学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

えっ!これが畳!?洋室にも持ってこいの現代的な畳を提案する「彩匠堂」

葉坂真奈美 葉坂真奈美
2,802 views 2014.12.19
葉坂真奈美 葉坂真奈美 宮城学院女子大学(執筆当時)
みなさん、畳は好きですか?私は生まれてからずっと畳のある環境で育ってきました。畳は私にとって生活の一部です。しかし今年の4月から大学進学のため仙台へ。アパート生活を始め、慣れないフローリングと格闘する日々が続いています(固い!冷たい!ホコリがたまる!)。
そろそろ畳の温もりが恋しい…。そんな時に出会ったのが「彩匠堂」。定番の、い草でできた青い畳のほかに、何と「樹脂でできた洋室に合うデザインの畳」を扱っているのだそうです。畳好きとしてはとても気になる…ということで取材してきました!

彩匠堂って、こんな会社!

仙台市若林区の上飯田にある「彩匠堂」。
畳店らしからぬオシャレな外観に、お店を見逃してしまいそうになりました。

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「安達畳店」として昭和22年に創業。平成5年に、現在の2代目社長が「彩匠堂」へと名称を改めました。

「彩」=彩り豊かな商品をお客さまへ提供したい。
「匠」=お客さまに満足していただけるよう、常に技術を磨き続ける。

といった思いを込めているそうです。

総勢12名の社員のうち、5名が名取市にある自社工場で畳の製造に従事しています。彩匠堂は畳の製造・販売だけではなく、住宅のリフォームやリノベーションも請け負っています。

「クロスを張り替えたい」「水道の調子が悪いから見てほしい」

そんなお客さんの声に応えていくにつれ、20年程前から事業の一環となったそうです。お店へ入ると、い草の良い香りが鼻をくすぐります。まず目に飛び込んできたのは、まるで住宅展示場に迷い込んだかのような趣のある一角。

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ショールームの畳は、い草ではなく藤(トウ)という植物から作られています。よく見ると織柄が斜めのラインなのが分かります。

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触り心地はつるつる。早くも畳の魅力に引き込まれます。

仙台の企業魅力3つ

お客さんに合った畳を提案します!

畳のあれこれについて、営業部の部長からお話を伺いました。

まずは正統派の、い草でできた青い畳を紹介していただきます。1種類と思いがちなこの畳、実はカタログを用意するほどたくさんの種類があるんです!

営業部長:畳の値段は様々ですが、どこで違ってくるか分かりますか?

葉坂:うーん…分からないです。

そこで、お手頃品とある1枚6500円の畳と、同じ商品の上級品である1万3000円の畳のサンプルを両手で触って比較することに。見た目は大差がないように思えます。“違いの分からない女”を自負していますが、果たして…? 
(※価格は2014年取材当時のものです。現在変更になっている可能性があります。)

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…おお!びっくり!触感がまったく違います。

お手頃品の目はぺたんと平で、高級品の目はなめらかな波があるのが明らかに分かります。私でも分かります!

「はっきりと段がついているのは、長くて太いい草を使っているから。上質な畳の特徴です。このような畳を『目の積んだ畳』と言うんですよ」と営業部長。どんな畳を買い求めるかは、お客さんの経済状況や家のインテリアによって様々です。どの畳がその家に最も適しているのかを、社員が親身に相談にのることで、希望の畳を選ぶことができるのです。まさに畳のコンシェルジュですね!

フローリングとも調和する“新しい畳”

私が最も興味津々だった、「樹脂でできた洋室に合うデザインの畳」も紹介していただきました。ずばり今年登場したばかりの彩匠堂の新商品「アースカラー」です。カラーバリエーション・デザイン性にとても優れているこの商品は、8種類を展開しています。

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最大の特徴はい草ではなく「樹脂」でできていること。日焼けをしない、長持ちする、手入れが楽などの多くの利点があります。
高機能であることは張り替え回数の減少に繋がります。「畳屋泣かせの商品です」と営業部長。
しかし同時に「お客さんにとって良いものを提供することが大事。喜んでいただけるので」とも語ります。
洋風の住宅が増え畳離れが続く状況に、一石を投じる商品になりそうです。

アースカラーの1番人気はこちらの「ボルケーノ」。赤いラインが目を引くデザインです。

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縁がない仕様も、洋室に合わせやすいポイントになっています。また、薄さも特徴の一つです。一般的な畳の厚みの55~60mmに対してアースカラーの厚みは何とわずか6mm。この厚みでクッション性にも優れているというのだから驚きです。

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アースカラーの他にも、彩匠堂では多くの色とりどりの畳を取り扱っています。そこで私が気になった畳トップ3を紹介したいと思います!

