学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

アイデアで勝負する!「感動コーポレーション」

野上貴 野上貴
821 views 2014.12.26
野上貴 野上貴 山形大学4年(執筆当時)
学生記者を始めて、もうすぐ1年経ちます。記事を書くことを通して、それまでより注意深く言葉を選ぶようになりました。
活動を続けていくうちに「同じように文字を扱う仕事を取材したい」と思うようになりました。取材先を探しているうちに、目に留まったのはデザイン制作会社の「感動コーポレーション」という変わった社名。感動?面白そうな匂いがするな。社名に惹かれるがまま、話を聞きに行ってきました!

感動コーポレーションって、こんな会社!

感動コーポレーションは1989年創業。印刷会社のデザイナーだった、現社長の小野寺豊さんが「デザイナーとお客さんが対面して、制作したい」という思いから起業しました。
社名の由来は、詩人の相田みつをの「感動とは感じて動くと書くんだなぁ」という言葉から着想を得ています。事業を通じて、取引先の企業とその企業の商品を買う消費者に感動を届ける、デザイン制作を目指しています。

ikesya_cando1

主にパンフレットや名刺、カレンダーなど印刷物の制作、ホームページのデザインの企画・制作のほか、IT・ソーシャル関係のセミナーやブランディングのセミナーも開催しています。

野上貴野上
「デザイン制作に加えて、セミナーまで?何の会社なのか分かりにくいのですが…」

小野寺大BS事業部 小野寺大(ひろし)さん
「ひとことで言うと、企業の販売促進支援の会社です!」

ikesya_cando2

BSはビジネスサポートの略語で、顧客が抱える課題や、顧客が商品を売るために消費者のニーズを探り、その解決方法を提案しています。いわゆる営業部です。営業活動を経て商談が成立すると、デザイナーが制作し、できた制作物を納品します。現在は、デザイナー職4人、営業職2人で事業にあたっています。

仙台の企業魅力3つ

ガチンコ必至!顧客の要望を超える

「商業デザインにおいて、心に残るデザインとは、目的が明確なデザイン」と小野寺さんは話します。感動コーポレーションの営業は、顧客の商品の特性や消費者のターゲットを明確にすることから始まります。「この商品は誰に、どんなふうに使ってほしいのか」を取引先の企業と話し合い、一緒に売り方を考えていきます。「お客さまに言われたこと以上の提案をするように心がけています」と小野寺さん。ときには顧客と言い合いになることも覚悟で、ダメ出しもすることもあるそうです。

ikesya_cando8

ikesya_cando9

例えば、取引先が用意した案は「あれもこれも入れたい」と紙にぎっしり情報が入った字の細かいチラシでした。それを見て小野寺さんは「このチラシを見る多くの人は50~60歳の方ですよね。きっと読みにくいと思います」と切り出します。その後、最低限必要な情報だけ載せることを提案しました。相手企業の発展を真剣に考えるから、営業活動に熱が入ります。

「うちはアイデア勝負なところが面白い。凝ったアイデアは高い価値がある。だからと言って見積もりが高すぎれば売れない」と小野寺さん。料金設定を自分の裁量でできることが仕事の面白さだと語ります。自身の腕が試されることが仕事のやりがいにつながっています。

違いは企画力!?

インターネットなどに無料で使えるデザインフォーマットが豊富になり、誰でも簡単にデザインができるようになった現在。「プロと素人とのデザインの違いは企画力」と小野寺さんは話します。

そこで、名刺でプロの仕事をみてみました。プロは名刺にいかに、自分や会社の情報を伝えるかを考えて制作しています。例えば、私の名刺を見て「写真がないと印象に残らないと思います。特に多くの人と名刺交換をする場で使用するなら、おそらく忘れられてしまうでしょう」と小野寺さんは指摘します。

ikesya_cando7

一方、小野寺さんの名刺は事業内容を8ページにまとめたパンフレット風の名刺です。名刺交換のときに「何の会社かわからない」と言われることが多いため、一目で何をやっている会社なのか分かる名刺を作りました。

一見「やりすぎじゃないか」と思ってしまう名刺に、制作側の意図がきちんと含まれています。「10枚くらいしか名刺入れに入らないのが難点ですが」と小野寺さん。自虐的に話しながらも説得力がありました。

ikesya_cando3

「アイデアを出すために日頃からアンテナを張っています」と小野寺さんは話します。名刺のアイデアは、日常で交換して印象に残っている名刺のデザインを参考にしているそう。裏面が爪磨きになっているネイリストの名刺や役員全員の名刺を合わせると1つの絵になるコンプリート型の名刺など、日頃からアイデアのネタを蓄えています。

自分本位ではないデザインを目指す

感動コーポレーションでは、1人のデザイナーが1ヶ月あたり十数件、パンフレットなどのデザインを手がけます。取引先企業の依頼を、営業のアドバイスをもとに制作を進めていきます。

「気を付けているのは、自分本位にならないこと。いいデザインは、違和感がない」と入社2年目、デザイナーの櫻井菜摘さんは話します。自分が良いと感じるものはお客さまの要望に沿ったものか、行間や文字の大きさが適切か、疑問が残らず読めるか。自分に問いかけながら、いつも制作にあたっています。

ikesya_cando4

感動コーポレーションでは、朝礼で今日の目標や昨日の気づき、感謝を社員全員で共有する時間を設けています。自分のやるべきことや気になる点を整理しておくことで、より効率のいい仕事ができる環境を整えています。ちなみに、櫻井さんの今日の目標は「生産的な行動を心がける」。あれこれ手を出さずに1つの案件に集中して仕事をすることで無駄なく時間を使うことを心がけて仕事をしていました。

ikesya_cando5

最後に、就職活動を控える学生へメッセージをいただきました。「最近は、やりたいことがないという学生が多いと思いますが、やりたいことじゃなくて、自分は何を頑張れるのかで仕事を探すといいと思います」。櫻井さんからのエールです。

つながりを新たなビジネスへ

「今後はホームページのデザイン・管理を任せてもらうなど、委託型の業務を増やして固定収益が得られるようにしたい」と小野寺さんは語ります。デザインして制作物を提供する仕事を主体にしていると、定期的に収益が入るわけではないため、経営が不安定になるそうです。

また、最近は小野寺さんが主催の「仙台IT飲み会」や「セミナー」にも力を入れています。「仙台IT飲み会」はホームページ制作会の社員やウェブデザイナーなどIT関係者たちが、売上を上げるための情報交換や人脈づくりをする交流の場です。今後は、人とのつながりを駆使して、企業と企業の仲介になって新たなビジネスパートナーを生み出す、マッチビジネス事業を展開するつもりです。

ikesya_cando6

取引先の企業の販売力促進のために、幅広い手法で提案できるように、サービスの種類を増やしています。

「ますます何の会社なのかわからなくなりそうですね」と問いかけると、「そうですね。また、名刺を作り変えないと」と小野寺さんは笑いました。

小野寺さんと櫻井さんに共通していたのは「日頃からアンテナを張って生活をしている」ということです。良いアイデアやデザインには自然と目が行くと言う2人の話を聞いて、仕事に対して貪欲だな、という印象を持ちました。それはきっと「いい仕事がしたい」という思いが根底にあるからだと思いました。もっと良いものをお客さんに提供したいから、貪欲になる。何もないところから、何かを作り出すための、飽くなき挑戦を確信しました!

野上貴野上貴山形大学4年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
next_action

株式会社感動コーポレーション
http://www.wecando.co.jp/
従業員数6名
住所宮城県仙台市青葉区一番町2-2-8 IKIビル5階
電話番号022-215-3177