身近な大人に聞いてみた はたらくってどういうこと?
ワタシゴト

頼まれたら断らず、まずはやってみる。挑戦を積み重ねた先に成長がある。

横山 葉月 横山葉月
413 views 2014.11.03

本望磨美さん(29歳) 株式会社ビック・ママ

初めて作った作品が校長室に

本望さんが裁縫と出会ったのは、中学の家庭科の授業。卒業制作で手掛けた校章の刺しゅうが高い評価を受け、校長室に飾られた事がきっかけです。校長先生からお褒めの言葉をいただいたことがうれしくて、裁縫が好きになりました。

高校卒業後は本格的に裁縫の勉強をするため、服飾の専門学校で学びました。生まれ育った宮城県が好きなので、卒業後は洋服のお直しやリメイクをしている地元企業「ビック・ママ」に就職しました。

マイペースな性格のため、入社当初は効率よく縫うことができず、周りとの実力差を痛感させられました。しかし、高校の陸上部で培った粘り強さを武器に毎日、縫製の練習に励みました。「頼まれたら断らない。まずはやってみる」をモットーに、挑戦を積み重ねて成長していきました。
 

結婚式を彩った手作りドレス

入社してからの8年間、仕事を休んだことはありません。現在は、北目町店で店長を務めるまでになりました。「苦労もたくさんありましたが、喜びもたくさんありました」という本望さんは、社長や社員、お客様の存在を強く感じています。

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今年の3月、うれしいことがありました。本望さんの結婚式のプレゼントとして、会社の仲間が手作りのドレスを用意してくれたのです。日々の忙しい業務の傍ら、自らの時間を割いてドレスを作ってくれた仲間のあたたかさに感動しました。「仲間のために自分も頑張ろう」と、職場に強い団結力が生まれたそうです。

お客様の笑顔が働く活力

お客様に直接触れ合えるのも大きなやりがいです。服のリメイクを頼まれた際にお客様が考えつかなかったようなアイデアを提案して「こんなこともできるんだ」と喜んでもらえたことなど、「お客様の笑顔や何気ない会話が働く活力につながっている」と言います。

店長として働く今、「率先して職場内を盛り上げていきたい」と考えています。大切なのは、上の立場から指示を出すのではなく、社員と同じ目線になって接すること。社員みんなが活力あふれる職場環境をつくるため、本望さんの奮闘は続きます。

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「ビック・ママ」では社長がよく「向上心」という言葉を社員に言います。縫製に限らず、何か1つのことを夢中でやってみてください。何かに夢中になることで、前向きな気持ちになれ、その気持ちが向上心を生みます。今はその行為が何につながるか分からなくても、続けて練習することが大切です。その頑張りが、あなたの将来に生きてくると思います。

好きなことを仕事にしている本望さんがすごいと思いました。仕事というと上下関係が厳しいイメージがありましたが、いい仲間と働いているというお話を聞いて、前向きな気持ちが持てました。
横山 葉月横山 葉月東北学院大学2年(執筆当時)
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