身近な大人に聞いてみた はたらくってどういうこと?
ワタシゴト

接客を通して人の歴史に足跡を。見方を変えると仕事がぐんと面白くなる。

阿部みゆき 阿部みゆき
1,031 views 2014.10.31

阿部大さん(38歳) 接客アドバイザー

すべては感激していただくために

仙台市内の高校を卒業後、ホテルマンを育成する専門学校に進学した阿部さん。初めから接客業に興味があったわけではなく、資料を見て何気なく入学を決めたため、「どんなことを学ぶ学校であるのかすら知らなかった」と言います。

専門学校卒業後はホテルや旅館で働き経験を積みました。接客のスキルを大きく成長させるきっかけとなったのは、イタリアンレストランでの勤務でした。中規模な店舗ながらピーク時には約300人が訪れる人気店でしたが、ホールスタッフは阿部さん含めわずか2人。目まぐるしい忙しさの中で、「できるだけ早く、効率的に、かつクレームを出さないように」と常に考え続けました。その結果、電話口の声だけで常連客の顔が浮かぶようになり、クレームが起こりそうな場所を感じ取って先回りして対処することもできるようになったそうです。

顧客の目線に立った店づくり

接客の面白さに魅了された阿部さんは28歳の時、地元にダイニングバーをオープンしました。2011年の東日本大震災の影響で客足が遠のき、規模縮小を余儀なくされましたが、あきらめず来店客の目線に立った店づくりを続けました。打ち解け合った客同士が結婚したケースもあるそうです。

目指すは「人柄に惚れさせる接客」

2012年には、全国の接客業者の技術を競う「S1サーバーグランプリ」にエントリー。全国700人以上の参加者の中から東北地区代表に選ばれ、仙台市で開催された全国大会に出場を果たしました。
間もなく、飲食業の人材育成や販売員を対象にマナー講習を行う接客アドバイザーとして活動を始めました。「人柄に惚れさせる接客」ができる人材を育てるため、来店客の心をつかむ秘訣を指導しているそうです。

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「宮城ってすごい」と思わせたい

「接客業を作業や労働と考えるのではなく、『僕に会いに来てくれる』と捉えるとおもしろい」。前向きな発想は、阿部さんのこれまでの経験と知識が積み重なったからこそ生まれました。「サービスを通して、人の歴史の中に刻まれたら、こんな嬉しいことはないよね」とまっすぐ語る阿部さんが見据えるのは2020年の東京五輪開催。「外国人に『宮城ってすごい』と思わせるようなおもてなしを提供していきたい」と挑戦はこれからも続きます。

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社会人にとって大切なのはコミュニケーション力。若者には腹を割って話せる人を探してほしいです。心に響く人たちと関わっていけるのも、コミュニケーション力があってこそです。自分に自信がない人は、ただひたすら努力するしかありません。努力をすれば、やがて自信がつきます。わくわく、きらきらとした生き方をすることが大事だと思います。

(タイトル写真撮影/駒沢大3年 山家達也)

この記事を書いた人

阿部みゆき
阿部みゆき
東北学院大学3年(執筆当時)