社労士として会社の職場環境を整え、会社と個人双方にとっていい循環をつくる
伊東卓明さん アーサー&パートナーズ社労士事務所 所長
時代に合った働きやすい職場を増やしたい
「時として、会社の企業文化を変えなければいけないときもあります。伝統を変えることは簡単ではありません」。企業の伝統や歴史を重んじつつ、今の時代に合った、風通しの良い職場環境をつくるのが伊東さんの仕事です。
顧客の企業が利益を上げ、社員一人一人が自己実現できるような「よりよい職場環境」を整えるために、社労士として労働法関係の法律を勉強するとともに心理学についても本を読み勉強しています。事務所の本棚には心理学の本がびっしり!
人事制度についての依頼を受けた企業で社員と個人面談をする中で、組織をつくることに加えて一人一人の心を整える必要性も感じたのだといいます。「社労士の知識で会社の制度(=器)をつくり、心理学で一人一人の「人」をやる気にさせる方法を取り入れることで、組織と個人双方にプラスになる職場をつくっています」。今では、アンガ―マネジメントについての資格を取得し、依頼を受けた会社の個別相談に応じたり、感情をコントロールする方法を指導する講座の講師をしたりしています。
「社労士」という仕事との出会い
▲伊東さんの「経営理念」
伊東さんが「社労士が人の役に立てる仕事である」と気づいたのは就職してからです。東北学院大学文学部を平成4年に卒業した後、労働法関係の書籍を扱う会社で営業をしていた時、社労士事務所を訪問したのがきっかけでした。転職し、平成11年(1999年)8月から仙台市内の社労士事務所に勤めながら、資格を取得するための試験勉強をしました。平成14年(2002年)4月に独立して立ち上げたのがアーサー&パートナーズ社労士事務所です。
「学生時代には、ゲーテやシャークスピアなどの古典や哲学書を読むのが好きでした」。仕事のために労働法関係の実務的な本を読まなければいけなくなり、教養的な古典や哲学の本を読む機会は減りました。文学部で学んだことが社会に出て直接役に立ったわけではありませんが、心理学の本を読む中で、「人の心を読むこと」と、学生時代に古典や哲学を勉強した体験が根底では通じていることに気づいたといいます。
社労士は「人」の役に立てる仕事
アーサー&パートナーズ社労士事務所では、所長の伊東さんを含めて社労士2名、事務スタッフ7名が事務所働いています。中には「未来」の社労士も。事務スタッフとして働きながら、社労士の資格取得に向けて勉強しているのです。試験が近づいてきて疲れがたまってきたと話すスタッフに、伊東さんは優しい言葉をかけ、暖かく応援していました。
「社労士に必要なことは、『人に関心があること』と『向上心があること』です」。
伊東さんはいいます「社労士には、仕事をする上で覚えなければならない法律が多いので、常に新しい知識を学んでいく姿勢が求められます。やりがいは、社労士が「人」の役に立てる仕事であると再確認した時に感じます。依頼を受けた会社から職場の雰囲気がよくなり、業績も向上したという声が返ってきた時は社労士冥利に尽きます。会社の業績向上と一人一人の社員の自己実現を共に果たすことができる職場を一社でも多く実現することを目指しています」。
まずは3年同じ仕事を続けてみること
学生のうちは、自分にあった職業はないのではないかと思うことがあるかもしれません。就職した会社が自分には向いてなかったと思うこともあるでしょう。せっかく就活に苦労して就職した会社を1年や2年で離職してしまう人も少なくないでしょう。それでも3年以上は仕事を続けでみてください。すぐに仕事をやめてしまうと仕事上のスキルを身につけることができないまま、次の仕事を探さなければいけなくなります。同じ仕事を続ける中で見えてくるものもあると思います。同じ仕事を続けて、仕事を覚えていくなかで自分の適性や向いている仕事に出会うことがあります。
この記事を書いた人
- 古いものが好きで、新しいものが苦手なアナログ大学生。落ち着く場所はお城やお寺。いぐするでは、老舗や伝統工芸に行ってみたいともくろんでる。
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