掃除で床も心もピカピカに磨き上げる!「ファミリーメイト」
けれど、この汚れは入居前には綺麗さっぱりなくなっています。一体どんな方法を使ったのか、気になって仕方がありません。そこで今回は、町のお掃除屋さん「ファミリーメイト」にお邪魔して、話を聞いてきました!
ファミリーメイトってこんな会社
ファミリーメイトの本社は、仙台市泉区歩坂町の閑静な住宅街にあります。1986年に先代社長で、現相談役の安藤将信さん(70)が、「人の役に立つ仕事がしたい」と家族や周辺住民と一緒に家事手伝い業として始めた会社です。社名には「自分たちが、お客さまにとって家族のように、あらゆる面を支えるサービスを心掛けた仕事がしたい」という意味を込めています。
その後、掃除作業の丁寧さが評判となり、清掃業へ業態を変化させてきました。現在は、2代目社長の安藤真史さん(41)が父・将信さんの「金額の高い安いに関係なく、今できる最高のサービスを提供する」という理念を受け継ぎました。7人の正社員と42人のパート・アルバイト社員で、仙台市を中心に東北地方の清掃業務を行っています。
契約数は年間で、一般家庭が約300件、法人関係が40~50件あります。主な業務は、建物クリーニングです。一般家庭の換気扇掃除やハウスクリーニング、ビルの床のワックスがけ、エアコンクリーニングなどを手がけます。部屋の中で目に付くところから、見えないところまで隅々と掃除をしています。
お客さんの「困りごと」を解決する
ファミリーメイトには、建物クリーニングのほかに「特殊メンテナンス」と「床面滑り止め」の2つの事業があります。2つの事業は、「今あるものに手を加えることで長持ちさせること」と「既存のものを効果的に活用すること」をコンセプトにしています。
「毎年1つ、新しいサービスを取り入れるようにしています」と真史さん。新たなサービスは、建物クリーニングの仕事をしている際に聞いた、お客さんの“困りごと”をヒントにして生まれます。
例えばUVコーティングです。床に紫外線を照射して、塗料を硬化させる特殊な方法で施工します。
普通のワックスと比べると、剥がれにくくて丈夫なのが特徴です。汚れにくく、傷のつきにくい床になります。高速道路のサービスエリアなど「多くの人が使う床の艶を長持ちさせてほしい」というお客さんの要望を受けて導入しました。
比べてみると一目瞭然です。左のフローリングもワックスを塗っているのですが、右のUVコーティングと艶加減が全然違います。触ってみると、鏡のように表面がツルツル。月に1回行っていたサービスエリアのワックス掛けが、3~4カ月に1回になりました。
「でも、それって仕事が減りますよね。会社泣かせの商品なのでは?」と尋ねると、真史さんは「そうなんです。でも、やっぱりお客さんには気持ちよく使ってほしいから」と笑顔で一言。お客さんの喜びを1番に考えて、同業者や仕入先と「何かいい商品はないか」と積極的に情報交換をしています。
他の特殊メンテナンスには、高圧スチーム洗浄があります。洗剤を一切使わずに、高圧高温のスチームで床をピカピカに磨き上げることができます。マンションのエントランスや廊下など「洗剤の汚水を捨てにくいところでの清掃もしてほしい」という声を受けて、2010年に導入しました。仙台市内では、3社しか持っていない技術です。
※音量注意!
もう1つ力を入れている事業が床面滑り止め。主力商品は、スリップガードシステム(SGS)です。SGSは、床が原因で雨の日に転んで怪我をするというお客さんの“困りごと”から生まれました。
ぬれると滑りやすくなる床に特殊な洗剤を使い、スギ花粉の10分の1ほどのサイズの小さな穴を空けます。成人男性の片足の面積あたり6万個以上ある穴が生み出す「吸着力」が、滑りにくい床を作る。いわば「床面をスタッドレスタイヤのようにする」施工方法です!
