学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

一途に、真摯に。“当たり前の仕事”に取り組み続ける「株式会社 泉」

野上貴 野上貴
737 views 2014.11.24
野上貴 野上貴 山形大学4年(執筆当時)
大学生になって一人暮らしを始めてから「ごみを分別して捨てるのってなんだか面倒だな」と思っていました。プラスチック専用の袋がいっぱいになるまで家に置いておくのが嫌で、私はよく、何でも燃えるごみの袋に突っ込んで捨ててしまいます。こんなふうに何気なく捨てているごみを収集しているのは、どんな会社だろう?ちょっと見に行ってみよう!というわけで、ごみの収集・運搬業の「株式会社 泉」にお邪魔してきました。

泉って、こんな会社!

泉の前身は1983年創業の「泉清掃協業組合」。協業組合は、ある一つの業務目的を遂行するために組織される会社です。泉は、廃棄物の収集・運搬を目的にしています。

創業当初、収集したごみは、燃やすか埋めるという単純な処理方法でした。近年、環境保護や資源枯渇が社会問題となっている中、泉は環境保護に貢献するためにペットボトルや発泡スチロールなど、リサイクルが可能なごみをリサイクル処理してきました。そして今後さらに進むと思われるごみ処理の多様化や、お客様の様々な要望に応えるため、昨年8月に株式会社化しました。

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仕事は仙台市の委託・認可業務です。泉区の家庭や飲食店、会社といった事業所から出る廃棄物を収集・運搬します。120人いる社員のうち、約100人がその作業にあたっています。

廃棄物には、一般廃棄物と産業廃棄物があります。一般廃棄物は家庭と事業所から出る紙類やプラスチック、し尿などを指し、産業廃棄物は事業所から出る金属くず、廃油などを指します。

仙台の企業魅力3つ

当たり前のことを当たり前に

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「当たり前のことは当たり前にしてけろ」。事務長の松原利夫さんは朝礼で作業にあたる社員にそう声掛けをします。協業組合のときと変わらず、滞りのないように心掛けた業務をずっと繰り返しています。収集時間の厳守や渋滞、大雪の悪条件に対応した収集コースの選定など定められた仕事を正確に行う。当たり前のことを当たり前に続けることで信用が生まれています。
泉が株式会社になっても住民や事業所から信頼されている秘訣は、仕事に対する実直さです。

社会に貢献する仕事

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「自分たちの業務が社会貢献につながることが仕事のやりがいになる」と常務取締役の熊野靖一さんは語ります。特にそれを強く感じたのは東日本大震災のときでした。

泉の業務は家庭から出るごみやし尿回収など業務が滞ると住民の生活に支障がでる仕事です。自分たちが被災しても、いち早く業務を再開できるよう努めました。震災前から変わらずに業務を続けてきたことで、有事の際も社員たちはいつも通りの対応がとれました。

その働きが認められ、仙台市から感謝状を受け取っています。「うちでやっている仕事なんてそれぐらいなんだけどさ」と熊野さんは何でもなさそうに話してくれました。

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松原さんも、業務を再開したときに住民の方から掛けていただいた「ご苦労様です。ありがとう」が嬉しかった、と言います。「その言葉があるからこの仕事を続けていてよかったなぁ」と当時のことを振り返りました。

自社のリサイクルセンター

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泉には事業所から収集した資源物を加工処理する「リサイクルセンター」があります。ペットボトルや発泡スチロールなどのリサイクル需要が高まったことを受け、2002年に操業を開始しました。センターでは、収集したビン、缶、ペットボトル、発泡スチロールを加工処理して、繊維や金属のメーカーに原料として出荷しています。

ここでセンター内の設備を少し紹介します。

缶、ペットボトルの加工設備

缶、ペットボトルは容量を減らすためにプレス加工します。その際、缶はアルミとスチールに分けて、種類ごとにプレスしていきます。

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プレスした塊1つの重量はアルミ缶が3.7kg、スチール缶が9kg、ペットボトルが24kgです。プレス缶はそれぞれ1日に50個、プレスペットボトルは1日24個できます。

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発泡スチロールの加工設備

市内で契約のある大型スーパーから収集した発泡スチロールの山を1日で加工処理します。週明けやスーパーのセール翌日は、センターの建物いっぱいになるほど発泡スチロールが運ばれてきます。

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作業工程は、まず発泡スチロールに付着しているシールを取り除き、ベルトコンベアに乗せます。

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コンベアに乗せられた発泡スチロールは機械で破砕されます。

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破砕された発泡スチロールは高熱で溶かされ、延べ棒状のインゴットへ形を変えます。

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湿度によって機械の調子が変わるので、毎朝と稼動後のメンテナンスが欠かせません。

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重量は1本7~8kg。1日に100~120本できます。
出来上がったキューブやインゴットはトラックで各メーカーの下へ運びます。

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収集物の中には、紙くずが入ったペットボトルや灰皿代わりに使われた空き缶なども少なくありません。こういったものはリサイクル処理ができず、ごみとなります。「本来ならリサイクルできたはずなのに、もったいない」とセンター長の佐藤浩彦さん。普段の作業で気になっていることを話してくれました。

環境に配慮した社会を目指して

泉は今年、事業所へ紙資源の分別を呼びかけることに力を入れてきました。契約している事業所へパンフレットを配布して、紙類の分別をお願いしてまわりました。

「実はきちんと分別すると燃えるごみってティッシュと割り箸くらいしかでない」と熊野さんは言います。事業所へ言っていることは、社員自ら率先して取り組みます。社内のゴミ箱をのぞくと、紙類がきちんと分別されて捨ててありました。

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地道な呼びかけの効果もあり、前年より可燃ごみを減らし、紙資源のリサイクルを増やすことに成功しました。来年はプラスチックの分別を強化するつもりです。

「住民のみなさんにぜひ、ごみの分別に協力してほしい」と熊野さん。ペットボトルは飲みかけの中身を捨ててからキャップを外してゴミ箱へ、缶を灰皿代わりに使わない、再生できる紙類はきちんと分けて捨てる。少しの意識が「ごみ」を「資源」に変えます。泉から皆さんへ、お願いです。

私たちが普段、当たり前と思っていることを”当たり前”にしてくれる方々の働きを忘れてはいけないな、と考えさせられる取材でした。面倒くさがって何でも燃えるごみに出す自分勝手な行動を振り返り、「申し訳ないな」と恥ずかしい気持ちになっていました。誠実に仕事と向き合う方々の想いに「きちんと応えなくては」と気を引き締めました。

野上貴野上貴山形大学4年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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株式会社 泉
http://www.izumi530.jp/
従業員数142名(平成25年3月現在)
資本金2,000万円
住所宮城県仙台市泉区実沢字清水田78番地