いぐする仙台プレゼンツ『題名のないトークライブ ゲスト・若新雄純』
取締役が全員ニートで構成された『NEET株式会社』や、鯖江市役所に誕生した、女子高生だけの課『鯖江市役所JK課』など、奇抜すぎるプロジェクトで日本の「働く常識」を覆してきた若新雄純さん。
「いぐする仙台」今回の記事では、2014年5月21日に仙台市「創造スタジオGocre(ごくり)」にて開催された「題名のないトークライブ ゲスト・若新雄純」の模様をお伝えします!
えーと、若新さんのトークライブへようこそおいでくださいました。こちらが若新…昔の名前で言ってしまいそうになる(後述:若新さんは改名しています)。
※一般社団法人ワカツク代表。大学の後輩だった若新さんから、今の事業をはじめるきっかけとなったアドバイスをもらう。
若新雄純
駄目ですよそれは。
※NEET株式会社代表取締役会長、慶應義塾大学特任助教。
様々な企業の人材・組織コンサルティングや、実験的プロジェクトを行う。
若新:気づいたらある日wikipediaに旧名が書かれてて。あれって書かれたのを消すのはよくない文化らしくて、まぁでも「旧名」は利用規約違反らしいんですよ。本人が公開してない情報だから。なんでまぁ、それは違反なんで消しましたけど。ねぇ、やめてほしいですよね。
一馬:若新さんと初めてお目にかかる人ってこの中にどのくらいおられますか?
(数人が手を挙げる)
若新:けっこう多いっすね。ちゃんと自己紹介したほうがいいかな。
一馬:じゃあ若干の自己紹介をしてもらってもいいですか?
若新:これはこの前の授業で使った資料なんだけど、「若新雄純」というのは僕が戸籍から改名した名前でして。24歳の時ふと「名前を変えたい」と思い立ちまして。
東京のロイヤルホストかどっかで友だちと飯食いながら、僕がこうノートに何か書いてるんで「何やってんの?」って聞かれたんで「名前変えようと思う」って。
一馬:メニュー選ぶレベルだな。
若新:いろいろ案出して、オカンが純子って言うので「純」は入れようと思って。
けっこう迷わずにその日一発で決まって、それから使い始めて。で、何年か前に裁判所で最終的に審議してもらって許可をもらって、名前が変わったんですけど。
若新:名前を変えるのはお金はかかんないんですけど、けっこう時間がかかるんですよ。かかったお金は800円くらいですね。
一馬:タダみたいなもんだな。
若新:そう。裁判所に出すお金だけ。問題は、ある日「僕はこの名前に変わりました」ってことを宣言して、それで暮らさないといけないんですよ。これけっこうハードル高いと思うんですよね。結婚したわけでもないのにある日「僕今日から名前変わったんだ」って言い出すの。今思うとよくできましたよね。
一馬:はじめそれ聞いた時に「ペンネームか」って聞いたら「本気で変えるんです。そのうち戸籍も変えます」って言うからホントかよ!って思ったんだけど。
若新:変わりましたね。
一馬:変わったね。
若新:最近は、僕が去年作った『NEET株式会社』が話題なのと、あと、大学でずーっと研究していて、まぁマニアックな話なのであんまり長くなるとアレなんですけど、大学院で「組織心理学」をやった後コミュニケーションに関わる研究をずっとしてて。で、3月まで研究所の研究員をしていたんですが、個人的野望を叶えるためにもうちょっと偉くなりたいと思いまして、特任助教にしていただきました。
若新:で、あのですね…。
『ナルシスト狂宴』ライブの模様がプロジェクターに映る
一馬:これは、大丈夫ですか。
若新:これは何をやっているかというと、僕、福井ってところ出身なんですけど、高校卒業した時に偏差値が36くらいしかなくて。で、理由はですね「人生に絶望した」とかそういう尾崎豊的なやつじゃなくて、なんかこう、自意識過剰すぎて、自分への興味が強くなりすぎてまったく勉強できなかったんですよね。
すごいね、プライドもコンプレックスも満載の人間だったんですけど、中学まではめっちゃ勉強ができたので、近所のおばちゃんとかに「○年ぶりに京大に行くんじゃないか」とか言われてたわけですけど。
若新:で、高校出たあとは全く学力がなかったんで、ばあちゃんちに移住して、テレアポとかしながら、ばあちゃんと2人で生活するんですけど、そうしてるうちに「大学行かなきゃな」と思って。10月くらいからセンター試験の勉強して、センター試験はまぁまぁできたんですけど、京大とか阪大とかに全然入れるレベルじゃなかったんですね。
