幸せを届ける 自動券売機
食を通じて、幸せを届ける企業がある。それは飲食店だけではない。主に自動券売機を扱う「パルコ」もそのうちの1つである。そこでは、いかにして人を幸せにできるかを1番に考える。
仙台市泉区南中山にあるパルコ。その代表取締役を務める阿部章さん(33)はこう語る。「人を良くすると書いて『食』。本物の食をお客様に提供したいんです。やはり人間の身体をつくるのは食べ物ですからね」
現代では、安価で美味しい食品が提供されている。しかし、中身には身体にはあまり良くない物質が含まれることもある。その中でパルコは自動券売機を通して、安全な食をお客様に提供したいという想いをもつ。そこでパルコは、どんな食材があるか分かりやすくするために、飲食店のメニューにある食べ物の写真を自動券売機に日本で初めて取り入れた。
▲自身の夢を語るパルコ代表取締役、阿部章さん。
平成元年に創業したパルコ。創業当時から、自動券売機という便利機器を社会に普及することに貢献してきた。しかしながら、東日本大震災では、自動券売機のレンタル品や販売品は10台ほど流されたと連絡を受けた。だが、会社自体に大きな被害はなかった。学生時代から活動的な性格の阿部さんは、被災地で困っている人に経営者の仲間たちと物資を届けた。「働くっていうのは、人と社会のために動くこと。それは仕事でも震災でも同じことじゃないですか」。そう話す阿部さんは、被災地の中小企業としての使命を背負う、凛々しい表情を見せた。
被災地だけではなく、地域の中小企業は跡継ぎをめぐる問題や働き手が少ないといった問題がある。その中小企業は、企業を外部へアピールすることが不得意だという。そのことからパルコは、自動券売機だけでなく、外部へアピールする手段として企業のホームページ作成、webデザイン事業なども展開する。また、阿部さんは10年後には営業所を増やし、雇用を作り出したいと語る。それは、若者が地方へ戻ってきても雇用を無くさないようにするためだ。
困っている人がいたら助ける。みんなを幸せにしたい。その想いの下には、パルコの自動券売機を通じてお客様の身体を気遣うパルコの愛情があった。また、地域の雇用を支えようとする力強い姿があった。「多くの人を幸せにする」というパルコの試みは続く。
この記事を書いた人
- 日本大学法学部新聞学科3年
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