学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

お客様と社員を大切に。感動を届けたいと一途に進む「株式会社サイコー」

小幡竜一 小幡竜一
1,206 views 2015.09.04
小幡竜一 小幡竜一 東北工業大学3年(執筆当時)
読まなくなった雑誌や、小学生の頃に使っていた教科書などの古紙を処分するには手間がかかります。回収日に出し忘れると溜まる一方で、なかなか整理整頓が進みません。実際私も「回収日以外の日に片づけることが出来たらなー」と思うことがあります。そんな中、決まった時間帯であれば、いつでも古紙を回収するサービスを展開している企業があるとの情報が!これは、取材させてもらうしかない!!

サイコーってこんな会社

JR東北本線岩切駅から、北側へ徒歩10分。閑静な住宅街の東北新幹線線路脇に、株式会社サイコーの本社があります。

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▲ドアの横にはマスコットキャラクターの「コーちゃん」の石像。

入り口にはひまわりや花で飾り付けされたウェルカムボードがあり、とても訪問しやすい雰囲気でした。

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▲取材日に玄関に設置されていたウェルカムボード

サイコーは古紙回収業を中心とした総合リサイクル企業です。創業は1973年で、初代社長がトラック1台で古紙回収を始めたのがきっかけ。以来、年を重ねるごとに業務の幅を広げ、事業活動によって生じる燃え殻、鉄くず、木くず等の産業廃棄物や、スーパーマーケットから排出される生ごみなどの可燃物、ビン、空き缶といった事業系一般廃棄物の収集・運搬、処分を行ってきました。2013年からは仙台市宮城野区の一部地域で、可燃物やプラスチックなどの家庭ごみの回収を担当しています。

本社と営業所のほかに、回収した資源物のリサイクルを行う自社施設が2つ。産業廃棄物を扱う「仙台港資源化センター」と、ダンボールや新聞、雑誌などの古紙を扱う「仙台中央資源化センター」を持っています。今回の取材では、人事広報課課長の小幡秀樹さん(44)と、同じく人事広報課の池端みなみさん(25)にお話を伺いました。

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▲取材を受けてくださった小幡課長と池端さん

仙台の企業魅力

充実した自社施設で安定的に大量のゴミを資源化

サイコーは古紙の回収とリサイクルにとても積極的に取り組んでいます。企業と一般家庭、集団資源回収で排出されるダンボールや雑誌に加えて、機密文書の回収と処理も請け負っています。私がサイコーを知るきっかけになった、一般の方が気軽に古紙をリサイクルできる仕組み、「古紙リサイクルポイントシステム」の回収サービスも、こうした積極的な資源回収の一環。「古紙の回収量なら、県内1位かもしれません」と小幡課長。トラック1台での古紙回収からここまでの規模に発展し、今では仙台の資源回収の要となる企業になっています。

今回の取材では、回収した産業廃棄物や機密文書の処理を行っている、仙台港資源化センターを見学させてもらいました。

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▲空き缶、空き瓶を選別機に入れ、ブロック状に圧縮しています

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▲発泡スチロールを発泡溶融機に入れて、容積を減らします

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▲大量のビニール袋でできたブロック

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▲資源物を回収するトラック

現場には回収トラックと、発泡スチロールや空き缶、ペットボトル、使用済みのビニール袋を大量に圧縮した立方体の山が並んでいました。工場内にある倉庫の奥へ行くと、破砕した機密文書でできた140㎝四方のブロックが。施設内は、資源物がリサイクルに適した状態に加工されたものでいっぱいです。

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▲機密文書の破砕作業が済んだ古紙の山

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▲産業廃棄物として回収したプリンターとコピー機も置いてあります

「こういった産業廃棄物は部分ごとに素材が違うものが含まれているんですよ。」と小幡課長。リサイクル可能なブロック型に加工する前に、きちんと素材ごとに分けるため、出来るだけ機械を使用せず、手作業で分解するそうです。黙々と作業をこなし、汗を流す社員のみなさんの姿は、とても凛々しく見えました。回収作業からリサイクルの工程までの流れは、根気と体力の勝負。リサイクルで地域貢献を果たそうとしているプロの仕事ぶりを肌で感じました。リサイクルの前線で精を出す社員の取り組みがあるからこそ、私生活や企業活動から排出される資源物が、また新しいものに生まれ変わる。この工場は、そう思えるような舞台でした。