若新:親には「とりあえず国公立にしてくれ」みたいなことを言われながら。でもねぇ「京大行くって言われてたのに、あのへん行くんだ」とか言われるのが嫌だったんでしょうね。国公立で誰も知らないことろがいいなと思って。
若新:仙台には全く親戚もいなかったし、友だちも誰もいなかったし、僕が入った時、宮城大学って7年目だったんで、できて間もなかったんだけど、あの頃は仙台にできた新設の公立大ってことで偏差値もけっこう高かったんですよ。ここなら誰も知らないし、そこそこの人もいるだろうってことで福井から仙台に来たってのが経緯です。
カウンターとしての『ナルシスト狂宴』
若新:そして入ってみたら、思ってたよりかなり真面目な人が多かったんですね。
で、なんか、みんながね、自分のそこそこの有能さを、こうウジウジとアピールするのが嫌だったんですよ。
一馬:あぁ。(一馬さんは宮城大学の1期生)
若新:分かります? 自分が有能であるってことをウジウジとアピールする感じが絶望的に気持ち悪くて。こう「主張していないかのように主張する」「褒めてほしいと言ってないのに褒めてもらえないとキレる」みたいな人が多くて。
一馬:いるね。
若新:これはマジで良くないと。当時ダンスサークルが1番人気のサークルで、1番モテるやつがダンスサークルに入る、みたいな感じだったんですけど、その挨拶が
「私たちのためにこんな見てくれてありがとう。みなさんに少しでも楽しい時間を過ごしてもらえば…」みたいな感じなんだけど「そんなんおかしいだろ」と。
若新:もうね、みんながダンスサークルが出てきたら盛り上がらなきゃいけない雰囲気とかが嫌で。でも直接攻撃すると友だちもいるわけだから良くないと。それで、
「僕が大学の超カリスマ的アイドルになってしまえればいいじゃないか。全てをぶち壊そう」
と思ったんですね。
(会場:爆笑)
若新:で、最初考えたのが、自分のプロモーションビデオを作って、大学のエントランスでリピート再生する。
一馬:あれは衝撃だったよ。
若新:これはけっこうね、簡単なんですよ。審査とかないし、オーディションもない。いきなり作っていきなり流せばいいんで。
若新:ただね、アイドルになるのはなかなか大変だと。事務所に履歴書送って、チームメンバーとケンカして、バンド解散の危機に追い込まれて、最初はオリコン230位みたいなね。でもここまでいくの大変じゃないですか。だからそこで考えたのが、「そうなったという前提にすればいい」と。そうなったという仮説をですね…。
一馬:仮説を押しつけてたからね、大学において。
若新:で、やったのがこれです。
若新:僕がよく勘違いされるのが「仙台のどっかでデビューして話題になった」とか「仙台のライブハウスで毎回動員してた」とか。そうじゃなくて、いきなりアイドルかのように振る舞ったんですね。
これ火花散ったりしてますけど「卒業してからも誰も越えられない不可能な次元にして去っていこう」と思って、この活動単体で20万くらい協賛金取ってやってます。
若新:けっこうね、いろいろなアーティストのライブ行ったけど、素人でここまでやるやつは今までいないですね。
就活が馬鹿らしくなった人のための採用『就活アウトロー採用』
若新:で、今やってるのがこれなんですけど。
若新:就職活動が馬鹿らしくなって辞めた人のための採用で、今日も東京説明会から1人来てくれたんですけど。
若新:こんなん誰が来るんだと。しかもこれね「大企業は1社も来ません」って書いてあるんですよね。で、就活辞めて、大学卒業してなお就職していない人しか来れないんですよ。
だから本当に就職活動しなかった人しか来られないようになってるんですけど、広告費1円もかけてなくて、1ヶ月に200人くらい応募があって。
若新:まぁ学歴が全てではないにしろ、計算したら、60%くらいがMARCH国公立以上なんですね。これ人材業界的には「おかしいこと」らしいんですよ。大企業でもこんな比率にはならないらしいんですけど。で、話してた感じとしてみんな頭良かったですね。
若新:僕は必ずしもリテラシー、知識の低い人たちがはみ出すわけではなくて、賢い人ほど、これからはみ出すだろうという仮説を持っていて、一応こんなことをやってるんですけど。
若新:でもね、これはうまくいきすぎて。もうちょっとヤバい奴採用しようってことで。
社会なんて見えない。ナルシスト採用
若新:アウトロー採用であまりに優秀な人が集まってしまったので危機感を感じて、文言をもっとヤバくしようと思ってるんですね。
