非バトルタイプコワーキングスペース、『ノラヤ』に行ってみた!
命の恩人にご挨拶
前回ノリと勢いで実施した企画「仙台いろは」。そこでライター根本を救う情報を提供してくださった@monya_kataさん(本名:宗形さん)が、「コワーキングスペース」を開設したということをお聞きし、先日のお礼も含めてさっそく取材に訪れてみることにしました。
根本
ツイッターをこよなく愛するsnsジャンキー。最近弟より背が低い事が発覚。
ノラヤに潜入!
Googleアースで調べつつ、ノラヤ近辺の住所にたどり着くとオシャレな扉が!
いい感じの入口だなぁと思いつつ自動ドアの前に立ちますが、
困ったことにドアは根本に反応しません。
「そうそう、自動ドアに反応されないタイプなんだよな、俺」
若干凹みつつ扉をよく見ると
『手動ドア 横に引いてください→』
「しゅ、手動ドアだッ」
ノラヤさん、入口から私の想像を超えてきました。
これは入口からかなり面白そうな場所です。
頑丈そうな取っ手をつかみ横に引くと、
本棚、コンセントにテント(!)が。
想像以上のフリーダムスペースに面食らっていると、
管理人の宗形晶子さんが声をかけてきてくれました。
こんにちは
※ノラヤのオーナー。ITとアートを中心に、がんばる人を手助けする個人事業主。主婦。
あ、こんにちは!いやぁ、入口の手動ドア素敵ですね
あー、はじめは自動にしてたんだけどね、反応悪いし電気使うから手動でいいかなって
なるほど…!置いてあるインテリアも素晴らしいですね。特にこのテントなんか
疲れたらそちらで寝ててもらっていいですよー
中にはクッションとカーペットも完備。
少し寝かせてもらったのですがとっても快適でした。
床にコードが散乱していて引っかかる、みたいなのが嫌なんですよ
あーなるほど。このランプもいいかんじですね
これ、骨董品屋で見つけて気に入ってるんです。古風な灯がほしいなと思って
古風な灯かぁ、いいですねー
宗形さんにノラヤを紹介していただいているとお客様が。
市民科学者…!?
津田さん
こんにちは※自称、科学忍者隊。「べこらぼ仙台」にて、一般の方向けの放射能測定を実施中。
津田さんも寄稿されてる「カセットコンロ1台で作れるかんたん! サバイバルごはん」。エフエム仙台が開催している「サバ・メシ*コンテスト」の入賞レシピを収録。
サバイバルご飯、ですか
ノラヤには個性豊かなお客様がふらりと訪れるようです。
ここからは管理人の宗形さんにノラヤについてのお話を。
「非バトルタイプコワーキングスペース」って?
そうですねー話せばすごく長くなりそうなんですけど
いやーぜひ、お聞きしたいので
自分がコワーキングスペースをずっと作りたいと思って活動していて、それが仙台で一番早かったと思うんですね、2012年の2月くらいだったんですけれど
はい
うーん、話せばすごく長くなるなぁ(笑) ……元々シェアオフィスにいて、そこを出たタイミングで、『自分の好きな仕事場を作ろう!』と思ったんですね。自分はひとりで自営業をやってて、『自宅兼事務所』みたいな感じで自宅の一室を仕事場にしてたんですけど、それで不満はなかったけど、みんな事務所を借りてるのがうらやましくて
あーなるほど、事務所があると仕事してるって感じが
事務所があって、そこで仕事して、って感じがいいなぁと思って。でもみんな稼いでるから事務所が借りられるわけですよね。でも私は稼げてなくて、それでも自分の家ではないどこかで仕事がしたいなと思ってて、レンタルデスクも借りたしシェアオフィスも借りたりしたんですけど、でも、なんか違うなぁと思って
うん、うん
当時はカフェとかにも電源はなかったし。どっか行ってパソコン持ち込んで、電源もWi-Fiも心配なくて、長居できるような場所があるといいなぁと思って。『よし、そういう場所を作ろう』と思ってプロジェクトがスタートしました
そうだったんですね
なるほど、マジメ
マジメじゃないんですよ、私
(笑) 他の人が作ろうとしているコワーキングスペースは、かなりマジメに見えたと