社員は宝!「やりたいこと」を「できること」に

「社員を大切にする姿勢も大事にしています」と小幡課長。サイコーでは社員自身の力を伸ばすための「自力プロジェクト」を2010年から導入しました。上司との面談の中で、社員は自分がやりたいことを伝え、上司はその意見を尊重することからスタート。その後、定期的に行われる面談の度に、目標を達成するために取り組んできたことを聞いて、アドバイスをするそうです。「これのおかげで、考え方や具体的な計画の立て方が身に付きました」と池端さんは言います。

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会社内の部活動のような立ち位置である「CD(顧客感動)委員会」も存在しています。お客様に感動してもらうためのサービスの考案や、社員の身だしなみについてなどが掲載されたマニュアルの作成等を行っていて、各部署から1名ずつ選出して組織しています。これまでに、実際にあったお客様とのやり取りを投稿してもらい、そのエピソードを全社員で共有する「サイコーグッドニュース」や、会社を訪問したお客様へ提供するフリードリンクサービスを考案、実施。社員が作り出したアイディアであるため、会社内でも共有しやすいそうです。

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▲「サイコ―グッドニュース」の投稿ボックスと事例集

 またWEBサイトでは、社員がインタビュアーになって他の社員を紹介する記事を更新しています。社員同士の交流を深めるほか、その人の業務内容や目標を知る手段になっているそう。普段知ることの出来なかった一面が記事を通して明らかになることもあり、記事のことで社員間の会話が弾むとのことでした。

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▲サイコーのWEBサイト「あっ、サイコーだ。〜社員紹介〜」で記事が閲覧できます。

 自分のやりたいことを自分のできることへと発展させるためには、それ相応の時間と努力が必要。その道のりを乗り越えていくために、上司の方とのやり取りは社員にとって大きな助けになると感じます。さらに、その価値観や目標を他の社員にも共有できる仕組みがあることで、より社内の一体感が強まっていくのですね!

薄れることのない、地元への想い

創業当初から、ずっと「地元への感謝の気持ち」を忘れないように心がけているというサイコ―。その想いを胸に、小・中学生の職場体験を受け入れたり、冬には本社前にクリスマスイルミネーションをするなど、地域貢献活動にも力を入れているそうです。

そのひとつとして、毎週金曜日にずっと続けているのが清掃活動です。岩切駅付近と本社・事業所周辺の、ポイ捨てされた空き缶やペットボトルを始め、たばこの吸い殻などを社員で抜かりなく回収しています。清掃活動の時間も終盤にもなると、持っていた袋から溢れるほどのゴミを持ち帰ってくる社員も中にはいるそう。また、仙台中央資源化センター付近ではTVやビデオなど、普段の道中では見かけないものも落ちているとのことでした。他のイベントとの兼ね合いによっては、それ以外のエリアでも清掃活動を実施。今年の3月に開催された国連防災世界会議の期間中には、JR仙台駅周辺の清掃活動にも参加したそうです。
地元への感謝の気持ちと同時に、もっと地元を良くしていきたいという想いが背景にあるからこそ、社員一丸となって熱心に取り組んでいると感じました。

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▲歩道橋で清掃活動をしている様子

「感動」を届け続ける

「社員が能力と個性を発揮し、お客様に感動していただける企業であること」という経営方針が、サイコ―にはあります。その言葉が表す通り、社員とお客様を大切にしている姿勢が取材から直に伝わってきました。「ジリキプロジェクト」、「CD委員会」といった取り組みが、社員のパフォーマンスの向上を促進し、仕事に対してのやりがいを大きくしています。
取材に訪れた時、応接室に案内してもらい席に着くと、そこにはなんと自分の名前入りのティッシュがありました。予想もしていなかったことなので、とても感激。これは、お客様が訪れた時に行っているそうなのですが、取材として訪問した私たち学生にもプレゼントして頂けるとは思いませんでした。会社の日常の何気ない一場面に、お客様に感動を届けるポイントがある。そこを見逃さないサイコー社員は、経営方針の通りのパフォーマンスをできていると思いました。
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就職活動の時だけでなく、普段の私生活でも「自分が得意としていることはなんだろう」と考えている時があります。自分の長所を自覚しないことには、そこから出来ることは何一つ見出せないし、結果も生まれない。そう思っていましたが、サイコ―のみなさんがお客様に「感動してもらいたい」という思いで一日一日の努力を積み重ねている姿を見て、本当に必要だったのは一歩前に進むための勇気だと実感。自分のやりたいことから目を背けず、そのための努力と時間を費やすことが「自力」を高める唯一の方法だと、改めて考えることが出来ました。
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小幡竜一小幡竜一東北工業大学3年(執筆当時)
文章:小幡竜一(東北工業大学4年)
写真:及川愛結(宮城学院女子大学3年)
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株式会社サイコー
http://kk-saikoh.co.jp/