若新:で、思いついたのが「自意識過剰すぎてこれからの企業社会をミスリードできる若者を求めます」というコピーです。
若新:これは一部の人から「ミスリードはまずいんじゃないか」と言われちゃったんですけど。だって、みんなもう現状の企業社会は古いとか、変わるべきとか言ってるじゃないですか。だからミスリードです。どういう人が来るか分かんないですね。
(現在、募集を開始しています)
取締役は全員NEET!NEET株式会社
若新:あとこれが話題になった「NEET株式会社」。今、戦国時代ですね。
メンバーは全員女子高生!鯖江市役所JK課
若新:で、この春僕が一番力を入れたのが鯖江市に女子高生だけの課をつくる「鯖江市役所JK課」。このプロジェクトで重要なのは、何をやるのかっていうのは完全に彼女らが決めるんですよ。これをやるって話になった時に、一番多かったのが「ふざけてるのか」って意見なんだけど。次に多かったのが「結局何をやらせるのか」って問い合わせで。この問い合わせ自体がナンセンスなんですよ。「JK課」なんだから彼女らが何をするかは、僕らは分からないわけですよ。
若新:彼女たちは見てもらって分かる通り、今まで地域活性化とかに興味があったわけでもなく、まちづくりとか考えたこともない人たちなんですけど。その彼女たちに一切先生や講師みたいなのは派遣せず…。ありますよね、高校生のキャリアアップを図るために、社会人を先生にしようって活動。あれも駄目だとは言わないですけど。
「高校生の前で大人たちがしゃべることが、高校生のキャリアアップにつながる」という思考自体が僕は危険だと思っていて。それは高校生より大人たちの方が優秀だという前提があるからですよね。
この前提が、僕は間違いだと思ってる。若者が主役になることで大人たちが変化していく、というのが僕の人材育成のアプローチなんで、とにかく彼女たちに誰もレクチャーする人を置かないというのがこの取り組みの重要なポイントですね。
渡辺一馬×若新雄純
一馬:どの辺から話をしていきますかね。JK課にしてもアウトローうんぬんにしても、「そうであるべきだ」って言われてるものを軽々と超えてくるわけじゃないですか。ひっくり返してくるというかね。
若新:それは僕の社会から絶賛されたいという欲求がハンパないんで。
(会場:爆笑)
若新:いや、ほんとほんと。「圧倒的に認められたい」みたいな気持ちが強すぎて。
一馬:個人的に興味があるのが、若新さんって寂しがりじゃないですか。急に寂しくなっちゃった時どうしてんのかなって。
若新:僕がどれだけ孤独にまみれてウジウジしているかは、常に発表していこうとは思ってますね。
居場所とNEET株式会社
若新:NEET株式会社って、いろんな目的があったんですよ。新しい組織のあり方、働き方とか、従来のマネジメントに代わるものを探るとか、いろんな目的があったんだけど、20%くらいは、僕が友だち100人以上欲しかった。いや、元からいたんですけどね、(NEET株式会社の仲間の方が)より逃れられない関係なんで。
若新:僕は報酬もないし株もないし、責任だけ取るって立場なんだけど、関わっていくうちに一人一人の顔が浮かんで。こんな欲深い僕でも、人のために何かしたいと思うことがあるんですよ。「自分のため」が7割くらいだったら3割くらいは「人のため」と思っていて。これけっこう多いと思うんですけど。所属するところがないって寂しいわけじゃないですか。ウィングルの時に思ったんですけど、毎日行くところがあるってのは煩わしいようで安心でもあって。でもそれ(ウィングル)は結局駄目になっちゃったんですけど。
若新:そういう意味では、NEET株式会社というのは僕の理想系の実験みたいなところはあって。まだそこまではいけてないですけど、何時からどこで集まるってことでなくても、顔がぱっと浮かんで「この人と一緒に何かできるんだ、この人生は」と思える関係を増やしたい、絆みたいなものというか。
自分を曝け出さない不健全さ
若新:それと処世術として、そういうもの(寂しい感情)を一人で抱えないようにしようと思って。
若新:日本の社会のせいか分からないですけど、例えば「あいつだけ内定もらえてムカつく」とか「あいつだけ給料高くてムカつく」とか言えないじゃないですか。
「おめでと~♪」って言わなきゃいけないじゃないですか。でtwitterの別アカウントで「氏ね」とか言うじゃないですか。すげー不健康。
