今、会いに行けるフットサルチーム「ヴォスクオーレ仙台」
それがプロフットサルチーム「ヴォスクオーレ仙台」。「試合後、選手がお見送りしてくれて、握手や写真撮影も応じてくれる」「地域のイベントでも選手とふれあえる」「しかも選手がイケメン」。これは、まるで某アイドル!?
フットサルは全くのシロウト。しかし、元々スポーツ観戦が好きな私にとって興味をそそられないわけがない!ということで運営会社の「株式会社ヴォスクオーレ仙台」に訪問してきました。
ヴォスクオーレ仙台ってこんな会社
株式会社ヴォスクオーレ仙台は2014年に設立された会社です。チーム自体は2012年に結成されましたが、2014-15年シーズンから、日本最高峰のフットサルリーグ「Fリーグ」に参戦と同時に法人化されました。
「BOSCO」とはイタリア語で杜という意味です。そこに勇気や情熱を表す「CUORE」を合わせ、さらに「BOSCO」の頭文字に勝利のシンボルであるVをかけた造語「VOSCUORE」がチーム名の由来になっています。また、「VOS」はラテン語で「あなた達の」という意味が込められています。「選手やスタッフだけでなく、日頃から応援してくれるファンや地域の方々も一丸になってチームをつくりあげていくという思いがこめられているんです」と話すのは代表取締役社長の鈴木英寿さん(39)です。
社員数は13名です。フットサルチーム「ヴォスクオーレ仙台」の運営の他、オリジナルグッズの販売、小学生にフットサルを教えるスクールの展開をしています。スクールは名取市にあり、現在の生徒数は約60名。フットサルを地域に広めるイベントも多数行っています。
黄色と緑がヴォスクオーレのイメージカラーです。1番人気のグッズはマフラータオル。ヴォスクオーレのロゴがカッコいい!
仙台発!スポーツの力で町おこし
チーム名の由来にもあるようにヴォスクオーレ仙台では「地域とのつながり」を第一にしています。具体的なかかわり方としては大きく分けて3つあります。
1つ目が「ホームゲームの運営」。2014-15シーズンでは仙台市体育館を中心に、ホームゲームを11試合行いました。ヴォスクオーレ仙台のメイン事業でもある試合の運営です。「フットサルを見ていただくことで、地域のみなさんに喜んでいただけたら」と鈴木さんは話します。
2つ目が「子どもたちとの交流」。ヴォスクオーレ仙台ではスクールで小学生にフットサルを教えているほか、最低月に1度は「復興支援」として被災地を中心とした宮城県内の小中学校を訪問し、フットサルで交流を図っています。「子どもたちに少しでも希望を持ってほしい」との思いから
1月には「東北人魂を持つj選手の会」という団体と一緒にイベントを開きました。過去にプレーしていたプロのサッカー選手やフットサル選手を呼び、子どもたちとサッカーを通じて交流しました。
2月には石巻市の渡波中学校を訪問し、子どもたちとフットサルを行いました。
フットサルの魅力は何といっても「手軽さ」。ボールを蹴るスポーツという意味ではサッカーと同じですが、使うボールがサッカーよりも一回り小さかったり、コートの広さも9分の1の広さであるなど細かなルールが違います。1チーム5人でできる上に交代も無制限でできるので運動量の面やスペース、人員の面からサッカーよりも手軽にできる、というメリットを存分に活かしています。
3つ目が「支援者との交流」です。ヴォスクオーレを支えてくれているスポンサーのほとんどが地元仙台の企業です。「支援者とともに歩んでいるということを頭においていて、本当に感謝しています業種の垣根を越えて、恩返ししていきたい」と鈴木さんは力を込めます。青葉区民まつりに出たり、スポンサー主催のイベントの手伝いやゲストとして積極的に出向きます。呼ばれたら、できる限りイベントには行くようにしています。
縁の下の力持ち!運営スタッフの1日に密着!
ヴォスクオーレ仙台のファンからはこのような声を耳にすることが多かったんです。
「ヴォスクオーレの魅力は何といっても、運営スタッフだよね。試合を盛り上げようという姿勢が素晴らしいから、試合に行ったらスタッフに注目してみるといいよ」。
スタッフのどんな所が素晴らしいんだろう?疑問に感じた私は実際にヴォスクオーレの試合に行ってみました!
