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おしごとストーリー episode.1~ 「仙台のお正月」を支える仕事

近藤 京子 近藤京子
728 views 2014.01.01
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「きになる おしごと」伝えます

新年あけましておめでとうございます。
いぐする仙台編集長の近藤です。

こんどう近藤京子
いぐする仙台で編集長を務める、プロのライター。
かつて「ドクダミ荘」と呼ばれる魔界(土足OK)に居を構えていた。

みなさん、どんなお正月を過ごしていますか?
なに、今年も寝正月? 奇遇ですねえ、私もです。

きになる おしごと」がテーマの当サイト。
寝正月だって、たくさんの仕事の支えがあってこそ、ぬくぬくゴロゴロできるってもの。
そんな年中行事や季節のイベントを「支える仕事」を伝える新シリーズがスタートします。
新年一発目のお題は「仙台のお正月を支える仕事」。2つの現場を訪ねてきました。

コタツにミカンに正月版の新聞

元旦の楽しみといえば、ポストに届く年賀状。そして、お正月特別号の新聞という人も多いのでは。ほとんどの新聞では通常の朝刊に加え、新年を祝う特集号をプラス。特に仙台は街をあげての一大イベント「仙台初売り」があり、折り込みチラシも豪華版!コタツに入って初売り情報をチェックするのもお正月らしいお茶の間のワンシーンですよね。

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記事を書くのが記者なら、新聞を配達するのは販売店。仙台に本社がある新聞社・河北新報の販売店に真冬の新聞配達に欠かせない“秘密兵器”があるという情報をキャッチ!配達員の安全を守ってくれるどんなハイテクグッズなのか、何やら、特ダネなカホリがしてきましたよ。

配達員の安全を守る“秘密兵器”

実際に「それ」を使っているというのが、仙台市宮城野区の河北仙販 幸町支店。朝刊5300部を配達する、市内最大の取り扱いを誇る販売店です。

さっそく支店長の佐藤勝吉さん(52)に“秘密兵器”について直撃。

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佐藤さん:それは……

近藤:そ、それは?(ゴクリ)

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佐藤さん、なんです。

な、なわ?
この平成の世に、
このハイテクノロジーの世に、縄?
(しつこくて、すみません)

実物が、これ

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ワラを編んで作られる、いわゆる荒縄。
仙台市内でもホームセンターに行けば誰でも購入できます。まさかの荒縄…。

佐藤さん:雪が降ったり、冷え込みが厳しくて道路がアイスバーンになる日には、転倒防止のために足に巻いて配達に出てもらうようにしています。

近藤:ど、どんなふうに使うんですか?

佐藤さん:各自、靴やブーツに直に縄をぐるぐる巻きにします。足首にも巻くと外れにくいんですよ。

近藤:ほほう。

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自転車部隊の配達イメージ(現役の配達用自転車のリアリズムがスゴい)
こんな感じで靴に縄を巻き、各自、担当エリアへと出発!

天然素材は、最強!

それにしても、古風な秘密兵器。そんなにスゴいの?

佐藤さん:実は、靴底がスタッドレスタイヤのような素材の最新の機能性シューズを配達員さんたちに履いてもらったこともあるんです。でも……

近藤:でも?

佐藤さん:アイスバーンにはあまり効果がなかったんですよね。転んじゃったりして。

各販売店に朝刊が届くのは午前3時半ごろ。早い人は4時には配達に出発します。冬は日の出が遅く外はまだ真っ暗。日中に解けた雪が深夜の冷え込みで凍結し、道路がテラッテラのブラックアイスバーンと化す日も少なくありません。
また、幸町支店の担当は高松や二の森など、急坂が多いエリア。配達に自転車を使う人が多く、安全対策には気を抜けません。

さらに、元日の朝刊ともなれば、通常の6~7倍の重さ。

折り込みチラシはなんと80種類以上も!

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1部の厚さはこのぐらいに

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スタッフの今野恵美子さん(61)も縄の効果について力説します。
今は内勤ですが、新聞配達歴30年のベテラン!配達員時代、縄の威力に助けられたひとりです。
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今野さん:冬の配達ではしょっちゅう転んでいました。転ぶのがうまくなるくらい(笑)。でも、縄を使うようになってからは、転倒が減りました。凍った道でも滑りにくいから、安心感が違います。

佐藤さん:縄の原料であるワラの細かな繊維が凍結した地面をしっかりつかみ、滑りにくくなるんです。

なるほど~。
今野さんの記憶によると幸町支店で縄を使い始めたのは20年ほど前から。
今となっては言い出しっぺが誰だったかは、古株の今野さんも分からず、ルーツは謎のまま…。
しかし、20年間、配達員の冬の安全を守ってきたのは確かです。いまだ、縄の強力なグリップ力に勝るものは登場していないというから、天然素材、恐るべし……。

まだまだ続くよ!「きになる おしごと」

続いて紹介するのは、お正月には欠かせない「あの」「あれ」に迫りました。
おしごとストーリー episode.2~ 「仙台のお正月」を支える仕事

リンク:河北仙販
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この記事を書いた人

近藤 京子
近藤 京子
編集長/ライター
編集長の近藤です。ライター歴は十数年になってしまいました。座右の銘は「止まない雨はない」。裏の座右の銘は「締切はゴムひも」。でもこれは撤回しようかなと思っております。最近は「涙腺がゴムひも」。年取ると涙腺が破壊されます…。