友だちが内定もらった時に「マジで!俺が欲しかったし!」とかなかなか言えないわけですよ。
一馬:言った方が気持ちいいよね。
若新:うーん、でもみんな言えないじゃん。
「あー僕もねー受けてたんだけどねー、1次面接くらいでなんか違うと思ったんだよねー」、「違うと思ったからさー途中でやる気なくなっちゃってさーあれは落ちるはずなんだよ」とか言うじゃん。
一馬:それがさっき言ってた「俺の優秀さを気づかないように気づかせる」って話なんでしょ?
若新:そうそう、それが不健全なところだよね。
会場からの質問
質問者:若新さんっていろんなアイディアを出すじゃないですか。アイディアを出そうと思って出してるのか、それとも、ポンって浮かんでくるのかお聞きしたいです。
若新:この前、仕事のパートーナーの方に「若新くんはね、いいアイディア出すとき『神が降りてきた!』って言うんだけど、『神が降りてきた!』ってことを表現するのに20分くらいかかるんですよ。それをプランに組み立てるのにさらに30分くらいかかるんですよ。あれ5分にならないですかね』って言われて。言われてから気づいたんだけど。
若新:そこから考えたのは、もう大人だから思考は大人になってるんだけど、(アイディアを浮かべるには)できるだけ赤ちゃんのような状態にしとかないといけないと思うんですよ、体を。
若新:子どもの時はさ「このオモチャ欲しい!」ってなった時にこうテンションが上がってジタバタするじゃん。このご飯食べたいとかさ、ものすごく欲しいものとか面白いものに触れた時に、部屋をグルグルまわったりするじゃん。あれは、子どもだからというよりは、人間が元々そういうものなんですよ。
頭だけで考えてもいいアイディアって浮かばなくて、今までの経験とか感覚的なものとか全てがハマったときにカチって浮かぶ。
若新:で、それがキたときにすごいテンションが上がるんで、その人(仕事のパートナー)たちにも「20分とか30分じゃなくて5分で説明してくれ」って言われるんですけど、それは無理なんですよ。
子どもがすごい楽しい時にさ「その感情を簡潔に!」とか言っても無理じゃん。
一馬:言えば言うほど長くなる。
若新:そう。僕たちは本来の「自然体」みたいなものを抑圧されてて、「大人なんだからこうしなきゃいけない」とか、手順みたいなもの学んでる。そういう状態じゃ思いつかないんでしょうね、良いものが。心も体もリラックスさせなきゃいけない。この社会に生きてるとそれが難しいんだけど。
若新:労働者ってのは、基本的に雇われの身じゃないですか。雇われるってことは、あるひとつの枠組みの中で使用されるわけなんで、はっきり言ってそういう(アイディアが浮かぶような)状態って、使用する側から言ったら使いづらいですよね。
若新:バスの運転手が突然閃いて「ハンパない構想を思いついた!!」とか言ってハンドル切られても困るわけじゃないですか。例えそれがどんな素晴らしいコースだったとしてね、お客さんが「感動したわ」ってなったとしてね、それは駄目じゃないですか。そうならないように教育を受けているわけでね。それ(アイディアと社会性)はトレードオフの関係というか、片方を取れば片方がなくなる。子どもがいくら可愛くても、バスの運転はまかせたくないって話と一緒で。
ソーシャルストリームからの質問
質問者:「Ustreamから質問してもいいですかー?『ぼくはこういう人間です』とはっきり自分を貫くことが欠点となる人と、長所となる若新さんと、どこが違うと若新さん自身が考えているか聴きたいです。 ( #いぐする仙台 live at http://ustre.am/17NJq )」
若新:それは簡単ですよ。醜いところまで認めるかどうかだと思いますね。僕はこうですって言うときに、自分で好きなところとかよく見られたいところだけを主張する場合と、自分の醜さとか不完全さも含めて言えるかどうかは全然別で、そっちは開示しないで、いいとこばっかり主張するというのは、それはうまくいかないと思う。でもそう言う人は多いですよね。
「不完全さを含めて」いうのは、自分の立場を「誇示する」んではなくて、どっちかと言えば「開示する」わけなんで、相手に全てを委ねることになりますよね。その実験の最初が「ナルシスト狂宴」だったんですけど。
質問者:「アイディアがどうやって浮かぶんですか?」って話を聞いて思ったんですけど、その浮かんだアイディアを実際に実行するために今まで培ってきたものというか、その実行力はどこから来るんですか?
