働き始めてからがスタート地点。12年目でようやく、自信が持てた。
一般社団法人ワカツク 落合千鶴さん(35歳)
落合千鶴さんは仕事を始めて12年目。現在巡り巡って、今年4月から、大学生の長期インターンシップ事業などを手掛ける一般社団法人ワカツクで働いています。大学時代は学生団体の活動に打ち込み、しっかり‟単位を取り損ねる系”女子でした。落合さんの就職活動と、働くことへの思いを聞きました。
「好き」を仕事にする
大学は法学部。六法全書は枕にしていました。「コツコツ勉強するのが大嫌いだったんです」と笑います。
大学3年生になり、いざ就職活動を始めます。しかし現実は厳しく立ちはだかりました。なかなか内定を得ることができません。このままではいけないと、自己分析に取り組みます。
「私が大事にしたいのは、人の役に立つこと、新しい文化を産み出すことだ!」
中学の頃、ラジオのパーソナリティを目指し、あらゆる情報誌を隅々まで読んでいた自分を思い出します。まずは足を動かして、情報を集めてみる。落合さんに泥臭い行動力が根づいていました。
そこで見つけたのはシアトル系コーヒーショップの先駆け、スターバックス。お店に行っては、その店舗の特徴などをメモしました。
会社説明会では、人事担当者が10分以上も「スターバックスの好きなところ」を熱く語ります。ビビビ、と来た落合さん。「『好き』を仕事にして、人に影響を与えられるようになりたい!」と思い立ちます。最終面接では懸命に話すものの、面接官の反応はいまいち…。そこで隠し玉!関東圏のスターバックス100店舗以上を回って気になることを書きとめた「熱意の塊」ともいえるメモを提出すると、一気に話がかみ合うようになり、帰りには「じゃ、またね」と面接官がにっこり。後日、内定の連絡をもらったのでした。
理想と現実の差を埋める
スターバックスに勤め始め、新人としてがむしゃらに働く日々。しかし、仕事がデキる理想の自分と、現実の勉強嫌いでさぼり癖のある自分とのギャップに悩みました。思うように仕事ができず、2年目の途中で退職します。
その後はさまざまな職を転々とし、30歳を過ぎてからリクルートへの転職を決意します。「当時の仕事を続けていても、理想の自分になれない」と思い、苦手意識があったにも関わらずリクルートに身を置くことに決めました。「若者に揉まれて、バリバリ働くことで絶対、力が付くと思ったんです」
スキルアップのために、あえて苦手意識のある会社を選ぶ。やり手のにおいがぷんぷんします。落合さんは結婚情報誌「ゼクシィ」の広告ページの営業となり、仕事に打ち込みました。
「新しい職場では、何歳であっても新人からスタートだと気づきました。仕事のできない自分を楽しむことが、今の自信につながっています」
【シゴト道具】
手帳
日々の予定はすべて書き込んでいて、使い込まれている様子が伺えます。内ポケットには、友人との写真や、リクルート時代のリーダーからの評価シートなどを挟んでいます。元気を出したいときに見返すそう。思いついたことをすぐにメモするときにも使っています。
緑の小物類
テーマカラーを決めて揃えることで、気持ちにメリハリをつけます。以前は「負けまい!」という気持ちを表す赤ピンク系でしたが、今は緑で統一。穏やかな気持ちを引き出します。
方眼ノート
タスク整理に、図表やリストなどを書ける方眼ノートは必須。ごちゃごちゃにならずに書くことができます。これもしっかり、緑です。
スターバックス退職後、学生への就活支援をしていた落合さん。「学生の皆には、内定がゴールだと思ってほしくない。働く場所ではなくて、どんな働き方をしたいか、どんな人生を歩みたいかを大事にしてほしいんです。そのために自己分析や人生設計をしてください。就職活動は長い人生のひとつのイベントにすぎないから、重く捉えすぎないで。お見合い気分で乗り切って!」
※「第1回いぐするテラス」のゲストスピーカーとしても参加していただきました。
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