身近な大人に聞いてみた はたらくってどういうこと?
ワタシゴト

部活動で養った精神力が、今の仕事に生きている。

阿部 梢 こずえちゃん
2,209 views 2014.09.01

河北新報社 販売部 大和田憲人さん(23歳)

残暑を吹き飛ばすような、さわやかフェイスの大和田さん。東北のブロック紙「河北新報」に入社し、販売部で2年目を迎えました。

地域に根差した仕事がしたい

東北学院大学経済学部出身。大学では4年間、陸上漬けの毎日だったそうです。部活では持ち前のコミュニケーション力に加え、「先輩の言葉は絶対!」という体育会系魂を身に付けます。大学のゼミでは地方銀行について学びました。「企業研究を兼ねられると思い、就職活動に直結する研究テーマを選びました」。

就職活動では大手の会社を受けながらも、本命は仙台に本社がある地元企業。地域に密着した、きめ細やかな仕事がしたいと考えていました。しかし、第一志望の地方銀行では最終面接で自分らしさを発揮できずに落ちてしまったそう。どうしても地元で働きたいという思いから、目標を河北新報社に切り替えました。

新聞少年から新聞社社員へ

高校まで新聞配達をしていたため、小さい頃から新聞にはなじみがありました。「短距離の選手だったので、ほかの人より早く配達できる自信がありました(笑)」。家では河北新報と日本経済新聞を読み、大学の図書館では様々な新聞の読み比べていました。新聞に触れることは、大和田さんの生活リズムにしっかりと刻まれていました。

河北新報の面接では「自分を動物に例えると?」という質問に、「犬です。ワン!」と鳴き声付きで答えるほどのツワモノっぷり。「笑いを取ったら自分のペースに持ち込める。自己アピールがうまくいったと感じました」。狭き門をくぐり抜け、見事、河北新報社に内定しました。

「社内営業」の大切さ

現在、大和田さんは販売促進のためのイベント企画や、新聞を各家庭に届ける販売店への指導などをしています。仕事をしていくうちに、気づいたことがありました。それは「社内営業」が一番大事だということ。陸上部では個人競技だったこともあり、何でも1人で解決したいと思っていました。しかし、仕事は1人ではできない。「大和田のためなら、協力するよ!」と言ってくれる仲間をどれだけ作れるかが重要だと分かりました。

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週5日のペースで開かれる先輩たちや取引先との飲み会。社会人になるまで1回も行かなかったカラオケ。すべてが仕事につながると、欠かさず参加しています。さらに週に1回は「ひとりカラオケ」をして、ひたすら1つの曲を練習するそうです。「音痴だから、持ち歌を作らないとみんなの前で歌えなくて。十八番はゆずの『栄光の架け橋』です!」と照れくさそう。まめな努力の甲斐あってか、2年目になり、次第に大きな仕事を任されるようになってきました。

「いぐするテラス」(※)が終わった後、大和田さんは急いで荷物をまとめていました。「取引先に呼び出されたので、飲み会に行ってきます!」と笑顔がキラリ。今日も持ち前のフットワークで駆け回ります。

※8月20日開催の「いぐするテラス」にゲストスピーカーとして参加していただきました。

【シゴト道具】

かほピョン

owada3河北新報のキャラクター「かほピョン」。イベント会場などではお馴染です。大和田さんとは切っても切れない深~い仲。ベガルタ仙台の試合では一心同体になって踊りました。

河北新報

owada2なんといっても自社の新聞は毎日必ず目を通します。取引先の人の名前が載っていて連絡をすることもたびたびあるそう。地方紙ならではの距離の近さです。

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よく学び、よく遊べ!

河北新報はもちろんのこと、新聞をたくさん読んでください。大学の図書館でも閲覧できますよ。マスコミ関係の試験に時事問題は付き物。対策は、新聞を毎日読むことです。
あとは、思いっきり遊んでください!長期休みがあるのは学生のうちだけ。海外旅行も今がラストチャンス!たくさん遊んで勉強していろいろなものに触れて、後悔しない学生生活を送ってください。

サッカー選手の内田篤人に似ている(!?)大和田さん。「大学時代は何もしていなかった」と言うけれど、学生のときに身に付いた習慣や考え方が、今も仕事に活きていると感じました。新聞を読み続けたこと、毎日、陸上部で汗を流したこと。何にでも誠実に接する人柄が「社内営業」で先輩方に気に入られる理由な気がします。
阿部 梢阿部 梢東北大学4年(執筆当時)
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