若新:事前に設計するってことはけっこう重要なんですけど、いくつかポイントがあって。僕はプロジェクトを思いついた瞬間からものすごい妄想を膨らませるんで、僕ん中では、うまくいくところまでのイメージが鮮明に描けてるんですよね。イメージが鮮明に描けた時はうまくいく。イメージ通りに全ていくわけではないんですけど、それは全然良くて。
若新:NEET株式会社に関してはこれから3年後こうなってるみたいなイメージがあって、それを想像し出すと、もうたまらなくなるんですよね(笑)。そうなると、やりたくてやりたくてたまらなくなって、頭ん中の妄想を具現化せずにはいられないと思うようになるんですよ。
若新:特にJK課の時はそうで、思いついた瞬間に記者会見までは浮かんだんですよ。
それと、思い描く時に、妄想は苦痛であってはいけないと思うんですよ。楽しい妄想はどんどん続くんで、そうやって妄想をしてくと、かなり細かいところまで想像するようになるんですよ。
若新:僕は、妄想段階で「100パーセントうまくいく」と不安もなく確信している状態かどうかで全てが決まっていく気がしていて。
なぜかというと、そこから妄想を具現化するわけなんだけど、結局全てのプロジェクトって人間の社会だから、人が関わってくるわけじゃん。
若新:成功の可否を決めているのは、その後実際、自分以外の人がどう動くかなんですよ。「ナルシスト狂宴」から「JK課」に至るまで、一貫して言えることは。
若新:僕が言いたいのは「成功するレベルの綿密な計画を立てることが必要だ」っていうナンセンスなことを言うオッサンはいるけど、あれはすげー間違ってて。自分ひとりで計画を立てるってのはある程度必要だけど、あんま意味がないというか。
その人が「自分の妄想が100パーセントうまくいく」って信じてると、その人は100パーセントを疑うことがないわけなんで、妄想を再現するためのことだけを考えるんですね。そのために「この人にこうしてもらおう」とか動くようになるんですよ。で、人に説明する時に自分の妄想を90パーセントくらいしか信じてないと、協力のレベルが減るわけですよ。これが妄想が100パーセントぐらいにまで至っていると、市長がああいうプロジェクトにハンコ押してくれたりとかするんですよ。
若新:結果、妄想を具現化するために自分もいろいろ考えるし、いろんな協力者も増える。協力者が増えると、期待に応えなきゃいけないって気持ちになるんで、それに追いつかせようと思ってまたやったりすると、妄想がめっちゃ楽しいんでそこには苦痛はなくて。妄想の段階でイメージが弱いとやっぱ駄目なんでしょうね。
若新:で、そうすると「妄想が100パーセントにならない場合はどうしたらいいんですか?」って質問が来るかと思うんだけど、それはやらないことが重要ですね。
僕はですね、最初にやるべきものがあって、やるべきものの妄想を100%にしてきたわけではなく、100パーセント妄想できたものがたまたま世に出ているだけなんですよ。
全イベントの模様はアーカイブから
いかかでしたでしょうか?
若新雄純さんトークライブ、今回いろいろな理由で文章になっていない部分もありますが、大変興味深い内容になっておりますので、気になる方はこちらのアーカイブから全編をご覧下さい。
以上、
いぐする仙台プレゼンツ「題名のないトークライブ」レポートでした!
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