3位 黒チェックの畳!

こちらも樹脂でできています。モダンな雰囲気の部屋に合いそうですね。

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2位 ピンクの畳!

ピンクと言っても落ち着いた色合いなので、年配のお客さんに人気らしいです。

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1位 何とデニム素材の畳!

表面の触感は完全にデニム。しかしこれもれっきとした畳です。何だか不思議…。

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畳PR大作戦スタート!

販路拡大のために、「一般の方々が知らない畳の魅力をアピールしたい」と話す営業部長。
そのために、営業部部長として様々な取り組みをしています。

その①

2010年に宮城県のローカル番組から取材を受けた際の映像を、DVDにしてお客さんに配布しています。5分程度の短さに編集されているので、会社と商品を簡潔にアピールすることができます。

その②

今年の11月に夢メッセみやぎで行われたビジネス展示会、「ビジネスマッチ東北」へ出展しました。「アースカラー」を新商品として紹介したところ、かなり良い反響があり、その場で買い求められたお客さんもいたそうです。

他にも会社のホームページを一新する、畳店と分かりづらい外観を何とかしようと店の外にのぼりを出すなど、細かい面にも気を配っています。営業部長は「畳を知ってもらうための活動はまだ始まったばかりで、今は模索段階。これからも弊社を売り込める場があったら、積極的に参加していくつもりです」と力を込めて話します。なるほど、今回取材に応じてくださったのも、「畳の魅力を伝える活動」の一環だったのですね!

畳の業界の今

名取市増田にある自社工場にもお邪魔してきました。昨今の畳製造にはコンピューターを用いるそうで、難しそうな機械がずらりと並んでいます。

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社長であり畳職人の安達昭夫さん(66)。一級畳技能士の資格を持っており、普段は工場で畳の製造にいそしんでいます。

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「人に優しい素材として、天然以上のものはないです。色んな商品を紹介しましたが、やはり藁畳が一番。ぜひ天然のい草を住宅に使ってほしいです」と熱を込めて語ってくださいました。

しかし畳業界は今、職人の跡継ぎがいないという危機に直面しています。若手への技術の伝達も手間と時間がかかり、即戦力にするには難しいそうです。でも大丈夫!彩匠堂の2名の若手職人は、働きつつ専門学校でも技術を学んでいます。社長自らも個人レッスンをしているそうです。社長いわく「学校と職場では教えることが違う」とのこと。たくさんの技術を取り込むことが出来ますね! 「一から十まで出来るようになれとは言わないので、まずは基本が出来るようになってほしい」とも話していました。

そして営業部部長から、これから就職活動をする若者に向けてメッセージを頂きました。「まずは挑戦してみることだと思います。失敗しても、思い通りに行動できないのが最初。分からないことは素直に聞いて、一つ一つ覚えることで自分の成長に繋がります」。

「『ありがとう。また頼むよ』とお客さんに評価していただけた時に、最もやりがいを感じる」。安達さんも営業部長も、仕事への思いは共通していました。その思いがお客さんにきちんと届いているからこそ、まったく新しい畳を売り出す挑戦が出来るんですね。

(※掲載内容は2014年の取材当時のものです。現在は会社情報などに変更がある可能性があります。)

取材中、「今どきの畳ってこんなに進化してるんだ!」と感心の連続でした。「畳は和室だけのもの」「洋風なインテリアには合わない」はもう古いです。たくさんの人が彩匠堂に足を運び、その目で最先端の畳を見ることで、私のように畳の見方を変えてほしいなあ…と思いながら執筆しました。余談ですが「そういえば実家の畳はだいぶ黄ばんでいたなあ」と思い、父に確認してみると「40年近くは張り替えていない」とのこと。ひいい…。これは彩匠堂さんにお世話になるしかないですね!

葉坂真奈美葉坂真奈美宮城学院女子大学(執筆当時)
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