学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

こだわりの味を守り続ける!牛たん加工専門会社「キスケフーズ」

高橋夏海 高橋夏海
2,754 views 2015.01.05
高橋夏海 高橋夏海 東北福祉大学3年(執筆当時)
仙台で有名な食べ物といったら、やっぱり牛たんですよね。仙台牛たんの特徴といえば、あの厚さ、歯ごたえ…!食べるたびに「仙台に生まれてよかったー」と思います。そんな私の次の取材先は、牛たんの加工を専門とする「株式会社キスケフーズ」です!私たちがお店で食べる、仙台名物の牛たんになるまでの工程を徹底取材してきました!

キスケフーズって、こんな会社!

牛たん焼の名店「味の牛たん 喜助」をご存知ですか。仙台市内に7店舗、お土産専門店を含めると9店舗、さらには関東や大阪にもお店があり、「仙台名物」として全国に仙台牛たんを広めているのです。その「喜助」の牛たんの加工を専門とする会社が、株式会社キスケフーズです。

喜助の各店舗で出される牛たん焼の味付けのほか、たくさんのお土産商品を作っています。特に人気なのは「職人仕込み牛たん」(130g1500円※税別)。店頭販売のほか、インターネットでも購入できます。

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喜助は創業40年。キスケフーズは創業21年目。会社が大きくなるにつれ、大型工場と事務所を同じ場所にまとめることにし、今年10月、富谷町に移転しました。まだ看板もない新しい工場を見学してきました!

仙台の企業魅力3つ

厚さ6mm!塩は手振り!の職人技

さっそく白衣に着替え、工場長の佐藤正治さんの案内で工場へ。牛たんの加工場は1階にあり、そのまますぐに商品をトラックに入れて、配送できるようになっています。中に入ると4つの部屋に分かれていました。

第1加工室では牛たんの解凍、皮むき、カットなどを行います。

これが、まるごと1本の牛の舌!カットする前ってこんなに大きいんだ!驚いて、マスクの中で開いた口がふさがりません。重さも1.3~1.5kgもあり、ずっしり重いのです!

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大きな水槽に牛たんを入れて解凍。一つずつ丁寧に皮むきをしていきます。

大きなスライサーで牛たんをカットしています。キスケフーズの通常の牛たんの厚さは6mmと決まっています。

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職人が長年やってきた手の感覚で刃の角度を調整して6mmぴったりにカットするというから、すごい!

今は、刃の角度を固定して同じ厚さで切れる機械もありますが、熟練の職人さんいわく「こっちのほうが微妙な調整が、やりやすいんです」。さすが職人技!
同じ厚さの牛たんがどっさり!牛たん1本を20枚程度にスライスしているそうです。

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ところでなぜ6mmなの?
「食べたときに、牛たん本来の弾力、歯ごたえを感じてもらいたいからです」と佐藤さん。この厚さも、喜助の伝統なのだそう。

第2加工室では味付け、塩振りを行います。

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キスケフーズの味付けの特徴は、塩の手振り。職人が一枚一枚丁寧に塩を振っていきます。塩は、風味の良い赤穂の焼き塩。小さい牛たんには薄く、大きい牛たんには濃い目に。食べたときにどれも同じ塩加減にすることが大事だそうです。

勤続12年の総料理長、横山昇司さんは「牛たんの塩の濃淡が均等になることを常に気にしています。あとは、おいしくなあれ、おいしくなあれ、と願いを込めて振っています」。数日寝かせて熟成させ、牛たんの旨味を引き出すのはもちろんのこと、この職人さんの愛情こそが、おいしい牛たんの秘密かもしれません。

ikesya_kisuke6たれ味の牛たんもあります。特製のたれをまんべんなくまぶし、2~3日おくそうです。

ikesya_kisuke7各店舗に発送するために、箱に詰めて寝かせます。

ikesya_kisuke83つ目の部屋は、お土産販売用の牛たんを包装する製品発送室。

ikesya_kisuke9お歳暮の時期が一番忙しく、取引先のお店によって包装紙が違うので、確認しながら慎重に包みます。

最後は、トラックに詰め込む出荷準備室。牛たんの質が落ちないように5℃の寒い中、トラックに詰め込む作業をしていました。おいしい牛たんを届けるために、作業内容は違っても、働く皆さんそれぞれが真剣でした。もくもくと牛たんとにらめっこをして、熱中する姿に感動しました!