仙台市営地下鉄富沢駅を降りて歩くこと5分。試合会場となる、仙台市体育館に到着しました。
総勢50名ほどの運営スタッフは社員の他に学生を中心のボランティアで構成されています。
試合開始は14時ですが、午前10時には多くのスタッフが会場に到着し、準備を進めていました。
MCや演出のスタッフも本番に向けて入念に打ち合わせを行います。
ホーム最終戦ということで、鈴木さん自らもグッズ販売を行います。
正午の開場に向けて着々と準備が進む一方で当日チケットを求める人々が列を作ります。
お客さんをどう誘導するか、試合中はどう動くか何度も何度も打ち合わせをします。
正午になると入場を開始します。続々とお客さんがやってきます。
スタッフはお客さんの対応など、右に左に大忙しながら笑顔でお出迎えします。
試合開始直前にはボランティアスタッフの1人に直撃取材してみました。
写真手前の女の子は、仙台東高校3年の加藤百華さん(18)です!チケット確認の業務をしていました。加藤さんは将来世界を飛び回るような仕事に就きたいと考えているそう。そのために、多くのことを今のうちから見聞きしておきたいとの思いでボランティアをするようになりました。「生で試合を見られるということで今からワクワクしています」とにっこり。
「フットサル部の高校生やスポーツ関係の仕事に就きたい地元大学生がボランティアの主力となっています。自己実現のためにやっている子が多い。まずはスタッフとして定着していただけたら嬉しいです」と鈴木さんは言います。
試合終了後、ホーム最終戦ということでセレモニーが行われました。試合は負けてしまいましたが、ヴォスクオーレはまだできたばかりのチーム。来年に向けての決意を鈴木社長と監督が語ります。
千葉直樹選手をはじめ、選手たちのサインや握手を求め、多くのファンが並びます。
「今回のアシストよかったよ」。
「いつも来てくれてありがとう。お子さん大きくなりましたね。また来てくださいね」。
選手とファンの距離の短さを感じられます。
一方で、スタッフは急ピッチで撤去作業をすすめます。
お客さんが1人もいなくなったらミーティングが始まります。
ヴォスクオーレスタッフの間では恒例となっているミーティング。業務の反省点を話して次に生かすことを目的に作られた場です。「せーの!ヴォスクオーレ」の掛け声とともに試合後に行われます。
試合後、静まり返った体育館の真ん中で鈴木さんが「サッカーしようぜ」とスタッフに声をかけます。それを聞いて高校生スタッフの1人が笑みを浮かべボールをけり始めます。スタッフ全員が着の身着のまま夢中になってサッカーを始めます。
「スタッフとコミュニケーションをとるということを大事にしているんです。試合終了後にはいつもみんなでサッカーをしたりするし、ボランティアの子をご飯に連れて行くことも多いです」。
「常にユニークな存在でありたい」敏腕社長の考えるチームの姿
ヴォスクオーレではチームの知名度向上のためにビラ配りや地域のイベント出場などを積極的に行っているそう。「選手のホームタウンである仙台市、特にもっとも多くの試合を行っている太白区からつながりを増やしたい」と話す鈴木さん。
まずは鈴木さんの出身地でもある太白区の街を元気にすること。そこから仙台、宮城、東北の活性化が広まっていくと言います。
「そのためには、ユニークな存在であり続けたい」と鈴木社長は力を込めました。地域のイベントにより多く顔を出す。チアやファンサービス、町おこしの面でも今までにないチーム像を目指しているそう。
ヴォスクオーレ名物「試合後のお見送り」はその1つです。
「来てくれてありがとう」という感謝の気持ちとともに、「また来てほしい」という思いを伝える目的もあります。観客側にとっても「お目当て」の選手に会いに行くという楽しみもできます。
まさに“会いに行ける選手”!
ファンとともに歩む
Fリーグ参戦の初年度を終え、12チーム中11位となかなか結果が出せなかったヴォスクオーレ仙台。苦しい日々が続く中、鈴木さんは「確実にチームとして成長の手ごたえをつかめた1年だった」と話します。
アウェーで貴重な勝利を収めたほか、スポンサーや株主の増加といった支援の輪も着実に広がっています。「地域を元気にしたい」という鈴木さんの思いが確実に実を結んでいます。
一方Fリーグに参戦したことで、課題も見えてきました。鈴木さんは「フットサルそのものを充実させたい」と言います。
競技の面ではもちろんですが、新しいグッズの開発やファンサービスの充実など「ファン」を大切にするための試合作りを来シーズンからいっそう心掛けていきたい、とのこと。
「ヴォスクオーレ好きだよ。って多くの人に言ってもらえるチームにしたいですね。そのために今はスタッフみんなで汗をかきながらチームを盛り上げたいです」。
住所 | 宮城県仙台市太白区長町5-13-27 2階 |
電話番号 | 022-393-6141 |
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