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お客様の声に耳を傾け、希望する畳を届ける!120年以上の伝統を誇る「今倉畳店」

高橋夏海 高橋夏海
1,593 views 2014.07.04
高橋夏海 高橋夏海 東北福祉大学3年(執筆当時)
6月は梅雨の季節です。湿気が多くてじめじめしていますね。みなさんの家には和室はありますか? 畳はありますか? 畳は梅雨などの高湿度期には水分を吸収し、湿気を感じなくさせてくれます。今回は畳の良さ、そしてそれを作る熱い思いをもった職人さんに、私、高橋夏海がお話を聞いてきました!

今倉畳店ってこんな会社

「株式会社 今倉畳店」は、仙台市青葉区の立町小学校から歩いて5分のところにあります。120年以上続く伝統ある畳店です。

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専務取締役の今野秀一さん(42)は創業者から数えて5代目。

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今野さんは畳の一級技能士の資格を持つ畳職人です。現在はお客さんから相談を受けたり、注文をいただいたお宅に訪問し、畳の大きさを測ったりする営業の仕事を主に担当しています。

「小学生のころから親父と一緒に毎日のように畳に触れてきました。だから将来、店を継ぐことに何の違和感もなかったな」と話します。
社名は「イマクラ」ではなく「コンクラ」と読みます。由来は「初代の名前が今野倉之助(コンノクラノスケ)だったから」だそうです。

仙台の企業魅力3つ

畳職人=畳博士

今野さん「畳って何でできているか知っている?」

高橋「イ草です!」(事前に調べておいてよかったー)

今野さん「畳はイ草を敷物状に織った「畳表(たたみおもて)」と、畳の土台となる「畳床」という部分で成り立っています。畳表はイ草を一本一本編んでいます。1枚の畳表を織るのに4000~5000本のイ草が使われています。畳床は稲ワラで作られたワラ床のほかに、最近は軽い素材のポリスチレンなどの軽量型もあります。畳表の原料であるイ草の主な産地は熊本県。そしてワラ床の原料の稲ワラの代表的な産地は、なんと、わが宮城県です。

またまた今野さんから質問。

今野さん「じゃあ、イ草ってどんな植物か知っている?」

高橋「えっと・・・」。

今野さんによると、イ草の栽培は熊本県が約8割を占めているそうです。12月に苗を植え、翌年の6、7月に収穫。1年間、丁寧に丁寧に育てます。

今野さん「栄養が行き届き、長くてしっかりしたイ草を使った畳表を使うことで質の良い畳が出来上がります」。

高橋「さすがは職人さん!」

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力持ちでかっこいい!畳職人さん!

今倉畳店には今野さんのほかに、2人の職人さんがいます。今野さんの弟である輝義さん(40)、いとこの小池義則さんです。イ草の香りが立ちこめる1階の作業所では機械の大きな音の中、2人が真剣な目でひたすら作業を続けていました。
工程は大きく分けて2つ。巨大なミシンのような機械で畳表と畳床を重ねてナイロンの糸で縫い合わせ、また別の機械で畳縁を縫い付けていきます。

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機械がない時代はすべて手作業。「せっかくだから」と今野さんが畳縁を縫い付ける作業を実践して見せてくれました。縫い目の幅をそろえながら、分厚い畳にひと目ずつ針を刺す力仕事は、この道20年以上の今野さんでも大変そう。

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一級技能士の試験では、制限時間内に手作業で畳1枚を完成させます。縁を縫うだけでも20分ぐらいかかり、かなり難しいそうです。

畳職人の必須道具も見せていただきました。

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まるで中華料理に使うような包丁は畳表を畳床に重ねたときに余分な端を切り落とすときに使います。畳針は、刺す場所によって太さや長さの違う針を使い分けるそう。おにぎりのような三角形の手当ては余った畳縁を利用した秀一さんの手作り。ほかにも畳の幅を一定にするための専用の定規など、種類の多さにびっくりです!

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畳屋さんに行く機会なんてそうそうない。ということで、畳を持たせていただきました。本物のワラ床を使った畳ではなくて、ワラ床の間に軽量化した素材の入った畳を持ちました。いざ持ち上げようとすると・・・。

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ん?持ち上がらない!!

その後、秀一さんが軽がると持ち上げていました。よ!力持ち!これはポリスチレンを使った軽量型ですが、昔ながらのワラ床の畳なら30kg以上もあるそうです。

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新たな挑戦に挑む今倉畳店

畳の良さを伝える一方で、新しいことにもチャレンジしています。「汚れない畳がいい」「色のついたおしゃれな畳がいい」「こぼしてもしみない畳はないの?」というお客さんの要望を受け、フローリングの一角を和室にする「置き畳」や、様々な色のビニールをイ草のように編みこんだ「カラー畳」など、新しいスタイルの畳の販売も行っています。
「どんな形でもいいから、畳に触れてほしい」と今野さん。お客さんの笑顔のため、満足してもらうため、常にお客さんの声に耳を傾けています。

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また、畳の替え時や、手入れの方法、畳に関したちょっとした豆知識などをホームページで紹介しています。ぜひ、見てみてくださいね。

まとめ

昔は仙台市内に100軒ほどあった畳店も、現在、宮城県畳業商工組合に加盟しているのは50軒ぐらいとのこと。畳の需要が減る中、今倉畳店は120年以上続いています。いつもお客さんがどんな商品を求めているのかをしっかりと考えていることが今倉畳店への信頼につながっているのだと感じました。畳文化の変化にも柔軟に対応し、お客さん思いの今倉畳店がこれからも続いてほしいな。
でも、今野さんは独身。後継者は確定していません。今倉畳店がこれからも続いていくためにも絶賛花嫁募集中です。ちなみに、取材中「嫁にくっか?」と言われましたが、丁重にお断りしました(笑)。
畳の新調や畳替えのご用命はもちろん、気さくで、距離を感じない人柄の今野さんに魅力を感じた方はぜひ、今倉畳店へ!!

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イ草の新鮮な青い色、細かい織り目、落ち着く香り。そんな上質な畳にするために働く、畳職人の苦労があるのだなと思いました。今野さんには取材のために、たくさんのお時間をいただきました。そして大学生である私にも分かりやすいように丁寧にお話してくださいました。分からないことがあると「ちょっと待っていて」と言って、奥から資料を持ってきてくれました。優しさあふれる人柄。ありがとうございました!
そしてなにより、畳のことが大好きになりました。これからは私のことを「畳ガール」と呼んでください!!
高橋夏海高橋夏海東北福祉大学3年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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株式会社 今倉畳店
http://www.konkura-tat...
住所宮城県仙台市青葉区立町5-27
電話番号022-222-5712
営業時間8:00~17:00
定休日日曜、祝祭日