実際に、霧吹きで水をかけた床面に靴を押し当ててみました。表面はほとんど変わりがないのですが、施工した床は、かなり力を入れているのに、びくともしません。最近は、介護施設の風呂場など、転倒事故の危険性が高い場所での起用が増えています。
SGSには、業界初の5年間の施工保証を付けています。理由を伺うと「本当に効果があるのか。またどのくらい持続するのか?お客さまも最初は半信半疑。あくまでお客さまに安心して頂くためです。効果は5年以上持続しますよ」と真史さん。これもお客さん目線に立ったサービスです。
環境配慮が心をきれいにする
ファミリーメイトは環境問題に積極的に取り組んでいます。「きれいになっても、自分勝手に強い洗剤を大量に使っていてはダメだ」と強く感じたのは7年前に経営理念を作った時です。これまでの自分たちの取り組みを振り返って、「見た目だけを綺麗にする清掃」を見直しました。「掃除とは心をきれいにするものだ。見た目もそうだが、私たちの仕事を見て、お客さんの心も清らかになってほしい」と考えるようになったと言います。
経営理念に込めた想いは、扱うサービスにも変化を与えてきました。例えば、特殊メンテナンスの「クロスガード・エコTi」は、内装工事のごみを減らすことを1つの目的としています。
この商品は、塗るタイプの壁紙です。従来は壁紙を全て剥がして張り替えるため、大量のごみが出ました。一方、クロスガード・エコTiは壁に上乗せすることで臭いや汚れを消しています。ごみが少量に抑えられる環境にやさしい施工サービスです。
近年は、お客さんの目につかないところにも気を配るようになりました。2013年から、社内の3S活動を徹底しています。3Sは「整理・整頓・清掃」の頭文字をとった略語です。使わないものは例外なく全て捨て、「何を、どこに、どれくらい置くのか」をきちんと決め、毎日欠かさず清掃しています。事務所の棚にはキャスターがついて可動式になっているので、小まめに動かしてほこりを取り除いているそうです。
驚いたのは、真史さんの机の整然さ!物のひとつひとつに配置が決められています。こんなところにまで3S活動を徹底するとは…。
同じように清掃用具をしまう倉庫の中もきちんと整頓されていました。「お客さんが見るわけじゃないけど、清掃業の会社が汚いのは、やっぱり説得力がないよな」と真史さんは話します。
いまでは、誰が見てもどこに何があるのかわかるため、探す手間が省けて作業準備の時間短縮に繋がっています。
地元への感謝を忘れない
ファミリーメイトでは、毎月第1土曜日を「歩坂町感謝デイ」と名付け、午前7時30分から約30分、町内のゴミ拾いをしています。2007年から全社員と参加できるパート・アルバイトで行ってきました。「うちの会社の得意なことで地域へ恩返ししたい」と話す真史さん。清掃を通じて、地元住民へ感謝の意を示してきました
「歩坂町感謝デイ」以外にも、年に2回、町の集会場の窓掃除やトイレ清掃、床洗浄をしています。お年寄りの多い歩坂町で集会場の高い窓の掃除をできる人がいないこともあり、ほこり取りや窓拭きをしています。「うちのような中小企業は、地元の人から仕事をもらっていることを忘れてはいけない」と話します。歩坂町から始めて、この地域の人に支えられてきたことに対して感謝を込めて行っている取り組みです。
全社一丸で洗剤ゼロの清掃を目指す
今後は、さらに人と地球に優しい建物メンテナンスを目指していきます。第一歩として、今春から水道水を電気分解して、洗剤として使える強アルカリ性の水を生成する機械を導入します。電解水は汚れに反応すると元の水に戻るので、残留洗剤が汚れの原因を生むというリスクを防ぐことができます。
また、薬品アレルギーがある子どもがいる家庭でも安心して作業ができるようになります。これからも、お客さんの困りごとに応えられるように全社一丸で業務にあたります。
全社一丸になるためには、パート・アルバイトを含む、社員全体の意思疎通が重要です。特に、現場で作業にあたるパートとの関係づくりはサービスの質に影響します。真史さんは、時間があるときはなるべく清掃の現場に足を運んでいます。
「少しでも話す機会を作りたい」と真史さん。毎月、全パート・アルバイト社員の清掃現場を回り、給与明細を手渡しています。「今月もご苦労さまです」と労をねぎらい、少しでもお互いに意見や要望を言いやすい環境づくりに努めてきました。「社長だから、お客さんだけでなく、これからは社員も幸せにしていかないと」と力を込めていました。
4月から社会人になるので、大学生活の不摂生ですさみ気味な心と身体を清める意味でも、毎日少しずつ部屋の掃除をしようと心に決めました。
資本金 | 3,000万円 |
住所 | 宮城県仙台市泉区歩坂町40-7 |
電話番号 | 022-375-0506 |
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