変わらない味を追い求めて、味のフィードバック!

専務取締役の大川原卓磨さん(35)に話を聞きました。

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明るくて、笑顔が素敵!牛たんの話になると真面目な顔になり、牛たんを熱く語る姿に仕事への真剣な姿勢が感じられます。

創業以来40年間、喜助の変わらない味を提供するために、「味の牛たん 喜助」の各店舗で毎朝、検食をしています。万が一、味が薄い、もしくは濃いなどの指摘があったときには、誰が味付けしたものか、すべて記録し、フィードバックして確認しています。「いつ食べても、『この味!』と感じてもらえるような、喜助ならではの味にこだわっています」と大川原さん。日々の厳しいチェックと職人のプロ意識によって伝統の味が守られ続けています。

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自然体のコミュニケーションで社員のやる気アップ!

会社を運営していく上で、一番大切なことは「働く人を大切にすること」と大川原さんは言います。

会社を順調に運営できるのは、資金があるからではなく、「牛たんをカットしたり、一枚一枚丁寧に塩を振る職人さんがいるから。一番感謝しなくてはいけないのは、牛たんを提供するまでに働いてくれている社員の皆さんなんです」。

社員との自然なコミュニケーションを常に心がけているそうです。忙しいときなど大川原さん自ら現場に入り、そこで働く社員のいいところを見つけたら、直接伝えているそう。
「初めは、僕が伝えたところで何も変わらないと思っていました。だけど、褒められた社員は喜び、さらに一生懸命に仕事に打ち込む姿を見て、声がけの大切さに気づきました」と話します。

「自然なコミュニケーションを通して、社員の要望やアイデアを汲み取っていきたいですね」とニコっと笑う大川原さん。私もそのさわやかな笑顔で褒められたい!(笑)

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新工場で生産量3倍!全国へ店舗展開

「うちは太助さんがなかったら牛たん屋を始めていませんでした」と大川原さん。
「太助」は牛たん焼の発祥の店として知られています。創業者である現取締役会長の大川原要さんは、太助の牛たんを一口食べるやいなや、そのおいしさに感激。その後、太助に足しげく通い、昭和50年にお店を出そうと考えました。出店する際、感謝の気持を込めて、「助」をもらい、たくさんの人に喜んでもらいたいという願いから『喜助』としたそうです。

「絶対に仙台名物になる!」。そう確信した要さんは、仙台駅前の店に「仙台名物・牛たん焼き」と書いた看板を掲げ、それが多くの人の目にとまり、一気に有名になりました。「仙台名物」と名乗った最初と言われています。

大川原さんは東京の大学を卒業し、そのまま、都内の婦人服売り場で働いていました。「すぐに会社を継ごうとも思わなかったし、父からも特に何も言われませんでした」。しかし、仙台を離れてみて「小さいときから当たり前のようにあった牛たんが、実は当たり前ではないことに気づきました」
キスケフーズは新しい大型工場によって、これまでの約3倍の牛たん商品を生産できるようになりました。それによって「喜助」も積極的に県外への出店を計っています。

「喜助のおいしい牛たんを全国のたくさんの人たちに食べてほしい」と大川原さん。キスケフーズは今日も職人たちの手によって“変わらない味”を守り続けます。

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仙台の牛たん専門店の中でも人気が高い「喜助」。その牛たん加工を担うキスケフーズでは大型機械を使い、大量生産をしていると勝手に思い込んでいました。しかし工場見学を通し、「人」の役割の大きさに驚きました。なんでも機械化されつつある現代。自分にしかできない仕事を手にし、一生懸命に牛たんと向き合っている姿に、キスケフーズで働く人の誇りを感じました。こんなに取材していたら、そろそろお腹がすいてきました。さっそく街に出て、牛たん焼きを食べに行こう!もちろん、喜助に!

高橋夏海高橋夏海東北福祉大学3年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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株式会社キスケフーズ
http://www.kisuke.co.jp/
資本金3,000,000円
住所宮城県黒川郡富谷町大清水1-32-12
電話番号022-725-7225