるN極とS極が同じ方向を向くと、物質は「磁石」になるのです。

磁石になれる物質は限られています、実はエリート的存在なんです!(→下フローチャート参照)

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金属はさびるので、そのままでは私達の身近で力を発揮できません。サビだらけの磁石なんて、いくら便利でも日常で使いたくないですよね…。
サビの正体は金属と酸素が結びついた、金属酸化物。金属だけで成り立つ「希土類磁石」は強い力を持ちますが、さびると力がなくなってしまいます。

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実は金属酸化物の中にも、磁石になる資格を持つモノがあります。「フェライト磁石」です。力は希土類磁石に及びませんが、今でも多く使われています。しかしそのままだと見た目が地味。コーティングによって美しくできたら、もっと目立つところで活躍できるはず!

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いずれにせよ、ありのままの磁石は使いにくいのです。

マグファインって、こんな会社!

そんな磁石を豊富に扱い、より使いやすくしようという会社が、仙台市太白区茂庭にある株式会社マグファイン。

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「磁石を多くの人に届けたい」
そう考え、磁石のコーティング技術を開発し世に送り出したのが、マグファイン創始者の藤村康男さん。20年間、東北の大手メーカーで磁石や電磁石の事業化 に携わってきました。そこでの磁石は産業用。もっと広く一般の人が磁石を使えるようにしたいとの思いから、会社を立ち上げました。

仙台の企業魅力3つ

ピタマル、誕生!

始まりは「触ると手が汚れてしまうフェライト磁石を美しくしよう」という藤村さんの発想からでした。そこで、磁石をコーティングすることを思いつきます。しかし、コーティングの材料と磁石が反応して泡が出たり、コーティング材を吹き付けて一度に大量の磁石にコーティングしようとすると風圧で吹き飛んだり、均一に付着しないなど、多くの失敗がありました。試行錯誤を繰り返し、とうとう人体に害のない、安全な材料であるナイロンを用いて、大量の磁石を均一にコーティングすることに成功しました。

最初に開発した商品は、掲示用マグネット「ピタマル」。サイズは、指の腹くらいのものから、大きくても手のひらに収まるくらいまで。円柱型が主流ですが、星やハートなどのかわいらしい形のものもあります。色も赤、緑、黄緑、黄色、青、水色、ピンク…さまざまです。まさに、「磁石を身近に」という藤村さんの思いを体現した商品の一つ。学校の黒板や家の冷蔵庫にメモを貼ったり、幼稚園や小学校の子どもたちの遊び道具としてなど、私たちの生活や教育の場で役立っています。

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小さい組織にこだわる

2000年にはネットショップを開始。消費者と磁石製造会社の間の磁石販売の仲介や、自社でコーティングした製品の販売を始め、国内はもとより海外にも販路を広げています。しかし、会社の規模は4つの事業部から成る計30人程度の小所帯(間もなく6つの事業部に拡張予定)。事業部の長が実質的な社長として方針を決定し、経営を行います。このように広く活躍する会社が、比較的少人数の社員によって動いていることに、とても驚きます。
「組織は小さくするほど長続きする」と語る藤村さんが、模型を使ってその理念を説明してくれました。

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例えば、直径10mmの球が8個の集合と直径30mmの球が1個あります。それぞれの体積の和は一緒ですが、それぞれの表面積の和は10mmの球 8個の集合の方が30mmの球1個の場合より2倍も大きくなります。
「持てる技術力は同じでも、外界と接する部分すなわち営業力を充実させ、WIN-WIN(相利共生)を基に行動することが大切」と藤村さん。直径30mmの球のように、表面積が小さく、体積が大きい、つまり外界に接する面積が小さくなるほど営業力が減り、社員一人ひとりの上げる利益も少なくなるのです。社員一人ひとりの持てる力を、最大限に会社の活動に生かすことが会社の運営方針です。そのための社員の行動規則(義務ではなくあくまでも指針ですが…)として
・定時前に出社し、明るく挨拶ができる。
・文書や口頭で約束した事を守る
・目的あるワイガヤトーク(→仕事に関連したものからそれ以外の世間話などのおしゃべり)に参加でき、遊び心やユーモアがある
といった様々な項目を提示することで、社員の力を結集するシステムをつくっています。

    社員一人ひとりを大事にする

    社員一人ひとりの持てる力を、最大限に会社の活動に生かす会社の運営方針は、会社のためであると同時に社員を守ることにも繋がっています。
    経営方針の一つに、適正・才能にあった仕事についているという項目があります。「入社時の面接で必ず、何が出来るのかを聞きます。社員が自分の能力をきちんと見極め、それを存分に会社で発揮してほしいです」。
    得意なことや好きなことであっても、仕事にはつらいことも多いと思います。ですが、苦手なことや嫌いなことしかない仕事を続けることはもっとつらいこと。その人に合った役割を果たし、活躍してほしいというのが藤村さんの願いです。会社のためでもあり、社員一人ひとりのためでもある。ここにもまさにWIN-WINの精神が現れています。

日本では、匠の存在がよく取り上げられます。テレビ番組では織物や染物などの「下町の技術」が話題になりますよね。しかしある特定の人にしか実現できない技術は、時に、後世に受け継ぐことが難しいものです。もったいない!「技術も経営も、システム化してこそ、多くの人に受け継ぐことができる」という藤村さんの言葉に共感しました。そのシステム作りが難しいわけですが…。
コーティングという技術によって磁石を多くの人に送り届ける、というマグファインの役割。「技術って人と科学を結びつける架け橋なんだ!」と、工学を専攻する私の心に強く響きました。
長谷川美佳長谷川美佳東北大学修士(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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株式会社マグファイン
http://www.magfine.co.jp/
住所宮城県仙台市太白区茂庭字人来田西111-10
電話番号022-281-3956