そうですね。話を聞くとみんな『コワーキングスペースで何かをしたい』っていう人が多くて
あー、ある意味、目的意識がすごくはっきりしているというか
そうですねー、『この場所から何かを生み出そう!!』という気合がみんなすごいんですよ
あーはい、確かに確かに
そこに私は違和感があって。こう、無理に生み出さなくてもいいんじゃないかと
なるほど
なんか積極的に『○○セミナー』をやってメンバー層の意識を高めて、みたいな
あー、それは僕も苦手だなぁ(笑)
若手じゃなくていいし、起業しなくていいし、コラボして仕事も……したきゃしたでいいけど(笑) しなくてもいいし。そういうこと言うと『じゃあ何のためにコワーキングするの?』とか言われそうですけど
いやー、でも『一緒にいるからなんかやらなきゃいけない』と思っちゃうと、それってけっこう大変だなぁと思いますね。『一緒にいるけど一緒にいるだけだよ』って関係って心地よいなって思うんですよ
うん、そうなんですよ。仙台だけじゃなく全国でも、コワーキングスペースを作って何かを生み出そう、『ここを起業家の○○の場にしよう』みたいに気合入ってる人多いんですよ。でも私は『もっとゆるくていいなぁ』と思ってて(笑)自分自身若手でもないし起業家でもないし、『この場から新しい何かを!』とかそういう気負ったものもないし。でもなんとなくこう人が集まって、誰かがいて、というところで仕事をすると、やっぱりひとりでやるのとは全然違うんですよね
そうですね
捗るし、サボれないし(笑) ちょっと会話があったり、ぽつぽつとしゃべったことでも後で思いがけないところで役に立ったりして。そういう何気な~く一緒にいるのがいいんじゃないのかなぁと
うーん、たしかに
だから『戦わない』というのは、積極的に『仙台から世界へ!』とかそういうことは言わなくていいし、起業家でなくてもいいし、ニートとかフリーターとかでもいいし……ここを気の抜けた場所にしたかったんですね
はは(笑)
だから古本屋とかでずっと本読んでたりするんですけど、それがけっこう疲れるんですよね。そうすると家じゃないどこかで休まったらいいなってすごく思うんですよね。たとえば喫茶店とかって非常にハードルが高い。そこにパソコン持ち込んで仕事してる人がいたりするとさらになんか……怒られているような気がする
そうだね(笑)
そうなったときにゆる~くいられる場所があるといいなぁと思ってて。だから『ここに来たらこれをやらなくてはいけません』ということから解放されている場所というのは、すごく、僕はいいんじゃないかなぁと思います
うん。だから、ここで何かが生まれることがあるとしたら、私は特に何もせず、来た人同士でなんとなく会話してたら『じゃあ、今度いっしょにやる?』みたいな。そういうレベルでいいなぁと
うんうん。なるほどー。非バトルタイプコワーキングスペースには、こんな思いがあったんですね
どんな人に使ってほしい?
というか、『ここに来れば自分が何かしてもらえる』と思われると困る、という感じかなぁ。自分で何かしてもらえれば。これからここに本も増やしてこうと思うんだけど、本を読んでいくだけでもいいし。ご飯持ってきてパソコン開きつつ、ご飯食べて帰るみたいな、それでも全然いいし
なるほど
まぁ、常軌を逸してないレベルで変な人に来てほしいかな
それは誰のことを言ってるのかな(笑)
ノラヤのお客さんの津田さんも交えながら、インタビューは和やかに進みました。
あ、アナログTwitter。アナログでつぶやいてもらってます
そこにはみなさんの手書きの画像とコメントが。
非電化な感じが落ち着きますね。
入口そばのアナログツイッターに癒されつつ、今回の取材はこれで終了。コワーキングスペース・ノラヤさん、本当に独創的で面白いスペースです。
人によって「働き方」というのは本当にさまざまで、だからこそ働く場所も本当にさまざま。またひとつ、仙台の好きなところを見つけられた気がした取材でした。
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