身近な大人に聞いてみた はたらくってどういうこと?
ワタシゴト

モットーは「生徒第一」。恩師から受け継ぐバトン。

鈴木里緒 鈴木里緒
409 views 2014.11.10

阿部茂さん(33歳)ソフトキャンパス

「夢」を「現実」に

「大学時代からの夢だったパソコンのインストラクターとして楽しい日々を送っています」。
仙台市青葉区一番町にあるソフトキャンパス仙台校で支店長として働く阿部さんはパソコン講師3年目です。ソフトキャンパスは完全個別指導のパソコンスクール。阿部さんは初歩的な操作から、IT系の資格取得まで、約120人の老若男女幅広い年齢層に教えています。60分で1コマの授業を1日9セット。「忙しくてもやりたかったことを職にしているから毎日が楽しいです」と笑みを浮かべます。
 

自分の気持ちに対して正直になる

大学1年生から2年間パソコンスクールに通っていた時、1人の講師と運命の出会いがありました。お笑い芸人のような風貌をした先生(当時25歳)は親しみやすく、ちょっとした失敗談など笑い話を交えた楽しい授業を受けるうちに、人見知りだった阿部さんも打ち解けるようになりました。「私も先生のようなパソコンインストラクターになりたい」と思うようになりました。

就職活動の時期になり、志望職を募る企業を見つけた時には既に募集が終わっていたそう。それでも「人に教える職に就こう」という気持ちが阿部さんの心の奥底にはありました。大学院修了後は横浜で中高生向け通信教育の会社に就職しました。数学と理科の講師として6年間勤めました。

「教えることを通じて、生徒が志望校に合格するなど目標を達成したときには、この仕事をしていて良かったと感じた」。生徒の人生に大きく関われる講師業にやりがいを感じる一方で、パソコンインストラクターへの夢は捨てきれないでいました。30歳の時に転職を決意。猛勉強の末、念願の職に就くことができました。

新たなスタートラインへ

「生徒第一」。阿部さんが指導する際に心がけていることです。「分からない」ことがあれば納得いくまで教えます。難解な専門用語は分かりやすく噛み砕いて説明したり、息抜きにはイラスト系のソフトで一緒に絵を描いたりします。生徒との距離を縮めるため、飲み会を定期的に開催して悩みを共有したりもします。
「恩師にしてもらったことが今に活きています」。

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現在、復興促進のため、CADという建築関連のソフトの指導をしてほしいという依頼が増えており、今後は設計ソフトの授業を充実させていく予定です。

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仕事の合間を見つけてはパソコンに向かいます。限られた時間の中、計画的に学習を進めています。力を入れている設計ソフトの勉強と並行してCGの資格取得を目指しています。「新しいソフトがどんどん登場してくるので、その進化に応じ自分も進化しなくてはならない」。阿部さんは力を込めます。

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悩むよりもまず行動しよう

最近の若者はなかなか行動できない人が多いという印象を受けます。それでは成長できません。学生のうちにどんどん経験を積んでください。特別なことじゃなくてもいい。アルバイトや旅行など遊びでもいい。とりあえず行動すればやりたいことも分かってくる。向き不向きはやらなければわからない。何事にも恐れず挑戦してください。

特に印象に残ったのは「夢を実現するためには限られた時間の中、逆算して計画を立てる」など、地道に努力していく姿勢が大事だということです。うまくいかなかったときには阿部さんの姿勢を思い出したいと思います。
鈴木里緒鈴木里緒山形大学3年(執筆当時)
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